保健医療専門職のためのヘルスコミュニケーション学入門

保健医療専門職のためのヘルスコミュニケーション学入門
著者 石川ひろの
ジャンル 書籍 > 保健・健康 > 健康一般・健康科学・健康文化
出版年月日 2020/01/14
ISBN 9784469268829
判型・ページ数 B5・160ページ
定価 1,980円(本体1,800円+税10%)

内容

医療面接からヘルスキャンペーンまで網羅した入門書

ヘルスコミュニケーション学を初めて学ぶ人が、対人からマスメディア、医療面接からヘルスキャンペーンまで、ヘルスコミュニケーション学の分野全体を見渡し、学術的な理論や概念、スキルを系統的に学べるよう、日本の実情に合わせた内容と実例を含めて構成されている。

目次

まえがき

第1章 ヘルスコミュニケーションとは

1.ヘルスコミュニケーションの背景
 1.1.健康とは
 1.2.健康と医療をとりまく社会の変化
  1.2.1.生物医学モデル
  1.2.2.生物心理社会的モデル
2.コミュニケーションとは
 2.1.コミュニケーションの目標
 2.2.送り手と受け手
 2.3.コミュニケーションの伝達経路
 2.4.コミュニケーションのコンテクスト
 2.5.ノイズ
  2.5.1.物理的ノイズ
  2.5.2.心理的ノイズ
  2.5.3.意味的ノイズ
3.ヘルスコミュニケーションとは
 3.1.ヘルスコミュニケーションのレベル
  3.1.1.個人内におけるヘルスコミュニケーション
  3.1.2.個人間におけるヘルスコミュニケーション
  3.1.3.グループにおけるヘルスコミュニケーション
  3.1.4.組織におけるヘルスコミュニケーション
  3.1.5.社会におけるヘルスコミュニケーション
 3.2.ヘルスコミュニケーション学の歴史
4.ヘルスコミュニケーションの意義と役割
 4.1.ヘルスコミュニケーションの重要性
 4.2.ヘルスコミュニケーションのもつ役割
5.まとめ

第2章 患者・医療者関係とコミュニケーション

1.患者・医療者関係の変化
 1.1.患者・医療者関係のモデル
 1.2.日本における患者・医療者関係の特徴と変化
2.患者・医療者間コミュニケーション
 2.1.医療場面におけるコミュニケーションの特徴
  2.1.1.力の不均衡
  2.1.2.視点の違い
  2.1.3.コミュニケーションの内容
  2.1.4.コミュニケーションの環境
 2.2.患者・医療者間コミュニケーションの影響
 2.3.医療者教育におけるコミュニケーション教育
3.患者中心の医療
 3.1.患者中心的アプローチのモデル
 3.2.患者・医療者の協働に向けて
コラム 患者の視点(山口育子)
4.意思決定の共有
 4.1.意思決定の共有のモデル
 4.2.インフォームド・コンセント
 4.3.セカンド・オピニオン
5.まとめ

第3章 相互理解のためのコミュニケーション

1.患者の視点と行動
 1.1.病気行動
 1.2.病経験
  1.2.1.病の意味
  1.2.2.患者と医療者の視点のずれ
2.ナラティブとは
 2.1.個人史の崩壊
 2.2.病の語り
 2.3.ナラティブ・アプローチ
 2.4.病の語りの共有
3.相互理解のためのコミュニケーションスキル
 3.1.積極的傾聴
 3.2.傾聴のスキル
  3.2.1.非言語的な傾聴
  3.2.2.言語的な傾聴
 3.3.質問のスキル
  3.3.1.開放型質問
  3.3.2.閉鎖型質問
  3.3.3.順序を工夫する
  3.3.4.話を促し明確にする質問
  3.3.5.注意すべき質問
4.まとめ

第4章 情報提供のためのコミュニケーション

1.文書の見やすさ、読みやすさ
 1.1.リーダビリティ
 1.2.読みやすさの影響
 1.3.文書の分かりやすさの評価
2.対面での説明
3.保健医療情報の多様化とヘルスリテラシー
 3.1.ヘルスリテラシーとは
 3.2.ヘルスリテラシーの問題と影響
 3.3.ヘルスリテラシーに着目した取り組みの必要性
4.情報提供のためのコミュニケーションスキル
 4.1.ヘルスリテラシーの評価
 4.2.医療者側のコミュニケーションスキル
 4.3.ヘルスリテラシー向上のための教育
5.まとめ
コラム イラストの力(原木万紀子)

