内容
体育授業の存在意義を説く!
「硬直化し、閉ざされた子どものからだと心を耕し、拓く」体育授業をめざして、長年実戦現場から研究を続けてきた著者の集大成。時代やイデオロギーを越えて体育の本質に迫る。
目次
第1章 教育としての体育
第1節 教育としての体育の探求
1 私の問題意識
2 教育実践への強い関心
3 佐々木賢太郎の『体育の子』に学ぶ
4 日本の子どものからだの現実を直視しつつ
5 大学における「からだ育て」の実践
6 表現としての体育という新たな観点
7 「スポーツ教育」論をめぐって
8 保健体育の授業の典型をつくる
9 教育技術をめぐって
第2節 体育の中の「身体」
1 教育の目的としての「身体」
2 文化としての「身体」
3 自我としての「身体」
4 自己を表現する「身体」
5 連帯し合う「身体」
第3節 主体形成としての「からだ育て」
1 「からだ育て」にかける私たちのねがい
2 生活における自律性と主体性を育てる
3 からだや健康に対する科学的認識を育てる
4 運動への欲求を掘り起こし、自主的運動生活を育てる
5 子どもをからだづくりと運動文化の主体に育てる
6 表現すること・つくることがからだを育てる
7 子どもにとって楽しい学校を
第4節 子どもの発達と体育
1 からだづくりの意欲を育てる
2 子どもを運動文化の主人公に
3 表現としての体育
4 障害をもつ子どもと体育
第2章 身体文化の教育的価値
第1節 「体操」の教育学
1 教育の目的と体操の理念
2 生命を守り育てる文化として
3 からだと動きの基本の再発見
4 からだと心の解放をはかる
5 人間としてのふれ合いと連帯感を
第2節 身体表現の教育学―身体表現の教育的意味を考える―
1 人間教育における認識の教育と表現の教育
2 “身体表現”の意味のとらえ方
3 マット運動・跳び箱運動の場合
4 舞踊の場合
第3節 陸上運動(競技)の教材的価値
1 歩・走・跳・投は人間の運動の基本
2 歩・走・跳・投運動、そのことの楽しさを学ぶ
3 宇佐美選手の経験に学ぶこと
4 人間の可能性の追求と運動技術の習得
5 身体形成的価値について
第4節 民舞教育の探求
1 ダンス一辺倒への反省から
2 第1回民族舞踊を学ぶ会のこと
3 民族の舞踊教育のその後の展開
4 実践の積み重ねで見えてきたこと
5 民舞教育をめぐる今日の状況と課題
第3章 体育授業論
第1節 体育科授業論
1 明確な授業の目標
2 できない子どもから学ぶ
3 子どもの事実を見ぬき、対応する
4 子どもに寄りそう
5 的確なことば
6 教材解釈の大切さ
第2節 斎藤喜博の体育指導―跳び箱運動を中心に―
1 斎藤喜博の教育観・授業観
2 跳び箱運動についての教材解釈と指導の実際
3 系統的指導と基礎の重視
4 子どもの事実に対応し、はららきかける
5 1回1回の子どもの練習に責任を負うこと
6 的確な教師のコトバ
7 子どもが学習の主体になるとき
8 学習集団の組織化
第3節 「法則化」体育への疑問
1 向山式跳び箱運動とは
2 教材解釈が授業を左右する
3 追試が固定化している
4 効率主義は教育の本質を見失う
5 授業とはなにか
第4節 体育の指導
1 体育指導をめぐる今日的状況
2 どの子にも探求の楽しさと達成の喜びを
3 教材の問い直しと教材解釈づくり
4 からだと心のはたらきの統一をはかって
5 自分のからだと対話する体育へ
6 互いに学び合い、ともに育つ学習集団を
第5節 「新学力観に立つ学習指導」批判
1 「新学力観」の画一的押しつけ
2 「基礎・基本」のとらえ方の転換
3 教科内容と関心・意欲・態度
4 教育課程の問い直しと教科内容の精選を
5 子どもの主体性と教師の役割
6 授業における個と集団
7 教育評価をめぐって
第6節 私の考える授業研究
1 すぐれた授業の創造のために
2 授業の「実践的研究」ということ
3 すぐれた授業の典型的事例の創造を
4 実践的研究で重要なこと