大学生のためのアカデミック英文ライティング

検定試験対策から英文論文執筆まで

大学生のためのアカデミック英文ライティング
著者 中谷安男
コンラド・ビューシス 英文校閲
ジャンル 書籍 > 英語教育 > 英語教育
大学テキスト > 英語教育・英会話・実務英語 > 英会話・実務英語
出版年月日 2016/05/20
ISBN 9784469246025
判型・ページ数 A5・224ページ
定価 1,870円(本体1,700円+税10%)

内容

まとまった英文を書くのに必要なA to Z

必要なのは、「読者を中心にわかりやすく」「首尾一貫性を持って」「結束性があるように」書くこと――。読者を上手く導くためのストラテジーや、コーパス情報から導き出された論文頻出の構文など、1ランク上の英語論文を書きたい人への教科書です。『英語教育』好評連載がこの1冊に。

目次

第1部 エッセイ・ライティング:英語レポートからTOEFL等資格試験に向けて 

1章 アカデミック・ライティングとは  

1.読者中心に書く
1-1 読みやすく、わかりやすい英文の書き方
(1)英文に流れがありスムーズに読める
(2)パラグラフにまとまりがある
(3)読者をうまく誘導する

2.誰に向けて書くのかを意識する
2-1 十分な準備:権威者と同レベルの知識の共有を示す
2-2 客観的に書く
(1)証拠を示す
(2)自分の主張を防御する
①自分の議論の証拠が十分でない可能性を示す
②別の見解があることを記載する
まとめ:専門家の権威者に向けた書き方

3.コーパス分析を使うメリット
3-1 なぜコーパス分析を利用したのか
3-2 どのようにコーパスを利用したのか
参考資料 活用したコーパス

練習問題1
練習問題2

2章 英文に流れをつくるストラテジー

1.各文の情報を結束し,流れを作るストラテジー
1-1 英文の基本構成:テーマとリーム
1-2 後方により強調する情報を置く:エンドフォーカス方略

2.既知情報により結束を作る
2-1 前文のトピックとの結束
2-2 前文の文中との結束
読者中心のディスコース・ストラテジー①

練習問題1
練習問題2

3章 意図的に情報の配置を変えるストラテジー

1.受動態による情報の配置

2.It構文と、There構文によるエンドフォーカス
2-1 It構文のエンドフォーカス
2-2 There構文のエンドフォーカス

3.句や節の配置による読みやすさ
3-1 句の配置の変換
3-2 節の配置の変換

4.まとめの確認問題
読者中心のディスコース・ストラテジー②

練習問題1 
練習問題2 
コラム 英国の大学入学資格試験

4章 ディスコースを結束させるストラテジー

1.文法的結束
(1)人称代名詞 
(2)指示代名詞
(3)比較語
(4)定冠詞
(5)冠詞の考え方

2.語彙的結束
(1)同語  
(2)類義語
(3)派生語
(4)上位語
(5)下位語
(6)一般名詞
読者中心のディスコース・ストラテジー③

練習問題1 
練習問題2 

5章 メタディスコースで読者を誘導

1.文頭のメタディスコースの役割

2.メタディスコースでどのようなシグナルを送るか
2-1 接合表現
(1)反意的
(2)付加的
(3)時間的
(4)因果的
(5)結論
読者中心のディスコース・ストラテジー④

練習問題

6章 文頭のメタディスコースの活用法

1.際立ちのメタディスコース
1-1 反意的用法
1-2 付加的用法
1-3 時間的用法
1-4 因果的用法

2.筆者の態度・コメントを示すメタディスコース
2-1 予期しない結果や否定的内容の提示  
2-2 特記すべきこと、興味深い発見や報告の示唆
2-3 話題の一般化や特定化
2-4 類似性や代替性
2-5 書き手自身の提案や見解を示す

3.注意を喚起するメタディスコース
3-1 読者への呼びかけ
3-2 強調する表現を使う
3-3 強調する構文を使う
読者中心のディスコース・ストラテジー⑤

練習問題 

7章 時制で示す書き手のスタンス

1.時制の表すもの

2.伝達動詞の時制
(1)研究の手順や発見の報告
(2)筆者の事象等へのコメント
(3)言及した人の考えの報告

3.伝達動詞の時制によるスタンス

4.伝達動詞を使った節の時制
(1)主節:過去→従属節:過去
(2)主節:過去→従属節:現在
(3)主節:現在→従属節:過去
(4)主節:現在→従属節:現在
(5)主節:現在完了→従属節:現在
読者中心のディスコース・ストラテジー⑥

