運動と疲労の科学

疲労を理解する新たな視点

新刊
運動と疲労の科学
著者 下光輝一
八田秀雄
ジャンル 書籍 > スポーツ科学 > スポーツ科学
出版年月日 2018/07/20
ISBN 9784469268478
判型・ページ数 A5・232ページ
定価 本体2,300円+税

内容

運動による疲労を科学の視点で捉える

疲労の考え方、メカニズム、栄養まで幅広い話題を取り上げた。スポーツ・運動医科学の教育・研究者や大学生をはじめ、スポーツ指導者、トレーニング指導者、アスレティックトレーナー等にも参考になる一冊。

目次

第Ⅰ部 疲労を捉える新たな視点

第1章 疲労研究の現状

1-1 疲労の概念
1-2 生体機能の生理的維持機構
1-2-1 生体の生理的機能維持機構と「疲労」
1-3 身体の構成要素と構成物質を模式的に考える
1-3-1 細胞内ミネラル/1-3-2 細胞外ミネラル/1-3-3 その他のミネラル/1-3-4 骨ミネラル
1-4 身体の恒常性を維持する二層構造
1-4-1 細胞外液を一定の組成等に保つ仕組み/1-4-2 細胞と細胞外液との物質交換の仕組み
1-5 実験的ストレス負荷による細胞内、細胞外液、尿中排泄量における物質の変化
1-5-1 ストレス負荷実験/1-5-2 運動負荷実験/1-5-3 激運動負荷試験/1-5-4 実験的ストレスのまとめ
1-6 疲労回復と疲労回復の研究
1-6-1 増殖を伴わない機能回復システム/1-6-2 増殖を伴う機能回復システム/1-6-3 疲労回復の研究

第2章 現代生活における疲労――身体活動、運動の疲労軽減効果の可能性

2-1 疲労の疫学
2-2 身体活動と疲労
2-3 座位と疲労
2-4 身体活動、運動プログラムによる疲労軽減効果
2-5 座位への介入による疲労軽減効果
2-6 考慮すべき事柄としての仕事のストレス
2-6-1 仕事のストレスと疲労/2-6-2 労働者のストレスと身体不活動     

第3章 筋エネルギー代謝から考える疲労

3-1 乳酸と疲労
3-1-1 乳酸が溜まったというが/3-1-2 乳酸蓄積が疲労の原因にはならない/3-1-3 疲労時に乳酸の蓄積自体が起きていないことが多い/3-1-4 短距離走の後半でも乳酸蓄積は低下しながら疲労する/3-1-5 乳酸産生によるATP量は少ない/3-1-6 乳酸ができないから疲労すると考える
3-2 様々な筋疲労の原因
3-2-1 筋グリコーゲン/3-2-2 リン酸/3-2-3 カリウム、ナトリウム/3-2-4 活性酸素/3-2-5 筋温、脱水、筋損傷など

第4章 全身運動時における疲労

4-1 運動耐容能に及ぼす制限因子
4-1-1 肺胞から血液への酸素拡散/4-1-2 ミトコンドリアの酸化能/4-1-3 毛細血管からミトコンドリアへの酸化輸送/4-1-4 活動筋への血流性酸素輸送 
4-2 全身運動と中枢性疲労
4-2-1 脳へのフィードバックと中枢性疲労の関係/4-2-2 脳からのフィードフォワードと中枢性疲労の関係

第Ⅱ部 疲労のメカニズム

第5章 低頻度疲労はなぜ起こる

5-1 低頻度疲労とは
5-1-1 張力と刺激頻度の関係/5-1-2 回復期における低頻度誘因性張力と高頻度誘因性張力の変化/5-1-3 日常生活と低頻度疲労
5-2 筋収縮における筋小胞体と筋原線維の役割
5-3 低頻度誘因性張力低下の要因
5-4 筋小胞体および筋原線維の機能に影響を与える要因
5-4-1 活性酸素種/5-4-2 カルシウム/5-4-3 無機リン酸およびマグネシウム

第6章 運動誘発性の筋機能低下の特徴

6-1 伸張性収縮は筋機能低下をもたらす
6-2 運動誘発性の筋機能低下にみられる生理学的特徴
6-2-1 筋力の低下/6-2-2 遅発性筋痛の発生/6-2-3 血中逸脱酵素の増加/6-2-4 関節可動域の制限/6-2-5 腫脹および浮腫の発生/6-2-6 神経機能の低下/6-2-7 各症状の時間的関連
6-3 運動誘発性の筋機能低下および回復の機序
6-3-1 筋力低下を基準にした筋機能低下と回復のモデル化/6-3-2 低下期/6-3-3 回復期前期/6-3-4 回復期後期
6-4 運動誘発性の筋機能低下に対する介入
6-4-1 繰り返し効果による筋機能低下の抑制/6-4-2 エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸の経口摂取による筋機能低下の抑制/6-4-3 りんごポリフェノールの経口摂取による筋機能低下の抑制

第7章 膜リン脂質酸化と運動疲労との関連

7-1 オルガネラ特異的GPx4欠損マウスの樹立について
7-2 オルガネラ特異的GPx4欠損マウスを用いた限界走行試験
7-3 限界走行時のミトコンドリア機能と酸化リン脂質

