軍服を脱いだ鷗外

青年森林太郎のミュンヘン

内容

文豪の魂を培った芸術の都での青春時代

芸術の花開くバイエルンの都ミュンヘンで、カフェや居酒屋に通い、芸術家たちと語らい、遊覧船でビールを傾け、湖畔でかけっこして青春を謳歌する鷗外。「家長」「軍医総監」といった厳格なイメージで語られがちな文豪の「軍服を脱いだ」知られざる素顔を、西洋近代の都市文化や芸術家たちの気風とともに瑞々しく描き出す。

目次

序 奇跡の一年

第一章 非日常の世界へ――越境する鷗外
カーニヴァル
バヴァリア像
アンデックス修道院
カフェ・ミネルヴァ

第二章 芸術の都ミュンヘン――画家たちとの交流
原田直次郎
ユーリウス・エクスター
ガブリエル・マックス
原田直次郎とガブリエル・マックス
森鷗外とガブリエル・マックス

第三章 シュタルンベルク湖 ――「その美言はん方なし」
『南独漫遊草』と『独逸日記』
遊覧船
レオニ
ロツトマン丘
「素食家」ディーフェンバッハ

第四章 ビールと女給――オクトーバーフェストにて
オクトーバーフェストの発祥と展開
オクトーバーフェストと植民地主義
女給の存在と魅力
ルートヴィヒとルイトポルト

結び <ルートヴィヒの時代>の終焉

あとがき

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