練習問題 

8章 緩衝的表現のヘッジと断定表現のブースター

1.ヘッジの基本
1-1 英語の丁寧さ
1-2 ヘッジによる丁寧さ

2.2種類のヘッジ
2-1 近似詞
2-2 シールド
(1)シールドで使う動詞
(2)文頭のメタディスコースによるシールド

3.法助動詞のシールドによるヘッジ
3-1 can, couldによる可能性・確信度のヘッジ
3-2 may, mightによる可能性・確信度のヘッジ
3-3 研究論文とヘッジ

4.ブースター
4-1 ブースターの役割を持つ動詞
4-2 ブースターの役割を持つ形容詞、副詞
4-3 文頭のメタディスコースによるブースター
読者中心のディスコース・ストラテジー⑦

練習問題1 
練習問題2 

9章 パラグラフのまとめ方

1.パラグラフのムーヴ
2.自分の意見を述べるパラグラフ
3.研究論文のパラグラフ
4.意見を述べるパラグラフの例題    
5.問題解決のパラグラフの例題
読者中心のディスコース・ストラテジー⑧

練習問題

10章 パラグラフとエッセイの基本ムーヴ

1.比較対照を行うパラグラフ

2.サポート文が複数あるパラグラフ

3.エッセイの構成:3つのムーヴのパラグラフ
3-1 ムーヴ①:イントロダクション
(1)エッセイのトピックセンテンス
(2)サポート文
(3)論文の主題
①意見を述べる例
②問題解決をする例
③対照をする例
3-2 ムーヴ②:ボディ
3-3 ムーヴ③:結論


第2部 英語学術論文の書き方:国際論文採択に向けて

11章 卒業論文から国際ジャーナルまでの書き方

1.学術論文の種類

2.なぜ国際ジャーナルの書き方に学ぶのか

3.アカデミック・ライティングの読者
3-1 編集者の役割
3-2 査読者の役割
(1)誰が査読をするのか
(2)なぜ相手が査読をするのか考えて書く

練習問題

12章 ジャーナル採択の基準と学術論文の構成

1.学術論文の評価
1-1 具体的な評価方法
1-2 評価への対応

2.学術論文の構成
2-1 ムーヴの構築
2-2 各章の構成要素
(1)タイトル
(2)アブストラクト
(3)イントロダクション
(4)メソッド
(5)結果
(6)考察  
(7)結論
(8)引用文献
(9)付表
(10)謝辞

3.研究分野ごとの主な特徴
3-1 自然科学系ジャーナルの特徴
3-2 人文科学系ジャーナルの特徴
3-3 社会科学系ジャーナルの特徴

練習問題

13章 イントロダクションの書き方・1

1.イントロダクションの構成
1-1 研究の設計図を作る
1-2 読者にアピールするイントロダクションを書く

2.ムーヴ①の書き方:研究分野の定義と重要性の提示
2-1 先行研究の引用方法
2-2 スタンスを表す時制の活用方法
時制によりスタンスを表すストラテジー
(1)現在時制
(2)過去時制
(3)現在完了
2-3 ムーヴ①でよく使われる表現:ブースターの活用
(1)範囲の広さ 
(2)数の多さ
(3)期間の長さ
(4)新規性
(5)ポジティブさ

3.重要性をアピールするムーヴ①のディスコース構成例

練習問題1
練習問題2

14章 イントロダクションの書き方・2

1.ムーヴ②の書き方:研究のニッチを確立する
1-1 先行研究を利用する

2.研究のニッチの書き方
2-1 ネガティブな表現で問題点を明示
(1)否定的数量詞や否定形
(2)ネガティブな動詞、名詞、形容詞
(3)メタディスコースの反意的接合表現
2-2 書き手のスタンスを表す時制の活用
(1)過去時制
(2)現在完了
(3)現在時制
(4)複文での時制の組み合わせ
2-3 ヘッジの使用

3.先行研究のどの観点からニッチを書くのか
3-1 ニッチの作り方
(1)サンプル
(2)実験などの条件
(3)実験タスクとデータの収集方法
(4)分析の方法
(5)理論やモデルに基づく解釈
3-2 ニッチのフォーマット

