内容
子どもの体力低下が叫ばれて久しい。最近はその低下傾向に歯止めがかかったと言われるものの、新型コロナウイルスによる影響が今後顕在化する可能性もあり、引き続き注視していく必要がある。そもそも現在のように子どもの体力が問題視されるようになったのは、東京1964オリンピックを契機に始まったスポーツテストにより、子どもの体力の状況が把握されたことにあると言われる。その意味では、東京2020が次なるエポックメイキングとなるように、子どもの体力低下問題の解消に向けた道筋を見出していきたいところである。
<目次>
[口絵]優れた体育授業を観る・創る 運動遊び、楽しいよ!(細越淳二)
[巻頭エッセイ]新体力テスト―これまでとこれから(内藤久士)
特集 「子どもの体力低下」問題への新たな視角
オリンピアンの体力測定から見えてくるもの(松林武生)
「子どもの体力」はどのように語られてきたのか(小坂美保)
年次推移からみる向上している体力、低下している体力(石川拓次)
コロナ禍の子どもの体力低下にどう向き合うか(長野康平)
体力向上は苦手科目の成績改善につながる?(森田憲輝)
〈子どもの体力低下・二極化問題への新たな視角〉
「社会問題」としての子どものスポーツ格差(清水紀宏)
親の運動嗜好が子どもの体力に与える影響(長野真弓)
〈「持続可能な」体力向上に向けた取り組みの模索〉
「学習に向かうことができる体づくり」に取り組んだ9年間の軌跡(平賀謙一)
学校・家庭・地域が協働して取り組む体力向上(本山 司・岡田良平・長根わかば・本山 貢)
短時間で成果がでる! 体力向上に向けた運動のアイディア(上田憲嗣)
[新連載]
●体育を「てつがく」しよう!/体育を「てつがく」するって、何するの?(坂本拓弥)
●これからの武道授業を創る/柔道らしい攻防の「動き」とは(有山篤利ほか)
●体育ののぞみ先生と語学の田原先生/「体育苦手論」入門(田原洋樹・高橋のぞみ)
[連載]
●スポーツの今を知るために/「史上最強の横綱」白鵬関が経験した評価の変転(鈴村裕輔)
●スポーツ記者の目/ラグビー日本代表、ブランクとの闘い(木ノ原句望)
●GIGAスクール時代の体育授業実践/体育における協働的なe-assessmentの成果と課題(小野浩由・鈴木直樹)
●特別支援学校における「楽しい体育」を求めて/空手道に挑戦だ!(清野宏樹)
●風速計/部活動指導者と地域の守備範囲(谷口輝世子)
●体育教師のためのアドラー心理学/ゲームへの目的意識を変えるアダプテーション・ゲーム(村瀬浩二・日置悠貴)
●口絵解説/運動遊び、楽しいよ!(細越淳二)
●スポーツ「新・職人」賛歌/身長2メートルの大型レスラー。観客を感動させる最高の格闘技に惹かれて〈綾部蓮〉(岡 邦行)
●エッセイ/履歴書が書けないアスリートたち(笹竹英穂)