内容
坊っちゃんは、実は高学歴者で無免許教師?
『坊っちゃん』には、自らも教員だった漱石の現場感覚が息づいている――。「学校小説」としての『坊っちゃん』の、知られざる意外な実態、そして現代にも通じる教育問題の数々。教職歴三十余年、教職を目指す若者を指導する著者が縦横に、軽妙に語り尽くす全10章!
目次
はじめに
序章 清とピグマリオン
その一 清と坊っちゃんの不思議な関係
その二 清は「ピグマリオン」?
◆『マイ・フェア・レディ』の原作
第一章 坊っちゃんは高学歴者
その一 坊っちゃんが学んだ明治時代の学校
その二 坊っちゃんの出身校「ある私立の中学校」
その三 坊っちゃんが通った「物理学校」
その四 私立の学校にかかる費用
◆教育格差社会日本
第二章 免許が要らない時代の先生たち
その一 坊っちゃんは無免許先生?
その二 漱石も教わった士族の先生たち
その三 先生の月給物語
◆現代先生の新免許制度
第三章 坊っちゃんも現代先生も多忙なのだ
その一 坊っちゃんの一日
その二 現代先生と漱石先生の実情
◆休憩時間と先生
第四章 坊っちゃんの時代の遠足・運動会・修学旅行
その一 遠足と運動会は同じもの
その二 大学と小学校の運動会
その三 修学旅行の今昔
◆修学旅行も変わった!
第五章 バッタ事件と宿直というお仕事
その一 宿直というお仕事の由来
その二 宿直で殉職された先生たち
その三 温泉に行く坊っちゃん
◆「夜の語り場」はどこに
第六章 学士様赤シャツはスゴイ
その一 冤罪? 「赤シャツ犯人説」
その二 学士という「学位」
その三 学士様になるまでの長い長い道のり
◆「星の数ほど」いる平成の学士
第七章 坊っちゃんは、ダメ教師なのか
その一 坊っちゃんを授業評価する
その二 坊っちゃんは指導力不足教員?
その三 漱石「僕は山嵐や坊っちゃんを愛し候」
◆漱石先生への授業評価
第八章 「先生ぽさ」と山嵐のジレンマ
その一 アイスマンの解凍
その二 教師の類型
その三 ヤマアラシのジレンマ
◆数字で表す心の距離
終章 坊っちゃんのキャリア
その一 一か月で退職する坊っちゃん
その二 「たまたま」キャリアのお話
その三 坊っちゃんのキャリアと清
◆キャリア教育 四つの能力
引用・参考文献
あとがき