つながりから考える薬物依存症

安心して失敗を語れる絆・居場所づくり

つながりから考える薬物依存症
著者 岩室紳也
松本俊彦
安藤晴敏
ジャンル 書籍 > 保健・健康 > 健康教育・保健体育
大学テキスト > 保健・健康教育
出版年月日 2018/08/20
ISBN 9784469268508
判型・ページ数 四六・240ページ
定価 1,980円(本体1,800円+税10%)

内容

「ダメ。ゼッタイ。」だけでは防げない!

依存症を自己責任の病気と思っていないでしょうか。いま、多くの人が社会からの孤立によって依存症になっています。依存症の予防教育、回復支援において、「つながり」は急がば回れの特効薬となります。医療、学校教育、地域づくりの観点から、「つながり・絆・居場所」をキーワードとして、薬物依存症を捉え直します。

目次

鼎談 なぜ、いま、この本が必要か
1 「つながり」で変わる、「つながり」が変える
2 つながりから考える薬物依存症
3 つながれる居場所

第1部 薬物依存症治療の視点から

第1章 人はなぜ薬物依存症になるのか
1 はじめに
2 薬物依存症とは何か
3 なぜ薬物依存症になる人がいるのか
4 薬物依存症の背景にあるもの
5 おわりに ~生きづらさを抱える人を孤立させない社会づくり

第2章 我が国における薬物乱用の現状
1 我が国の一般住民における薬物経験率
2 精神科医療における薬物乱用の実態
3 覚せい剤――我が国における最重要課題
4 睡眠薬・抗不安薬
5 おわりに

第3章 危険ドラッグ騒動からみる規制強化の功罪
1 はじめに
2 危険ドラッグ乱用の実態
3 我が国における「脱法」的な薬物との戦いの歴史
4 なぜ危険ドラッグ騒動が発生したのか
5 「包括指定」がもたらしたもの
6 規制強化が引き起こした「害(Harm)」とは
7 危険ドラッグ騒動の唐突な終焉
8 薬物対策の2つの柱――供給の断絶と需要の低減
9 問題は薬物という「物」だけではない――痛みを抱える「人」の支援を
10 おわりに

第2部 学校教育の視点から

第4章 未知との遭遇で起こる健康教育の混乱
1 はじめに
2 学校現場でのエイズ教育の変遷――安藤晴敏の体験
3 臨床医が行うエイズ教育――岩室紳也の体験
4 教育現場が混乱した原因
5 健康教育に求められている役割分担と配慮――教師と医師の違い
6 当事者に学ぶ健康教育――医師の経験
7 変わるためにできること

第5章 学校における薬物乱用防止教育の現状と課題
1 薬物乱用防止教育の取り組みに向けて
2 新学習指導要領が示す「喫煙・飲酒・薬物乱用と健康」のねらい
3 健康教育の基本となる「生きる力」と薬物乱用防止教育
4 保健学習「薬物乱用と健康」の現状と課題
5 効果ある外部講師の活用
6 外部講師に伝えたい教科書での記載の実際
7 まとめ

第3部 健康づくり、地域づくりの視点から

第6章 トラブル・依存症・犯罪予防は心の健康づくりから
1 人を健康にするものは何か
2 人を不健康にする「つながり不足」
3 つながりを求めた結果のトラブル
4 健康になるためのコミュニケーションとは

第7章 一人ひとりがつながり続ける当事者支援
1 健康づくりはつながりづくり、地域づくり
2 依存者支援の基本再確認
3 答えと成果が見えないのが依存症の支援

おわりに
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