英語教師のための「実践研究」ガイドブック

英語教師のための「実践研究」ガイドブック
著者 田中武夫 編著
髙木亜希子 編著
藤田卓郎 編著
滝沢雄一 編著
酒井英樹 編著
ジャンル 書籍 > 英語教育 > 英語教育
大学テキスト > 英語教育・英会話・実務英語 > 英語教育
出版年月日 2019/06/27
ISBN 9784469246278
判型・ページ数 A5・272ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税10%)

内容

実践研究はいつでも気軽に始められる研究です

実践研究は、日々の授業実践での疑問、悩み、課題を探究するために、ひとりでも、いつでも、気軽に始めることができる研究です。本書では、研究の始めかたから、データ収集や分析、発表にいたる具体的なプロセスまで、実践研究の基礎・基本をわかりやすく解説します。

目次

はじめに

第1章 実践研究をはじめよう

1.実践研究の意義を知ろう
 1.1 実践の質の向上を図る
 1.2 実践研究の具体事例を見てみよう
2.実践研究の基本要素を知ろう
3.実践研究と他の研究との違いを知ろう
 3.1 実践を研究する方法にはどのようなものがあるか
 3.2 校内研究・実践報告・学術研究と実践研究の相違点
4.実践研究のプロセスを理解しよう

【コラム①】「実践研究」の定義

第2章 さまざまな実践研究を見てみよう

1.実践研究の事例を見てみよう
 1.1 実践研究の方法と過程
 1.2 事例に見る実践研究の進め方
2.事例1:目的意識・相手意識を持って伝え合う授業実践で児童は何を学ぶのか(小学校)
3.事例2:生徒の主体的で即興的な表現力を育てる実践をどのように改善していけるか(中学校)
4.事例3:英語を使った授業実践を継続すると生徒はどのように変容していくのか(中学校)
5.事例4:深い読みを促すための書く活動に対して生徒はどのような認識を持っているのか(中学校)
6.事例5:協同的なライティング活動を行うことは生徒の学びにどのようにつながっているのか(中学校)
7.事例6:教育困難校の生徒は英語授業に対してどのような認識を持っているのか(高校)
8.事例7:タスクを中心とした実践は英語を苦手とする生徒にどのような影響を与えるのか(高校)
9.事例8:主体性を促す読解指導によって学生の意識はどのように変容していくのか(大学)

【コラム②】校内研究に実践研究の視点を取り入れる

第3章 問いを立てよう

1.問いを探してみよう
 1.1 問いはどこから生まれるのか
 1.2 もやもや感を言語化してみよう
 1.3 問いの2つのタイプを知ろう
2.問いを立ててみよう
 2.1 問いを立てるプロセス
 2.2 よい問いを立てよう
 2.3 問いの重要性を高める
 2.4 問いの明確性を高める
 2.5 問いの可能性を高める

【コラム③】先行研究は必要か

第4章 データのタイプを知ろう

1.実践研究におけるデータとは
 1.1 データとは何か
 1.2 データをどのように役立てるか
2.どのようなデータをいつ集めればよいか
 2.1 どのようなデータを集めればよいか考えよう
 2.2 対象とするデータをいつ集めるべきか考えよう

【コラム④】実践研究における倫理面での注意点

第5章 データを収集しよう

1.実践研究におけるデータ収集とは
2.量的データの収集法を見てみよう
 2.1 テスト・課題
 2.2 質問紙(評定型)
3.質的データの収集法を見てみよう
 3.1 質問紙(自由記述型)・授業の感想・振り返り
 3.2 授業観察メモ・授業日誌
 3.3 インタビュー(聞き取り)
 3.4 授業ビデオ
 3.5 授業検討会
4.データの収集と整理のコツ
 4.1 データ収集のポイント
 4.2 データの整理のコツ

【コラム⑤】事例を一般化できるのか

第6章 データを分析しよう

1.分析方法のタイプを知ろう
 1.1 データの分析とは
 1.2 データ分析の前に問いを確認しよう
2.量的分析をしてみよう
 2.1 量的分析の基本を知ろう
 2.2 平均値の比較だけでは不十分か
 2.3 質問紙(評定型)の分析例(集団の特徴)
 2.4 テストの分析例(集団の変容)
3.質的分析をしてみよう
 3.1 質的分析の基本を知ろう
 3.2 質問紙(自由記述型)の分析例(集団の特徴)
 3.3 リアクション・ペーパーの分析例(集団の特徴)
 3.4 授業ビデオの分析例(集団の特徴)
 3.5 インタビューの分析例(個人の特徴)
 3.6 英作文の分析例(個人の変容)

【コラム⑥】統計分析は必要か

第7章 データを解釈しよう

1.データの解釈とは
2.分析結果の解釈方法を見てみよう
 2.1 量的データ分析の解釈:集団の特徴(質問紙(評定型))
 2.2 量的データ分析の解釈:集団の変容(テスト)
 2.3 質的データ分析の解釈:集団の特徴(質問紙(自由記述型))
 2.4 質的データ分析の解釈:個人(生徒)の変容(生徒の日記、授業日誌)
 2.5 質的データ分析の解釈:個人(学生)の変容(インタビュー)
 2.6 質的データ分析の解釈:個人(生徒・教師)の変容(メンターとの対話・授業日誌)

【コラム⑦】実践研究における実践者の立ち位置

第8章 実践について語ろう・話そう・書こう

1.なぜ実践研究を共有・公開すべきなのか
 1.1 実践研究の共有・公開とは
 1.2 実践研究の共有・公開の意義:実践者の視点から
 1.3 実践研究の共有・公開の意義:聞き手・読み手の視点から
2.実践研究を共有・公開してみよう
 2.1 いつどこで共有・公開できるか情報を入手する
 2.2 どのような共有の場があるか
 2.3 どのような公開の場があるか
3.実践研究をどのように共有・公開するか
 3.1 学会・研究会での発表へのステップ
 3.2 論文の執筆と投稿のステップ
4.実践研究の共有・公開事例を見てみよう
 4.1 口頭発表と論文の構成とは
 4.2 口頭発表と論文執筆の実際

【コラム⑧】他者と協働して実践を言語化すること

第9章 実践研究をやってみよう

1.実践研究から得られること
 1.1 言語化のスキルアップがもたらすもの(河合創)
 1.2 生徒の「表れ」に寄り添うこと(宮﨑直哉)
 1.3 実践研究が教えてくれたこと(山岸律子)
 1.4 授業実践を掘り下げるということ(吉田悠一)
2.実践研究をめぐる課題への対処法
 2.1 実践研究の時間がない
 2.2 同僚の協力が得られない
 2.3 職場の雰囲気にそぐわない
 2.4 職場内での共有が進まない

【コラム⑨】教師の実践知と理論知

引用文献
索引

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