読み手に伝わる公用文

〈やさしい日本語〉の視点から

読み手に伝わる公用文
著者 岩田一成
ジャンル 書籍 > 日本語・日本文学・日本語教育・国語教育 > 日本語一般
出版年月日 2016/08/10
ISBN 9784469213584
判型・ページ数 四六・184ページ
定価 1,870円(本体1,700円+税10%)

内容

読み手のことを考えて書いていますか?

役所などの公的機関が作る公用文には、何を言っているのかわからないもの、そもそも読む気が起きないものが多い。公用文コレクターの著者が、困った文書の実例を多数挙げつつ、なぜ公用文が難解になるのかを考察し、どうすればわかりやすく書けるのかを解説する。これ1冊で書き手としての意識が大きく変わるはず!

目次

はじめに:国や自治体の職員さんへ

第1章 外来語:ルー大柴じゃないんだから
外来語の氾濫/小泉政権と外来語/日本の国語政策の歴史と公用文/日本人と外来語(漢語も含む)/外来語問題とは何か/ここからが始まり

第2章 長い文章:そもそも読む気がしない
長文化する公用文/贅肉肥大型:余分な情報あり/無茶ぶり?/贅肉を削ぎ落とすには… /詳細叙述型:情報の細部まで提示/細部はこだわらない/提案は…

第3章 対象者と文章の機能:[誰に][何を]伝えたいの?
対象者を絞る/マスコミ向けの情報はまず分別/市民対象と一言で言ってもね…/文章の機能を再考する/文章の書き方①:タイトルと機能の一致/文章の書き方②:読者の関心を考慮する

第4章 間接的な説明:意図が伝わってこない
伝えたいことは何?/制度の複雑さと対人配慮/まわりくどい依頼/あいまいな依頼/提案は…

第5章 外堀埋めたて構造:核心は言わない
間接的情報から類推させることで核心に迫る/用語の定義に利用/パラグラフ構成における日本文化?/両方書いたらどうなるの?

第6章 お役所目線型:視点は市民側になっていますか?
お役所目線型で書かれている文章/合併症は芋づる式に/語彙調査:費用負担に関わる言葉/ある制度から期待されるメリット・効果を説明するなら/ある制度のしくみを説明するなら/提案は…

第7章 紋切り型の表現:読み飛ばしてもオッケー
伝達情報があまりない/世にあふれる紋切り型表現/困っている外国人/道具的機能と装飾的機能/「遠足のお知らせ」分析/あいさつ文に要注意:紋切り型の発展形/情報はシンプルに

第8章 法律文の借用:硬いです
硬い文章との出会い/このタイプが多いジャンル/法律文の特徴:ポイントは名詞化/そもそも法律文は変わらないのか/法律文の効果:有無を言わさぬ説得力/提案は…

第9章 専門用語:用語への強いこだわり
公用文と専門用語/専門用語にもの申す/専門家ってやつは…/大学教員も専門家なのだ/ブランド品の所有と似ている!?/日本語教師による書き換え実験/実は今日的問題かも

第10章 定義:用語は効果的に示す
公用文における定義/その定義は必要?/定義の大原則/定義あるある①:法律や条例の利用/定義あるある②:細分類/提案は…

第11章 ネチケット:ウェブのしくみを考えて
相手がまず知りたいことは何なのか/困ったサイト/読者の知りたい(であろう)情報をまず提示/ラベルが下手くそ/サイトをまたがない!/サイトの階層を減らす:無駄なクリックは嫌/提案は…

第12章 整理整頓不全:見せ方を考えて
情報の提示順を考える:相手にとっての優先順位は?/カテゴリーのまとめ方を考える/図や表、イラストをうまく利用する/提案は…

コラム① 大学教員 vs 国・自治体の職員
コラム② なぜ公用文は難解になるの?
コラム③ 「伝達の文章」と「文学の文章」
コラム④ 「やさしい日本語」考
コラム⑤ 公用文改革の歴史を振り返る
コラム⑥ 意味不明をありがたがっていませんか?

おわりに

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