内容
コーチに必要とされるサッカーの教養を凝縮
サッカーコーチには常に学びが求められる。本書では、サッカーの文化や社会・歴史的な背景を押さえた上で、競技の特性やプレーの原則、戦術や技術の基礎を学ぶ。また、各種育成年代のコーチングから、ゲーム分析、フィジカルトレーニング、学校体育におけるサッカー、地域クラブのマネジメント、スポーツ科学からみたサッカーについて、それぞれの専門家がわかりやすく解説する。
目次
はじめに
第1章 サッカーの文化・社会・歴史
1.サッカーの魅力
1 物を蹴るという行為
2 サッカーのシンプルさ
3 世界各国のサッカー観
4 南米のサッカー観
5 世界につながる地元クラブ
6 サッカーの魅力とは
2.サッカーと社会
1 海外のケース
2 サッカーと地域
(1)原点としての地域
(2)わが国におけるスポーツと地域
(3)Jリーグと地域
3 サッカー選手のキャリアと社会
(1)セカンドキャリア問題の背景
(2)社会的な存在としてのサッカー選手
3.サッカーの歴史
1 サッカーの歴史を知る意味
2 サッカーの起源
(1)古代中国の「蹴鞠」
(2)近代サッカーの誕生
3 ワールドカップの歴史
(1)ワールドカップのはじまり
(2)独裁者ムッソリーニのイタリア
(3)世界チャンピオンを決めるにふさわしい大会へ
4 日本におけるサッカー
(1)日本サッカーのはじまり
(2)学校中心の普及と発展
(3)プロサッカーのはじまり
4.ルールと戦術の歴史
1 1863年のルール
2 オフサイドルールの思想
3 プロフェッショナルプレーヤーの出現とゲームの効率化、合理化
4 システムの移り変わり
(1)「ドリブル攻撃」を支えたシステム――FW9人の時代
(2)「パス攻撃」を支えた「長寿のピラミッド」システム
(3)ハーバード・チャップマンの革命「WMシステム」
(4)4-2-4システムから4-3-3システムへ
(5)トータル・フットボールの時代――4-4-2システム
(6)ウイング・バッグの登場
(7)ワン・トップからゼロ・トップへ
第2章 サッカーの特性と競技力
1.サッカーの特性とプレーの原則
1 サッカーの特性と発展
2 サッカーのゲームの構造
3 プレーの原則
(1)シュート
(2)「突破」対「ディレイ」
(3)「厚み」対「厚み」
(4)「幅」対「集中」
(5)「活動性」対「バランス」
(6)攻撃での「即興性」と、守備での「自制」
4 エリアでのプレーの原則
(1)コートの横の3分割
(2)サイドエリアからのプレーの原則
5 全体と部分
2.戦術の基礎
1 戦術に関わる要因
2 サッカー選手に求められる基本能力
3 個人戦術
(1)攻撃
(2)守備
(3)切り替え
4 グループ戦術
(1)攻撃
(2)守備
(3)切り替え
5 チーム戦術
(1)攻撃:ダイレクトプレーとポゼッションプレー
(2)守備:プレッシングとリトリート
(3)切り替え
6 リスタート(セットプレー)
3.技術・戦術の向上
1 時間をかけて取り組む
2 サッカーにおける技術とは
(1)ボールテクニック
(2)ボールなしのテクニック
(3)技術のトレーニングの留意点
3 GK(ゴールキーパー)の技術
(1)ボールテクニック
(2)ボールなしのテクニック
4 戦術とは
(1)戦術が進歩するのか、選手が進歩するのか?