第8章 代謝・運動機能改善と胆汁酸

8-1  胆汁酸合成・腸管循環
8-2  運動・胆汁酸によるエネルギー代謝
8-2-1 運動による糖代謝・インスリン抵抗性の改善/8-2-2 胆汁酸による糖代謝・インスリン抵抗性の改善/8-2-3 運動による脂質代謝/8-2-4 胆汁酸による脂質代謝/8-2-5 運動によるミトコンドリアの活性化/8-2-6 胆汁酸によるミトコンドリアの活性化/8-2-7 運動と腸内細菌/8-2-8 胆汁酸と腸内細菌/8-2-9 胆汁酸と運動
8-3 疾病予防・治療標的としての運動・胆汁酸
8-3-1 運動模倣薬/8-3-2 AMPKを活性化する薬物/8-3-3 PPARδのアゴニスト/8-3-4 FXRのアゴニスト/8-3-5 TGR5/M-BARの合成アゴニスト/8-3-6 胆汁酸吸着レジン/8-3-7 胆汁酸排出に効果的な食品
    
第9章 脳から考える運動の限界――中枢性疲労の分類と要因

9-1 運動時の脳活動
9-2 中枢性疲労とは何か?
9-2-1 運動中枢から活動筋へのセントラルコマンドの低下/9-2-2 疲労感の形成/9-2-3 認知疲労
9-3 中枢性疲労の要因
9-3-1 低血糖説/9-3-2 脳の低酸素説/9-3-3 疲労物質の蓄積説/9-3-4 高体温・高脳温(ホットブレイン)説
9-4 中枢性疲労の新要因:統合因子としての脳グリコーゲン低下
9-4-1 脳グリコーゲンの代謝と生理機能/9-4-2 長時間運動による脳グリコーゲンの低下/9-4-3 短時間の高強度間欠運動による脳グリコーゲンの低下

第10章 オーバートレーニング症候群

10-1 オーバートレーニング症候群とオーバーリーチング――用語の解説
10-2 オーバートレーニング症候群の疫学
10-3 オーバートレーニング症候群の症状
10-4 オーバートレーニング症候群の発症機序
10-4-1 視床下部-下垂体-副腎・性腺系障害仮説/10-4-2 サイトカイン仮説/10-4-3 トリプトファン仮説と中枢性疲労/10-4-4 グリコーゲン仮説
10-5 オーバートレーニング症候群の診断
10-5-1 生理学的・生化学的指標/10-5-2 運動負荷検査と組み合わせた診断の試み/10-5-3 メンタル面からのアプローチ
10-6 オーバートレーニング症候群の治療と予防
10-6-1 治療方針/10-6-2 オーバートレーニング症候群の予防/10-6-3 Low Energy Availability,Relative Energy Deficiency in SportとOTS

第Ⅲ部 栄養からみた疲労

第11章 糖質と疲労

11-1 エネルギー源としての糖質
11-1-1 日常生活における糖質摂取/11-1-2 糖質の体内分布/11-1-3 スポーツ選手の糖質摂取ガイドライン
11-2 運動中の糖質利用
11-2-1 運動強度と糖質利用/11-2-2 運動持続時間と糖質摂取効果
11-3 グリコーゲン減少と疲労
11-3-1 筋グリコーゲン減少と疲労/11-3-2 肝グリコーゲン減少と疲労
11-4 運動直前の糖質摂取の影響
11-5 トレーニングによる骨格筋における糖代謝適応
11-5-1 ミトコンドリア生合成の促進/11-5-2 GLUT4タンパク質発現の増加

第12章 筋グリコーゲンと疲労――運動・栄養摂取による変化

12-1 生体内のグリコーゲン貯蔵と再合成
12-2 運動による筋グリコーゲン含有量の変化
12-3 筋グリコーゲン低下と疲労の関係
12-4 運動前に筋グリコーゲンを増加させる
12-5 運動中の糖質摂取と運動パフォーマンス
12-5-1 糖質の種類/12-5-2 糖質摂取量/12-5-3 マウスリンスの効果
12-6 運動後の筋グリコーゲン回復速度に影響を及ぼす要因
12-6-1 糖質摂取条件/12-6-2 運動終了時の筋グリコーゲンレベル/12-6-3 運動の種類/12-6-4 トレーニング状態/12-6-5 筋損傷の有無

第13章 脂質と疲労

13-1 体内の糖質と脂質の貯蔵量と疲労の発現
13-2 長期的な高脂肪食摂取による骨格筋ミトコンドリアの増加
13-3 高脂肪食摂取と疲労・パフォーマンス
13-4 ケトン食の効果
13-5 運動後の疲労回復と脂質摂取

第14章 アミノ酸やタンパク質、タウリンと運動による疲労

14-1 運動時の疲労とタンパク質・アミノ酸代謝
14-1-1 運動時のタンパク質分解/14-1-2 運動時のアミノ酸のエネルギー代謝/14-1-3 運動時のアミノ酸の摂取効果(エネルギー代謝とタンパク質分解を中心に)
14-2 運動後の回復期のタンパク質・アミノ酸代謝
14-2-1 運動による疲労からの回復とタンパク質・アミノ酸摂取/14-2-2 運動後のエネルギー代謝とタンパク質・アミノ酸摂取/14-2-3 運動後のタンパク質合成と栄養摂取/14-2-4 運動後のタンパク質分解と栄養摂取
14-3 タウリンと運動時の疲労予防、疲労回復
14-3-1 タウリンの生理的作用/14-3-2 運動時および運動後の回復期のタウリン摂取効果

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