タスク・ベースの英語指導

TBLTの理解と実践

新刊

内容

授業外でも機能する英語使用者を育てるために

TBLT (Task-Based Language Teaching)――習い覚えた知識を使う機会としての模擬コミュニケーション的な活動ではなく、学習者が与えられた課題(タスク)に対して、その時点で持っている知識を自律的に使って取り組ませる指導法について、その理論と、日本の英語教育現場に取り入れる工夫を紹介する。

目次

まえがき

第1部 TBLTの理解

第1章 タスク・ベースの発想と言語教育の方法論

1.はじめに
2.方法論への無関心
3.PPP型の授業展開
4.タスク・ベースの発想
 4.1 タスクの条件
 4.2 さまざまなタスク
 4.3 タスク・ベースの言語指導
5.タスク・ベースのコース設計
 5.1 「タスク・ベース」の3つの水準
 5.2 言語教育プログラムの構成
6.まとめ

第2章 タスク・ベースの言語指導と認知のメカニズム
    ――第二言語の学習を促す心理的要因

1.はじめに
2.認知的アプローチの言語習得観
3.タスク・ベースの言語指導に関連するモデル・仮説
 3.1 インプット仮説
 3.2 相互作用仮説
 3.3 気づき仮説
 3.4 教授可能性
 3.5 フォーカス・オン・フォーム
4.認知的アプローチによる実証研究
 4.1 第二言語はどのように習得されるか――意識的・無意識的な言語学習
 4.2 タスク・ベースの言語指導における文法指導(1)――訂正的フィードバックによるフォーカス・オン・フォーム
 4.3 タスク・ベースの学習における文法指導(2)――フォーカス・オン・フォームのさまざまな技法
 4.4 タスクの配列
5.授業実践の改善に向けて
 5.1 文法の取り扱い
 5.2 タスク・シラバスと学習者の評価
6.まとめ

第3章 タスク・ベースの言語指導と教育思想――社会における教育としてTBLT

1.はじめに
2.進歩主義教育とタスク・ベースの指導
3.教授法に対する「批判的」視点
4.タスク・ベースの指導における哲学的根拠づけの確立
 4.1 マイケル・ロングによる体系化の試み
 4.2 ロングの主張に対する考察
5.教育実践への展望
6.まとめ

第4章 タスク・ベースの言語指導をめぐる疑問と解決への道

1.はじめに
2.タスクは浅薄なゲームか
3.TBLTでは文法知識が身につかないか
 3.1 文法知識とは何か
 3.2 TBLTにおける文法指導
 3.3 文法的正確さと言語使用
4.タスク・ベースの指導は非効率的か
 4.1 非効率性の意味すること
 4.2 誰にとっての効率性か
5.最初から英語で話すことは難しい?
6.母語使用の問題
 6.1 母語を使わずにパラフレーズさせる
 6.2 オブザーバー役の活用
7.おわりに

第2部 TBLTの導入

第5章 教材の準備と活用

1.はじめに
2.教材の定義と範囲
3.教材の検討のための予備知識
 3.1 教材と活動の真正性
 3.2 タスクのタイプと特性
4.教材の準備
 4.1 活動用ワークシート集
 4.2 活動アイデア集およびコース・ブック
 4.3 インターネット上の英語教育関連サイト
 4.4 さまざまな資源の活用
5.素材の準備と活用における留意点
 5.1 タスクの内容と活動形態
 5.2 タスクのタイプ別の考慮点
6.検定教科書の活用
 6.1 検定教科書の現状
 6.2 課題のアレンジと内容の深化
 6.3 学習後の活用
7.まとめと展望

第6章 小学校外国語活動の考え方と工夫

1.はじめに
2.現状の指導の背景と問題点
 2.1 外国語活動の現状
 2.2 PPP型構成の問題点――せりふ覚え・引用ゲーム
3.英語を学びはじめた子どもを対象にした研究
 3.1 理解型タスク
 3.2 日本の6歳児を対象にした研究
 3.3 スペインの10歳児を対象にした研究
 3.4 ハンガリーの10歳児を対象にした研究
 3.5 韓国の小学5年生を対象にした研究
4.タスク・ベースの授業展開
 4.1 タスクか否かの判断基準
 4.2 インプット重視
 4.3 母語の使用
 4.4 基本は語彙
5.授業実践例の紹介
 5.1 理解型タスク――No,no,yes,持ち物チェック
 5.2 表出型タスク――背中の絵は何?
 5.3 カロリーを考えて注文しよう
 5.4 活動事例集の紹介
6.評価の考え方と方法
 6.1 言語形式のみに偏らない評価
 6.2 具体的な評価方法
7.まとめ

第7章 中学校・高等学校での英語指導の考え方と工夫

1.はじめに
2.現状の指導の実態
 2.1 大規模調査の結果から見える指導の現状
 2.2 現行教科書の実態
3.タスク・ベースの活動の可能性
4.授業の展開
 4.1 到達目標の設定とCan Doリスト
 4.2 活動をタスクらしくする
 4.3 帯活動とモジュール型アプローチ
5.評価の考え方と方法
 5.1 タスク・ベースの評価
 5.2 観点別学習状況評価との兼ね合い
 5.3 教室場面でのタスク・ベースの評価
6.おわりに

第8章 大学での英語指導の考え方と工夫

1.はじめに
2.大学の英語教育
3.特定目的のための英語教育
4.TBLTの基本的な考え方
 4.1 目標タスクと教育用タスク
 4.2 目標タスクの設定とニーズ分析
 4.3 教育用タスク
5.日本の大学におけるESP教育とTBLT
 5.1 ESP教育の現状
 5.2 ESP教育と目標ディスコース
 5.3 TBLTを用いたESP教育の可能性
 5.4 厳密なニーズ分析に基づかないESP教育
 5.5 目標ディスコース収集を伴わないESP教育
 5.6 非ESP型大学英語教育でのTBLTの導入
 5.7 タスク・ベースの指導事例の共有
6.おわりに

第9章 言語・言語発達・言語使用の考え方と言語教育

1.ファースト・エンカウンターを学習者に委ねること
2.認識の転換――アンテナ、ネットワーク、スノー・ボール
3.2言語使用者としての学習者の資産
4.学習者の「解放」
5.あとがきに代えて

参考文献
索引

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