英文法、何を重点的に教えるか

大学入試分析を授業に活かす

新刊

内容

センター試験分析に基づく新しい文法指導の提案

Had it not been for your help, I would not have succeeded.――仮定法に関する文法問題によく出題される英文ですが、「英語の4技能を高める」という観点から考えたとき、この知識は本当に重要でしょうか? 過去のセンター試験を分析し、学ぶ価値の高い知識とそうでない知識とを仕分けすることで、実用的なコミュニケーションに役立つ英文法指導を提唱します。

目次

はしがき
本書を読む前に

第1章 時制――時制が学習者にとって難しい理由

 1 時制が表すのは「時」だけではない
 2 「進行形=進行中の動作」とは限らない
  [A]進行中の動作を表す進行形
  [B]その他の意味を表す進行形
 3 未来進行形は「予定」の意味の方が多い
 4 進行形と現在形はどう使い分けるか?
 5 現在完了(進行)形はどの意味でよく使うか?
  [A]現在完了形
  [B]現在完了進行形
  [C]現在完了形+受動態
 6 過去完了形はどんな意味を表すか?
 7 時・条件を表す節中ではなぜ現在形を使うのか?
 8 willとbe going toの違いをどう教えるか?
 9 「He will~=彼は~するつもりだ」は誤り
 10 時制の誤りはなぜ起こるか?
 11 時制に関するその他の注意
  [A]現在形
  [B]未来完了形
  [C]時制の一致
 12 時制の指導に当たっての注意点(まとめ)

第2章 助動詞――意味に応じた助動詞の使い分け

 1 助動詞はどんな意味でよく使うか?
  [A]can(385件)
  [B]would(180件)
  [C]could(124件)
  [D]should(115件)
  [E]may(113件)
  [F]might(53件)
  [G]must(39件)
 2 Shall I/we~?はイギリス英語
  [A]依頼する表現
  [B]許可を求める表現
  [C]義務を表す表現
  [D]提案する表現
 3 その他の助動詞
  [A]be able to
  [B]had better
  [C]used to
  [D]助動詞を含む慣用表現
 4 助動詞の指導に当たっての注意点(まとめ)

第3章 受動態――情報構造を意識することの重要性

 1 受動態は何のために使うのか?
 2 受動態は肯定文で使うことが多い
 3 受動態の後ろにはさまざまな形を置く
  [A]be動詞+過去分詞+副詞(句・節)(249件)
  [B]be動詞+過去分詞+目的語(5件)
  [C]be動詞+過去分詞+to do(46件)
  [D]be動詞+過去分詞+補語/to be C(27件)
  [E]It+be動詞+過去分詞+that節(16件)
 4 <受動態+by>の形はあまり使わない
 5 受動態のbe動詞のバリエーション
 6 動作受動態と状態受動態を正しく区別する
 7 受動態の書き換え練習に適した素材とは?
 8 受動態の指導に関するその他の注意
 9 受動態の指導に当たっての注意点(まとめ)

第4章 仮定法――仮定法に対するよくある誤解

 1 条件文の種類
 2 <if+直説法>の主節では必ずwillを使うか?
 3 <if+仮定法過去>は「事実の反対」とは限らない
 4 <if+仮定法過去完了>は文法問題に多い
 5 仮定法に関するその他の学習項目
  [A]I wish+仮定法/I'd rather+仮定法
  [B]as if+仮定法
  [C]if+S+were to/should~
  [D]without(もし~がなければ)など
  [E]otherwise(さもなければ)
 6 仮定法の指導に当たっての注意点(まとめ)

