教養としての体育原理 新版

現代の体育・スポーツを考えるために

教養としての体育原理 新版
著者 友添秀則 編著
岡出美則 編著
ジャンル 書籍 > 体育 > 体育一般
大学テキスト > 体育・スポーツ > 体育原理、スポーツ哲学
出版年月日 2016/07/20
ISBN 9784469267976
判型・ページ数 B5・178ページ
定価 1,980円(本体1,800円+税10%)

内容

スポーツや学校体育の学びを深めるために

体育・スポーツを多様な角度から考えるための基本テキスト。現代における体育・スポーツに関わる諸問題をトピックスとして取り上げ、体育原理の研究成果を交えながら、わかりやすく解説。各章に「学習のねらい」や知っておきたいキーワード解説、「理解度チェック」や文献紹介を載せ、充実した内容にリニューアル。

目次

第Ⅰ部 体育原理への誘い――体育原理の基礎理論

第1章 なぜ、体育原理を学ぶのか
 1 スポーツと体育への考察
 2 現代スポーツをとりまく諸問題
 3 学校体育をとりまく諸問題
 4 体育原理の必要性
第2章 体育原理はどのような学問か
 1 「体育原理」とそれに類似した名称
 2 体育原理の学問的位置づけ
 3 体育原理の学問的役割
 4 体育原理の対象・課題
 5 体育原理の今日的意義
第3章 体育の理念はどう変わってきたのか
 1 体育の理念を理解するための4つの概念
 2 生涯にわたりスポーツに親しむ資質・能力の育成をめざす動き
 3 発達の段階に応じた児童生徒の人間形成に対する体育の貢献
 4 体育の質の改善に向けた国際的な取り組み
第4章 体育とスポーツは何が違うのか
 1 「運動」部から「スポーツ」部へ
 2 体育という教科名
 3 「体育」から「スポーツ」へ
 4 体育とスポーツの混同と混用
 5 体育の新しい役割

第Ⅱ部 体育原理の深層へ――体育原理の発展理論

第1章 運動のもつ可能性
 1 「運動」の概念
 2 「身体運動」のもつ可能性
 3 身体運動における意味生成と体験
 4 「スポーツ」のもつ可能性
 5 運動のもつ豊かな可能性を生み出すために
第2章 体育における人間形成
 1 体育における人間形成とはどのような意味か
 2 個人的人間形成
 3 共同体的人間形成
 4 武道と人間形成
 5 現代への視角
第3章 体育とフェアプレイ――フェアプレイは有効か
 1 スポーツ規範の教育的価値
 2 スポーツ規範
 3 フェアプレイの特質
 4 フェアな子を育てるには
第4章 体育と身体形成――身体形成とは何か
 1 身体の自然成長と意図的教育
 2 身体形成における身体観
 3 人間の身体の階層構造
 4 スポーツ・運動文化の独自の意義
 5 人間の身体の未来を選びとる
第5章 身体からみた体育の可能性
 1 体育学としての身体論
 2 学校という制度と身体
 3 学校教育と身体教育
 4 身体の可能性と学校教育
第6章 体育で競争をどのように位置づけるか
 1 競争とは
 2 教育における競争
 3 スポーツにおける競争をどうとらえるのか
 4 体育で競争を教える
第7章 プレイが生み出す体育の可能性――プレイは何をもたらすか
 1 スポーツとプレイ(遊び)
 2 プレイとは何か
 3 他者関係としてのプレイ
 4 「プレイとしてのスポーツ」と体育
第8章 技術指導からみた体育
 1 体育の目標と運動技術・戦術
 2 運動の課題性と運動技能・戦術行動の構造
 3 運動の課題性の違いに応じた技術・戦術指導の視点
第9章 体育と指導者――体育教師とコーチ、何が違うのか
 1 「コーチは教師である」論
 2 「教師/コーチ」の役割葛藤
 3 「教師/コーチ」から「コーチ」へ
 4 「運動部活動」の指導とは何か
第10章 運動部活動の意義と課題
 1 運動部活動への期待と批判
 2 運動部活動の歴史的背景
 3 運動部活動の現状
 4 運動部活動の政策動向
 5 運動部活動の重要課題
第11章 子供からみた体育の存在意義――なぜ、子どもに体育は必要か
 1 子供の体力低下問題にみる体育の重要性
 2 「できる」経験による運動有能感の高まり
 3 他者との協同的な学びによるコミュニケーションスキルの向上
 4 これからの社会で求められる「思考力」を育む体育
 5 子供にとって価値ある体育の充実のために
第12章 社会変化と今後の体育
 1 ゆれる社会、ゆれる教育と学校体育
 2 スポーツ需要の変化と学校体育
 3 新たなスポーツ現象が問いかけるもの
 4 これからの学校体育のあり方

