体育の授業づくりと授業研究

体育の授業づくりと授業研究
著者 小林篤
ジャンル 書籍 > 体育 > 体育指導法
シリーズ 体育授業叢書
出版年月日 2000/02/21
ISBN 9784469264357
判型・ページ数 A5・296ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税10%)

内容

よい体育授業の実践をめざす人に贈る

教授学の泰斗、斎藤喜博に師事した著者が、40年にわたる研究の中から、子どもの心に残るよい体育授業の在り方と、そのための授業づくりについて、「目標、内容、方法」から提示。

目次

第1章 体育授業の目標
 第1節 新学力観に立つ体育授業
  1.平成元年版学習指導要領の内容
  2.新学力観と体育の授業
  3.体育学習における基礎・基本
 第2節 「生きる力」を育てる体育授業
  1.バランスのとれた知・徳・体
  2.「工夫する学習」の全面的な強調
  3.運動を好きにさせる授業
  4.研究成果を踏まえた合理的な指導
  5.運動の取り上げ方の弾力化と選択制の拡大
  6.保健の授業の拡大と健康の自己管理能力の育成
  7.全体的な評価
 第3節 体育授業の目標をめぐる諸問題
  1.Take part(参加する)ということ
  2.運動の「楽しさ」と「喜び」
  3.ルールを自らつくる学習
  4.「体ほぐし」への一つの視角
  5.スポーツは学校から地域社会へ
 第4節 健康教育の現状と課題
  1.保健と健康教育
  2.学校をあげての指導体制の整備
  3.生涯学習を見据えた保健の授業の課題

第2章 体育授業の教材と内容
 第1節 体育学習における差別と共生
  1.教材研究の必要性
  2.教材の本質を把握する必要性
  3.プロセスを把握し評価する必要性
  4.共生せざるをえない学習の場をつくる
  5.支え合う仲間関係をつくる
  6.懸命に、えこひいきせず教える
  7.まとめ
 第2節 簡易ゲームで運動の特性に触れる学習
  1.運動の特性に触れる学習
  2.ハーフコート・バスケットボール
  3.ファンボール
  4.ドリブルなしのバスケットボール
  5.反省
 第3節 教材解釈と指導法をめぐる問題
  1.文献購読から入る教材研究
  2.ボールゲームの授業の課題
  3.行事での挨拶とそれに対する反応

第3章 子どもが自ら学ぶ体育授業
 第1節 自分で運動をつくる体育学習――典型としての土谷体育
  1.子どもが運動を自律的に総合的に学ぶ授業
  2.土谷体育
  3.身体表現「木の葉」の授業
  4.「木の葉」の授業分析
  5.高学年の「わたしの運動」
 第2節 子どもが自ら修行に励む忍者体育の授業
  1.忍者体育の歴史
  2.低学年の基本の運動としての忍者体育の授業
  3.高学年の器械運動としての忍者体育の授業
  4.「私の床忍法修行の道」の授業(6年生)
  5.連続技の学習で体得する動きのリズム
 第3節 子供がつくるボールゲームの授業
  1.土谷体育との出会い
  2.4年生の「ゴールパスゲーム」
  3.態度測定による授業診断
  4.ルールをつくる授業の立場と成果
 第4節 すぐれた体育実践に学ぶということ
  1.土谷体育授業の研究
  2.定石の研究ということ
  3.形の模倣と原理の理解
  4.体育・保健の基本的な問題として
 第5節 子どもから出発する体育指導
  1.自ら鍛える雰囲気づくりを
  2.歩走練習
  3.あるべき体育の教科内容の私案
  4.教育技術の学びの領域
  5.子どもから出発する「総合的な学習」

第4章 体育授業での指導の言葉
 第1節 体育指導における感覚的な指導の言葉
  1.問題の所在
  2.感覚的な指示の言葉の収集と分類
  3.意識を焦点化させる指示
  4.比喩によってイメージを育てる指示
  5.擬音語を用いた指示
  6.全体的な傾向と指導上の問題
 第2節 足音に着目した体育指導
  ◆はじめに
  1.足音をさせないことを求める体育指導
  2.柔らかな足音を求める体育指導
  ◆まとめ
 第3節 指導の言葉をめぐって
  1.技術と心と
  2.言葉による指導の修業を
  3.かけがえのない励ましの言葉

第5章 授業評価と生徒評価
 第1節 体育実技に対する学生の態度の構造と変容
  ◆はじめに
  I 体育実技の目的
  II 体育実技に対する態度尺度の作成
  III 体育実技に対する態度の構造
  IV 体育実技に対する態度の変容
  ◆まとめ
 第2節 評価についての考え方
  1.「関心・意欲・態度」の評価
  2.体育が抱える評価の今日的課題
  3.まず授業の評価を

第6章 体育授業を担当する教師に求められる条件
 第1節 体育担当教師の資質と修業
  1.体育教師の V.S.O.P
  2.教師自身の「関心・意欲・態度」
  3.問題把握の力
 第2節 体育授業の美学
  ◇寂かな授業
  ◇美しい行進
  ◇「寂かな授業」を生む要因
  ◇静かな体育授業
  ◇笛を吹かない体育授業
 第3節 運動ぎらいにさせるものは何か

第7章 体育の授業研究
 第1節 体育授業分析方法論
  1.授業分析的研究のむずかしさ
  2.授業記録に求められる要件
  3.要件を満たした授業記録の実例
  4.学術論文を書くための工夫と努力
  5.体育授業のカテゴリー分析
  6.授業に対する子どもの感想・意見の数量的把握
  7.学問としての体育授業分析の基本的な課題
 第2節 高田典衛の体育授業研究を見直す
  1.研究の目的と方法
  2.高田典衛の体育授業研究の歩み
  3.研究業績としての評価をめぐって
  4.体系化を志した高田の二つの書
  5.体育科教育学研究の先駆けとしての高田の業績
 第3節 体育授業実践学への道程
  1.体育授業研究に志した筆者の歩み
  2.独創的な「論」の評価を
  3.体育授業実践学の構築に向けての提言
 第4節 体育授業研究の展開
  1.授業研究の「なぜ」「何を」「どのように」
  2.体育授業研究発展の六つの契機
  3.体育原理(哲学)研究の興隆

ジャンル