球技のコーチング学

内容

球技のコーチング学の深化とコーチの学びに貢献

『コーチング学への招待』に続く、第2巻。サッカー、ラグビー、ハンドボール、バスケットボール、バレーボール、卓球、テニス、バドミントン、野球などの個別のスポーツに関するコーチングを、「球技」という視点から一般化し、コーチングに関する一般理論と個別種目の理論を橋渡しする役割を担った一冊。

目次

はじめに

第1部 球技のコーチングに関する一般理論

第1章 球技の特徴
第1節 球技の対象規定
 1.対象を規定するための要件
 2.「共通コード」の探求
 3.球技の対象規定の検討
第2節 球技の特性
 1.「特性」の語義
 2.特性にかかわる範例の検討
 3.球技が本来固有するもの
第3節 球技の分類
 1.線引きのための3つの視点
 2.分類の基準
 3.群(グループ)の編成と具体的な順序・配列

第2章 球技におけるゲームの特徴
第1節 ゲームの構造(関係構造)
 1.競技規則が生み出す競争目的と競争課題
 2.攻撃と防御の直接的対峙
 3.ゲームを構成する要素とコーチがコントロールできる度合い
第2節 ゲームにおける局面(時間構造)
 1.ゲームの局面構造
 2.攻防の局面構造
 3.プレーの局面構造
第3節 スペースが持つ意味(空間構造)
 1.物理空間と意味空間
 2.スペースをめぐる攻防
 3.空間上のポジショニングと相手に対するポジショニング
第4節 ゲームにおける状況と流れ(力動構造)
 1.ゲーム状況
 2.試合の流れ

第3章 球技における競技力の構造
第1節 競技力の構造
 1.球技における競技力の特徴
 2.試合において発揮される競技力の構造
 3.競技力の査定
第2節 球技における技術力
 1.球技における技術とその特徴
 2.球技における技術力とその構造
 3.技術力の査定
第3節 球技における戦術力
 1.球技における戦術とその構造
 2.球技における戦術力とその構造
 3.戦術力の査定
第4節 球技における体力
 1.球技における体力の特徴
 2.生理学的パラメーターと一般的体力
 3.プレータイプと専門的体力
 4.体力の査定
第5節 球技における心的・知的能力
 1.球技における心的・知的能力の特徴
 2.球技における心的・知的能力の熟達
 3.心的・知的能力の評価法

第4章 球技におけるパフォーマンスの分析
第1節 ゲームパフォーマンス分析の意義と目的
 1.量的分析と質的分析
 2.記述的ゲームパフォーマンス分析の意義
 3.記述的ゲームパフォーマンス分析の目的
第2節 ゲームパフォーマンス分析の方法
 1.手作業による記述分析
 2.映像編集機能を備えたコンピューターシステムによるパフォーマンス分析
 3.GPSを利用したタイムモーション分析
第3節 コーチング活動でのゲームパフォーマンス分析結果の活用
 1.試合の反省への活用
 2.トレーニングの組み立てへの活用
 3.選手のセレクションへの活用
 4.スカウティングと作戦的準備への活用
 5.試合での指揮

第5章 球技におけるトレーニングの原則
第1節 技術・戦術トレーニングのオーガナイズとコーチングポイント
 1.試合からの逆算
 2.トレーニングの流れ
 3.トレーニングのオーガナイズ
 4.コーチングのポイント
第2節 体力トレーニングのオーガナイズとポイント
 1.運動特性の分析
 2.球技における体力トレーニングの分類
 3.ボールを使用した体力トレーニング
 4.ボールを使用しない体力トレーニング
第3節 心的・知的能力のトレーニングのオーガナイズとポイント
 1.心的・知的能力のトレーニング
 2.認知、予測、判断に関わるトレーニング

第2部 球技における合理的なコーチング活動に必要な思考や能力

第6章 球技における競技力の養成
    ――移行期から準備期におけるコーチの思考と行動
第1節 競技力の現状分析
 1.トレーニング計画の立案に向けた競技力の現状分析
 2.競技力の現状分析の概要
 3.試合から分析される競技力の把握
 4.競技力を構成する要素の把握
 5.競技力に影響を与える要因の把握
第2節 目標となる競技力の設定
 1.標準的なゲームプランの作成
 2.標準的なゲームプランの実行に必要な要素
第3節 目標となる競技力を獲得するための方策の確立
 1.中期的なトレーニング計画の作成
 2.課題抽出のための現状分析の実際
 3.期分けとトレーニング課題の配置の実際
第4節 トレーニング計画の実行と修正
 1.トレーニング形式
 2.戦術力の育成の実際
 3.トレーニング計画の修正

第7章 試合への準備
    ――試合期におけるコーチの思考と行動
第1節 自チームの選手および相手チームの選手の特徴の理解
 1.競技の理解
 2.選手の特徴の理解
 3.課題の明確化と試合への準備
第2節 対戦相手に応じた個別のゲームプランの作成
 1.リーグ戦とトーナメント戦の特徴
 2.リーグ戦への準備
 3.トーナメント戦への準備
第3節 眼前の試合に向けた短期的なトレーニング計画の作成と実行
 1.トレーニング計画の重要性
 2.試合期の特徴
 3.試合期のトレーニング計画作成の留意点
 4.客観的データに基づいたトレーニング計画の作成
第4節 試合へ向けたフィジカル・コンディショニング
 1.ピリオダイゼーションの目的と特徴
 2.コンディショニングとフィジカル・コンディショニング
 3.試合直前期のテーパー、ミクロ周期、ミオ周期の考え方
 4.試合期前および試合期ミクロ周期におけるトレーニング例
 5.トレーニング負荷定量化
 6.コンディショニングに影響するそのほかの要素
 7.球技におけるフィジカル・コンディショニングの留意点

第8章 試合における指揮
    ――試合中のコーチの思考と行動
第1節 ゲーム状況の査定と指揮
 1.現状
 2.ゲーム状況の把握(何をどのように見抜くのか)
 3.ゲーム状況の変化への対応
第2節 チームパフォーマンス最大化のための選手の選択と交代
 1.選手選択の重要性
 2.チーム構成と選手選択の観点
 3.エントリーメンバーの選択と構成
 4.強化の過程における先発メンバーの検討
 5.大会中の先発メンバーの選択
 6.試合中における選手交代
第3節 試合中のゲームパフォーマンス分析
 1.アナリストとは
 2.試合(前、中、後)に必要なゲームパフォーマンス分析
 3.各種球技種目における試合中のゲームパフォーマンス分析
第4節 想定外の出来事への対応
 1.試合における想定外の出来事
 2.想定外の出来事へのリスクマネジメント
 3.指揮の駆け引き

第9章 球技におけるチームマネジメント
    ――チーム教科推進のための組織的機能のあり方と方向性
第1節 組織的マネジメントを考える前提
 1.チームマネジメントを行う際の本質的な視点
 2.チーム強化に関わる組織的マネジメント全体を考えるための視点
第2節 チーム強化推進のための組織的機能に関する近年の特徴と背景
第3節 チーム強化における組織的マネジメント機能の今後のあり方と方向性
 1.チーム強化推進のあり方と方向性を考えるうえで重要な組織的機能
 2.組織的マネジメントに関わる人材に求められる基本的資質・能力 

索引
執筆者一覧

関連書籍
Related Books

ジャンル