4.ニッチを強くアピールするためのムーヴ②のディスコース例

例題
練習問題

15章 イントロダクションの書き方・3

1.研究の価値の訴求:書き出し文

2.書き出しに続く文:具体的な対処法を示す

3.ムーヴ②からムーヴ③への流れの例

4.結果の示唆の記述

5.論文の構成の記述

6.イントロダクションのムーヴのまとめ

練習問題1
練習問題2

16章 研究メソッドの確立

1.研究論文のメソッドの特徴

2.信頼性と妥当性

3.実証研究における独立変数と従属変数

4.研究の信頼性

5.研究の妥当性
5-1 見た目の妥当性
[事例1]ビジネスコミュニケーション能力の測定
5-2 内容的妥当性
[事例2]アンケートの質問項目の作成
5-3 構成概念妥当性
[事例3]テレビCMとビールの売上
5-4 基準関連妥当性
[事例4]新しい知能を計るテストの開発

6.メソッドを書く際の留意点

練習問題

17章 メソッドの書き方・1:社会科学・人文科学分野

1.メソッドの構成

2.被験者の記述
①-1 所属または地域
①-2 被験者の選び方
①-3 参加人数:男女比、出身構成比
①-4 年齢を報告する例
①―5 その他の従属変数に影響を与える被験者の特性

3.実験や調査手順の記述

4.データの分析方法

練習問題

18章 メソッドの書き方・2:自然科学分野とまとめ

1.自然科学分野のメソッドの特徴

2.自然科学分野でよく使われる語句

3.メソッドのまとめ
3-1 メソッドの具体例
3-2 メソッドのテンプレートと解説

練習問題1
練習問題2

19章 結果(リザルト)の書き方

1.結果の章でよく使われる語句

2.結果の章のムーヴ
2-1 ムーヴ①:検証の目的と方法の確認、およびその正当性 
2-2 ムーヴ②:結果の提示と評価
(1)仮説通りの結果となった場合
(2)予想される結果が得られなかった場合
(3)図や表、グラフと共に結果を提示する場合の表現 
2-3 ムーヴ③:先行研究の結果との比較
(1)結果の適切さの裏付け
(2)結果が例外的に新規のものである場合
2-4 ムーヴ④:結果の理由と解釈
(1)結果から導かれる示唆
(2)仮説の支持の確認
(3)研究の価値を示すメタディスコース
(4)ヘッジを利用した主張の防御 

3.結果の章のムーブのまとめ

練習問題1
練習問題2
練習問題3

20章 ディスカッションの書き方・1

ディスカッションで記述する内容

1.ディスカッションの章でよく使われる語句

2.ディスカッションの章のムーヴ
ディスカッションのムーブ
ディスカッションと論文の各章との関係づけ

3.ムーヴ①:研究結果のまとめ
3-1 ムーヴ①-1:研究の背景や理論に関する情報
3-2 ムーヴ①―2:分析方法の再確認
3-3 ムーヴ①―3:結果の強調

4.ムーヴ②:これまでの研究と関連した新たな示唆
4-1 ムーヴ②-1:展開する主張のサポート
4-2 ムーヴ②-2:新規の発見
4-3 ムーヴ②-3:仮説に反する結果とその説明

練習問題1
練習問題2

21章 ディスカッション書き方・2

1.ムーヴ③:理論的示唆と新たな課題の提示
ムーヴ③の下位項目
1-1 ムーヴ③―1:研究成果に基づく理論的示唆
1-2 ムーヴ③―2:研究の限界や問題点
1-3 ムーヴ③―3:次に行うべき研究案

2.ディスカッションのムーヴのまとめ

3.結論の章の書き方

4.ディスカッションのテンプレート

練習問題×2

22章 アブストラクトの書き方

1.アブストラクトの特徴

2.アブストラクトでよく使われる語句

3.アブストラクトのムーヴ
3-1 ムーヴ①:イントロダクション
(1)研究の目的を記述するムーヴ
(2)研究の課題から始めるムーヴ
3-2 ムーヴ②:メソッド
3-3 ムーヴ③:結果
・メソッドと結果をまとめる表現
3-4 ムーヴ④:結論

4.アブストラクトのムーヴのまとめ

5.アブストラクトのムーヴの具体例

6.アブストラクトに役立つテンプレート

練習問題1
練習問題2

参考文献
索引

ジャンル