内容
スポーツ参加者の心に火をつけたい!!
スポーツにおける「モチベーション(動機づけ)」に関する国内外の最新の知見を幅広く扱い、スポーツ行動の秘密に迫っている。競技スポーツ、健康スポーツ、運動部活動、学校体育、スポーツへの参加、ジュニアスポーツなどスポーツ行動の様々な領域や対象について詳しく解説し、スポーツ現場で役に立つ内容が満載。
目次
第I部 動機づけの基礎を学ぶ
第1章 動機づけの概論
第1節 動機づけの概念
(1)動機づけとは
(2)欲求・動機の分類
第2節 動機づけとスポーツ
(1)達成動機づけ
(2)外発的動機づけ
(3)内発的動機づけ
(4)有能感
(5)自己効力感
第3節 動機づけの測定
(1)投影法
(2)質問紙法
(3)その他の測定法
第2章 動機づけ理論
第1節 生理学的動機づけ理論
(1)ホメオスタシス
(2)動因低減説
第2節 認知論的動機づけ理論
(1)期待価値理論
(2)学習性無力感
(3)自己原因性
(4)原因帰属理論
(5)達成目標理論
(6)動機づけ雰囲気
(7)自己決定理論
(8)内発的・外発的動機づけの階層モデル
第3節 運動パフォーマンスに関する理論
(1)動機づけの最適水準(逆U字仮説)
(2)課題の困難度と個人差
(3)リバーサル理論
(4)フロー理論
(5)IZOF理論
第3章 スポーツ動機づけの測定尺度
第1節 スポーツへの動機づけ
(1)体協競技意欲検査
(2)繰り返し可能な競技意欲検査
(3)課題・自我目標志向性尺度
(4)スポーツ動機づけ尺度
第2節 体育における動機づけ
(1)体育における学習意欲検査
(2)体育における学習意欲診断検査
(3)児童用体育学習動機測定尺度
(4)体育授業の文脈レベルと状況レベルの動機づけ雰囲気を測定する尺度
第II部 スポーツ活動の動機づけを理解する
第4章 スポーツ参加の動機づけ
第1節 スポーツに関する動機
第2節 スポーツ参加動機
第3節 スポーツの楽しさ
(1)行う楽しさ、見る楽しさ
(2)フロー
第4節 運動の好き嫌い
第5節 スポーツコミットメント
第6節 スポーツの継続とドロップアウト
第7節 スポーツキャリアパターン(スポーツキャリアの移行)
第5章 健康スポーツの動機づけ
第1節 身体活動の規定因
(1)心理的要因
(2)その他の要因
第2節 行動変容と動機づけ
第3節 動機づけの介入実践
第4節 動機づけ面接法
(1)動機づけ面接法とは
(2)動機づけ面接法の4つの原理
(3)動機づけ面接法の実際
第6章 体育活動の動機づけ
第1節 体育授業の動機づけ
第2節 動機づけ方略
第3節 自己調整学習
第4節 体育における学習意欲
(1)体育における学習意欲の概念と測定尺度の開発
(2)体育における学習意欲の規定因―期待・感情モデル―
(3)体育における学習意欲喚起の実践的研究
第5節 言葉がけと動機づけ
第6節 ストレス適応と動機づけ
(1)ストレス
(2)体育授業やスポーツ活動のストレッサー
(3)体育授業やスポーツ活動におけるストレス適応
第III部 スポーツ競技の動機づけを知る
第7章 ジュニアスポーツと動機づけ
第1節 有能感と動機づけ
(1)ジュニア世代の有能感
(2)幼児期の有能感と動機づけ
(3)児童期の有能感と動機づけ
(4)青年期の有能感と動機づけ
(5)まとめ
第2節 競争と動機づけ
(1)社会的比較と動機づけ
(2)成績雰囲気と動機づけ
(3)まとめ
第3節 人間関係と動機づけ
(1)仲間関係
(2)指導者と選手の関係
(3)まとめ
第4節 ライフスキルと動機づけ
(1)ライフスキルとは
(2)コミュニケーション・対人関係スキルと動機づけ
(3)ストレス対処スキルと動機づけ
(4)目標設定スキルと動機づけ
第8章 トップアスリートの動機づけ
第1節 スポーツ技能の熟達化と動機づけ
(1)熟達化過程における遊びと動機づけ
(2)熟達化過程におけるよく考えられた練習と動機づけ
(3)トップアスリートの動機づけの特徴
第2節 個人スポーツの事例
(1)オリンピック水泳選手―初期の快体験が動機づけを高める―
(2)プロゴルファー ―「練習」を通して動機づけを高める―
第3節 チームスポーツの事例
(1)サッカーチーム―「負けず嫌い」が動機づけを高める―
第9章 女性競技者の動機づけ
第1節 スポーツにおける動機づけの性差
(1)女性競技者を対象とする心理学的研究
(2)成功回避動機(成功恐怖)
(3)目標志向性
第2節 ジェンダーとスポーツ参加