(2)サッカーのゲーム戦術の極論
4.競技力の向上
1 サッカーの楽しさ
2 変化するものと変化しないもの
(1)変化するものをいかに意図的に変えるか
3 知性と創造性
(1)サッカーにおける知性
(2)サッカーにおける創造性
4 競技力の向上
(1)フランスでの光景
(2)競技力を高めるために
第3章 サッカーのコーチング
1.コーチングの基礎理論
1 指導者の役割
2 現状を知り、目標を設定する
3 サッカーはサッカーをすることで上達する
4 注意深く組み立てられた練習
5 さまざまなコーチング法
6 やる気を高める
7 試合と練習が選手を育てる
8 スポーツだけでは人は育たない
2.コーチングの実践
1 コーチは必要か
2 コーチングの真髄
(1)コーチングのオリジナリティー
(2)コーチングの芸術性
3 コーチングの心得
(1)コーチは選手から多くを学ぶ
(2)選手の判断力を養う
(3)トレーニングは表裏一体
(4)自動車文化とサッカー文化の共通点
(5)人と人との関わりの中で
(6)サッカーを楽しむ
3.コーチングの方法
1 ピッチでのコーチの役割
2 ゲームにおけるコーチング
(1)ゲームでのコーチング
(2)ゲーム中の分析
(3)ゲーム後の分析
3 トレーニングにおけるコーチング
(1)プランニング
(2)トレーニングの種類
(3)条件付けのトレーニング
4.育成年代のコーチング
1 全体像を捉える
(1)6歳以下(幼児)
(2)8歳以下(小学校1、2年生)
(3)10歳以下(小学校3、4年生)
(4)12歳以下(小学校5、6年生)
(5)15歳以下(中学生)
(6)18歳以下(高校生)
2 育成年代で勝つことの意味、意義
5.ゲーム分析
1 ゲーム分析とは
(1)ゲーム分析での2つの視点
2 ゲーム分析の方法
(1)ゲーム分析を行う際の注意点
(2)ゲーム分析とデータ
(3)ゲーム分析の実際
3 ゲーム分析の活用
(1)データ・数字の活用
(2)映像の活用
6.サッカーのフィジカル
1 サッカーのフィジカルとその評価
(1)サッカーのパフォーマンスとフィジカル
(2)サッカーのフィジカルパフォーマンスと体力・運動能力
(3)フィジカルパフォーマンスと体力・運動能力の評価
2 サッカーのフィジカルトレーニング
(1)有酸素性トレーニング
(2)無酸素性トレーニング
(3)パワートレーニング
3 まとめ
第4章 サッカーと学校・クラブ・科学
1.学校体育でのサッカー
1 ゲームを中心とした授業の組み立て方、考え方
(1)運動課題のあり方
(2)ゲームから逆算した授業構成
(3)子どもたちを夢中にさせる教師の仕掛け
2 小学校、中学校でのサッカー
(1)学校でのサッカーの取り扱い
(2)教材としてのサッカー
(3)教師から見たサッカー
3 体育と運動部活動との違い
(1)サッカーが好きでない子どもがいる体育
(2)運動部活動の意義
2.クラブマネジメント
1 学校スポーツからクラブスポーツへ
(1)なぜ変化してきたのか?
(2)ドイツ型スポーツ振興政策とJリーグ
2 クラブの形態と事業展開戦略
(1)サッカークラブ運営形態の分類
(2)法人格
(3)発展をめざすクラブの事業戦略
3 クラブが行っている事業
(1)スポーツ指導プログラム(普及活動・育成チーム・イベントの開催)
(2)総合型地域スポーツクラブ
(3)スポーツ環境の整備(グラウンドやクラブハウスの整備、施設管理業者との事業提携)
(4)ホームゲームの開催
(5)スポーツツーリズム(イベントの招致・大会の開催)
(6)物品販売事業
4 クラブマネジメントに欠かせない視点
(1)一般の事業会社との相違
(2)ステークホルダーマネジメント
3.サッカーと科学
1 はじめに
2 ボールを飛ばす技術の科学
(1)キックの科学
(2)ヘディングの科学
(3)ボールを受ける技術の科学
(4)ボールを運ぶ技術の科学
(5)状況判断の科学
(6)サッカー用具の科学・技術
3 まとめ
おわりに
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