第5章 行動変容を促すコミュニケーション

1.態度とその変化
 1.1.態度
 1.2.認知的不協和理論
2.説得的コミュニケーション
 2.1.影響力の原理
  2.1.1.返報性
  2.1.2.一貫性
  2.1.3.社会的証明
  2.1.4.好意
  2.1.5.権威
  2.1.6.希少性
 2.2.説得的コミュニケーションのプロセス
  2.2.1.送り手
  2.2.2.メッセージ
  2.2.3.状況的要因
  2.2.4.受け手
3.行動変容を促すコミュニケーション
 3.1.コーチング
 3.2.コーチングにおけるコミュニケーション
  3.2.1.傾聴
  3.2.2.質問
  3.2.3.承認
  3.2.4.フィードバック
 3.3.保健医療におけるコーチングの可能性
4.まとめ

第6章 多職種連携のコミュニケーション

1.集団・組織におけるコミュニケーション
 1.1.グループとチーム
 1.2.保健医療におけるチームと多職種連携
 1.3.コミュニケーションネットワーク
2.リーダーシップ
 2.1.PM理論
 2.2.リーダーシップの影響
3.チームにおけるコミュニケーション
 3.1.チームワークとコミュニケーション
 3.2.コミュニケーションエラーとは
  3.2.1.誤伝達
  3.2.2.省略
 3.3.チームエラーを防ぐコミュニケーション
  3.3.1.組織・チームの取り組み
  3.3.2.個人の取り組み
4.まとめ

第7章 健康教育とヘルスキャンペーン

1.健康教育とは
2.健康行動理論
 2.1.健康信念モデル
 2.2.計画的行動理論
 2.3.自己効力感
 2.4.変化のステージモデル
 2.5.イノベーション普及理論
3.ソーシャル・マーケティング
 3.1.マーケティングとは
 3.2.ソーシャル・マーケティング
 3.3.保健医療におけるソーシャル・マーケティング
4.行動経済学に基づくコミュニケーション
 4.1.二重過程理論
 4.2.ナッジ理論
5.まとめ
コラム 健康医療情報の分かりやすさと説得力を高める10原則(奥原剛)

第8章 リスクコミュニケーション

1.リスクとは
 1.1.リスク認知
 1.2.リスク受容に影響する要因
2.リスクコミュニケーション
 2.1.リスクコミュニケーションの定義
 2.2.クライシスコミュニケーション
 2.3.科学観と科学技術コミュニケーションモデル
 2.4.リスクコミュニケーションの送り手の義務
3.リスクコミュニケーションの方略
 3.1.リスクコミュニケーションの流れ
 3.2.送り手の聴き方と伝え方
4.メッセージ作成上の注意
 4.1.フレーミング
 4.2.確率の表現
 4.3.言語表現
 4.4.恐怖喚起
5.まとめ

第9章 マスメディアによるコミュニケーション

1.マスメディアとは
 1.1.メディアの分類
 1.2.テレビによるコミュニケーション
 1.3.新聞によるコミュニケーション
2.マスメディアへの信頼と利用
コラム テレビ制作者の視点(市川衛)
3.メディアコミュニケーションの理論
 3.1.強力効果説
 3.2.限定効果説
 3.3.議題設定効果
 3.4.社会的学習理論
 3.5.培養理論
4.健康や医療に関する報道
 4.1.マスメディアによる報道の評価
 4.2.メディアリテラシー
5.エンターテイメント・エデュケーション
6.まとめ
コラム エンターテイメント・エデュケーションの実践(加藤美生)

第10章 オンラインのコミュニケーション

1.インターネットの発達
 1.1.インターネットの利用状況
 1.2.インターネットによるコミュニケーション
 1.3.ソーシャルメディア
2.ヘルスコミュニケーションへの影響
 2.1.遠隔医療
 2.2.オンラインのコミュニティ
 2.3.オンラインでの情報収集行動
 2.4.オンラインでの教育介入
3.オンラインの健康医療情報に関する課題
 3.1.健康医療情報の質
 3.2.保健医療専門職としての情報発信
  3.2.1.オンラインにおけるプロフェッショナリズム
  3.2.2.ソーシャルメディアに関する注意
4.まとめ
コラム インターネットとがん情報(高山智子)

第11章 社会変革とアドボカシーのコミュニケーション

1.健康のためのアドボカシー
 1.1.権利擁護としてのアドボカシー
 1.2.政策提言としてのアドボカシー
2.アドボカシーのための準備
 2.1.エビデンス
 2.2.関連政策
 2.3.解決策
 2.4.パートナーシップと協力先
 2.5.アドボカシー戦略
 2.6.メッセージづくり
3.アドボカシーの戦略
 3.1.政府と政治家に働きかける
  3.1.1.政治家への手紙
  3.1.2.政治家との面談
3.2.メディアに働きかける
  3.2.1.メディアリリース
  3.2.2.インタビューに答える
3.3.インターネットを利用する
4.まとめ

あとがき
さくいん

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