(1)性役割(ジェンダー・ロール)
(2)セクシャル・ハラスメント
第3節 女性競技者に特有の動機づけ
(1)目標志向性と摂食障害
(2)女性競技者と月経
第IV部 動機づけの社会/臨床心理を学習する
第10章 スポーツ集団における動機づけ
第1節 リーダーシップと動機づけ
(1)リーダーシップとは
(2)SL理論に基づく動機づけ
(3)実践上の課題
第2節 チームワークと動機づけ
(1)スポーツ集団とスポーツチーム
(2)チームワークの概念
(3)チームワークの下位概念と動機づけの関係
第3節 ソーシャルサポートと動機づけ
(1)ソーシャルサポートとは
(2)運動・スポーツ分野におけるソーシャルサポート研究
(3)スポーツ集団におけるソーシャルサポート
(4)ソーシャルサポートと動機づけの相互関係
第11章 動機づけの文化間比較
第1節 スポーツの動機づけと文化
(1)動機づけへの文化の影響
(2)文化の捉え方と文化的自己観
第2節 異文化間での比較研究
(1)異文化間心理学の目的と方法
(2)目標志向性および原因帰属の日米比較
第3節 異文化間比較からみた日本人的な動機づけ
(1)達成動機と内発的動機づけの日本人の特徴
(2)原因帰属の日本人の特徴
(3)目標志向性の日本人の特徴
(4)文化的自己観を基礎とした日本人のスポーツ動機づけモデル
第12章 スポーツ臨床と動機づけ
第1節 運動部活動での不適応
(1)運動部不適応のスポーツ臨床
(2)運動部不適応の心理社会的背景
(3)運動部不適応を予防するための動機づけ
(4)新入運動部員のための適応促進プログラム
第2節 スポーツ傷害と動機づけ
(1)スポーツ傷害の臨床
(2)スポーツ傷害発生にかかわる心理社会的背景
(3)スポーツ傷害を負った選手への心理サポート
(4)スポーツ傷害と動機づけ
第3節 バーンアウト(燃え尽き症候群)
(1)バーンアウトのスポーツ臨床
(2)バーンアウトの心理社会的背景
(3)バーンアウトを予防するための動機づけ
第4節 カウンセリングによる動機づけ
(1)スポーツカウンセリングの事例
(2)スポーツカウンセリングの特徴
(3)スポーツカウンセリングの活動とアプローチのタイプ
(4)スポーツカウンセリングの動機づけ
第V部 動機づけの強化と将来に向けて!
第13章 動機づけを高めるコーチング
第1節 動機づけ理論に依拠した方法
(1)目標設定
(2)成功/失敗の原因
(3)行動の主人公
(4)集団の雰囲気
第2節 スポーツ実践からのアプローチ
(1)モチベーションビデオ
(2)優秀な指導者の動機づけ戦略
(3)名言からの示唆
第14章 最近の研究トピックス
第1節 達成目標理論
(1)2目標視点
(2)4目標視点(2×2達成目標)
(3)6目標視点(3×2達成目標)
第2節 動機づけ雰囲気
(1)重要な他者によって作られる動機づけ雰囲気
(2)縦断調査と介入研究
第3節 自己決定理論
(1)内発的・外発的動機づけ階層モデル
(2)目標内容理論
第4節 情熱研究
(1)情熱における2つの側面
(2)情熱研究の特徴
第5節 自動性研究
(1)自動性研究の登場
(2)自動性とは
(3)動機づけの自動的な活性化の実証
(4)動機づけの潜在指標
第15章 今後の研究課題と展望
第1節 これまでの動機づけに関する研究から
(1)個人的要因から対人関係性へ
(2)動機づけの持続性と般化
(3)文化的差異と動機づけ
(4)研究方法論
第2節 スポーツがもつ特性から
(1)チーム力(チームとしての動機づけ)
(2)ネガティブ感情(悔しさ)
(3)周りの人、世話になった人への感謝
研究資料
(1)スポーツ動機づけ測定尺度
(2)運動継続のための動機づけ尺度
(3)スポーツにおける動機づけ雰囲気測定尺度
(4)体育における学習意欲診断検査
コラム
(1)やる気と脳科学
(2)スポーツ動機づけ研究会
(3)感情体験と動機づけ
(4)パラリンピアンの動機づけ
(5)体育における学習意欲の発達的推移
(6)子どもの動機づけと親の関係
(7)負けず嫌い
(8)周りの人への感謝
(9)チームの絆を強める(チームビルディング)
(10)ニュージーランドのスポーツ動機づけ研究
(11)ヨーロッパのスポーツ動機づけ研究:最近のトピックス
(12)挫折からの立ち上がり(レジリエンス)
(13)メンタルトレーニングと動機づけ
さくいん
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