第5章 不定詞――用法を識別するための視点

 1 不定詞の前にある品詞による分類
 2 <動詞+不定詞>の3つのパターン
  [A]be動詞+to do(28件)
  [B]自動詞+to do(94件)
  [C]他動詞+(to) do(396件)
 3 <名詞+不定詞>は形容詞的用法とは限らない
  [A]名詞+形容詞的用法の不定詞(160件)
  [B]名詞+副詞的用法の不定詞(97件)
  [C]意味上の主語+不定詞(165件)
  [D]名詞+名詞的用法の不定詞(15件)
 4 <形容詞+不定詞>のさまざまな意味
  [A1/A2]形式主語/形式目的語構文(94件)
  [B1]慣用表現(68件)
  [B2]tough構文(18件)
  [B3]感情の原因(22件)
  [B4]その他(11件)
 5 <過去分詞+不定詞>のさまざまな意味
  [A]<V+O+to do>を受動態にしたもの(24件)
  [B]<S+be said+to do>型の表現(15件)
  [C]不定詞が副詞の働きをするもの(29件)
  [D]be supposed to do(11件)
 6 enough to doと<疑問詞+to do>
  [A]enough to do(18件)
  [B]疑問詞+to do(36件)
 7 文頭の不定詞は「~するために」の意味
 8 不定詞の3用法の頻度は?
 9 さまざまな形の不定詞の頻度
  [A]不定詞の意味上の主語(8件)
  [B]否定形の不定詞(19件)
  [C]受動態の不定詞(21件)
  [D]完了形の不定詞(8件)
  [E]代不定詞(4件)
  [F]その他
 10 不定詞の指導に当たっての注意点(まとめ)

第6章 -ing形と-ed形――分詞と形容詞の境界線

 1 -ing形(動名詞)の基本
 2 -ing形(現在分詞・形容詞)の基本
 3 動詞的動名詞は前置詞の後ろで使うことが多い
  [A]主語の働きをする動名詞(93件)
  [B]目的語の働きをする動名詞(125件)
  [C]補語の働きをする動名詞(9件)
  [D]前置詞の目的語の働きをする動名詞(317件)
 4 dancing girlは「踊っている少女」ではない
  [A]living room型の表現(100件)
  [B]living thing型の表現(103件)
 5 形容詞の働きをする-ing形の位置と働き
 6 -ed形の品詞
 7 -ed形の位置と働き
 8 -ing形/-ed形のまとめ

第7章 分詞構文――悪しき学校英語の象徴

 1 -ing形を使った分詞構文の基本は「~しながら」
 2 -ing形は主文の後ろに置く例の方が多い
 3 分詞構文の働きは「副詞」だけか?
 4 複雑な分詞構文の使用頻度は低い
  [A]否定語で始まる分詞構文
  [B]完了形の分詞で始まる分詞構文
  [C]独立分詞構文
  [D]形容詞・名詞で始まる分詞構文
  [E]with構文
 5 分詞構文の指導に関する注意点(まとめ)

第8章 関係詞――アウトプットのための実用的な知識

 1 限定用法の関係代名詞をどう教えるか?
  [A]主格の関係代名詞
  [B]所有格の関係代名詞
  [C]目的格の関係代名詞
 2 the wayは「関係副詞」ではない
  [A]when
  [B]where
  [C]why
  [D]how/the way
 3 継続用法の関係詞は「補足説明」の働きをする
 4 what S wasは「Sの人格」を表さない
 5 関係詞のその他の用法
  [A]連鎖関係詞節
  [B]複合関係詞
  [C]前置詞+関係代名詞
 6 関係詞の指導に当たっての注意点(まとめ)

第9章 接続詞――情報構造と適切な接続詞の使い方

 1 that節は動詞の目的語として使うことが多い
  [A]名詞節を作るthat
  [B]相関接続詞の一部として使うthat
  [C]同各節を作るthat
  [D]強調構文
 2 whetherは名詞節を作ることが多い
 3 理由を表すにはbecauseを使うことが多い
 4 譲歩を表すにはalthoughを使うことが多い
 5 asは「様態」、whileは「対比」の意味が多い
  [A]asは品詞にこだわらなくてよい
  [B]whileを使った文の情報構造
 6 接続詞の指導に当たっての注意点(まとめ)

第10章 比較――構文暗記中心学習への批判

 1 比べられているものは何と何か?
 2 原級の例は比較的少ない
 3 比較級は名詞の前に置く例が多い
  [A]比較級+than~
  [B]差や程度を表す語句+比較級
  [C]the+比較級
  [D]比較級を含む慣用表現など
 4 最上級も名詞の前に置く例が多い
  [A]最上級の前のtheの有無
  [B]差や程度を表す語句+最上級
  [C]最上級を含む慣用表現など
 5 文法問題にしか出ない知識
 6 比較の指導に当たっての注意点(まとめ)

【付録1】「聞く力」「話す力」の指導のために
【付録2】大学入試における「悪問」の考察

参考資料
索引

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