第Ⅲ部 体育原理を考えるために――現代スポーツの周辺

第1章 スポーツと宗教
 1 スポーツのはじまりと宗教
 2 近代スポーツのはじまり
 3 現代・未来のスポーツに宗教はどのように裨益するのか
第2章 スポーツと政治
 1 オリンピックと政治の補完と不可侵の関係
 2 国際戦略としてのスポーツ
 3 スポーツ団体と政治家の相互依存
第3章 スポーツと法・行政
 1 体育原理と法・人権
 2 スポーツと法
 3 体育行政からスポーツ行政へ
第4章 スポーツと環境
 1 環境問題がもたらすスポーツフィールドの貧困化
 2 “加害者”としてのスポーツ
 2 環境とスポーツの共存・共生の道を探る
第5章 スポーツとグローバリゼーション
 1 「越境する文化」としてのスポーツ
 2 スポーツのグローバリゼーションが引き起こす問題
第6章 スポーツとビジネス
 1 スポーツビジネスの時代
 2 スポーツ産業の経済規模
 3 スポーツビジネスの課題
第7章 みんなのスポーツ
 1 「みんなのスポーツ」スローガンの意義
 2 日本における「みんなのスポーツ」
 3 「スポーツプロモーション」の実現をめざして
第8章 スポーツとドーピング
 1 ドーピングとは何か
 2 スポーツとドーピングの歴史
 3 アンチ・ドーピング活動の展開とその意義
第9章 スポーツとナショナリズム
 1 スポーツにみられるナショナリズム
 2 ナショナリズムとは
 3 スポーツとナショナリズムを問うこと
第10章 スポーツと勝利至上主義
 1 「勝利至上主義」という問題性
 2 スポーツにおける勝利は至上価値なのか
 3 「勝利至上主義」の社会的意味
第11章 スポーツとオリンピズム
 1 クーベルタンと近代オリンピック誕生の背景
 2 クーベルタンが表現したオリンピズム
 3 クーベルタン以降のオリンピズムの解釈と展開
第12章 スポーツとルール
 1 スポーツのルールの機能:面白さの保障
 2 ルールがスポーツを構成する
 3 ルールブックや慣習を支える原理と解釈
 4 いろいろな視点からルールを解釈・デザインする
第13章 スポーツとメディア
 1 スポーツとメディアの共生的関係
 2 メディアスポーツの構造と意味
 3 「流通/消費過程」における課題
第14章 スポーツと美しさ
 1 「スポーツと美しさ」という表題
 2 「スポーツの美」についての研究から
 3 「美しさ」を考えるためのテーマとしてのスポーツ
第15章 スポーツとコミュニティ
 1 わが国のスポーツトレンドと「地域」への期待の高まり
 2 コミュニティとは何か
 3 コミュニティスポーツの展開と難問
 4 スポーツとコミュニティの形成
第16章 スポーツの制度化と暴力
 1 近代化とスポーツによる暴力の封印
 2 スポーツ教育による暴力制御の学習
 3 スポーツにおける暴力のほころび
第17章 スポーツとジェンダー
 1 ジェンダーの視点からみたスポーツ
 2 スポーツの成立と「男らしい男」
 3 性別二元論がもたらすスポーツの「新しい」問題
第18章 スポーツと障害者
 1 障害者スポーツの発展
 2 障害者スポーツの概念をめぐって
 3 障害者スポーツを考えること

第Ⅳ部 体育原理を学ぶ人のための基本文献案内

第1章 体育科教育原論に関する文献

新版体育科教育学入門/体育科教育学の探究/体育教育を学ぶ人のために/戦後体育実践論(全4巻)/学校体育授業事典/学校になぜ体育の時間があるのか?/よい体育授業を求めて/体育の教材を創る/体育の人間形成論/新版体育科教育学の現在

第2章 スポーツ原論に関する文献

スポーツ倫理を問う/スポーツ哲学の入門/スポーツ文化論シリーズ(全14巻)/21世紀スポーツ大事典/身体の論理/スポーツの哲学的研究/体育・スポーツの哲学的見方/遊戯する身体/身体教育を哲学する/身体教育の思想

索引

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