教育としての体育

教育としての体育
著者 中森孜郎
ジャンル 書籍 > 体育 > 体育指導法
シリーズ 体育授業叢書
出版年月日 1996/07/05
ISBN 9784469263480
判型・ページ数 A5・208ページ
定価 2,200円(本体2,000円+税10%)

内容

体育授業の存在意義を説く!

「硬直化し、閉ざされた子どものからだと心を耕し、拓く」体育授業をめざして、長年実戦現場から研究を続けてきた著者の集大成。時代やイデオロギーを越えて体育の本質に迫る。

目次

第1章 教育としての体育

 第1節 教育としての体育の探求
   1 私の問題意識
   2 教育実践への強い関心
   3 佐々木賢太郎の『体育の子』に学ぶ
   4 日本の子どものからだの現実を直視しつつ
   5 大学における「からだ育て」の実践
   6 表現としての体育という新たな観点
   7 「スポーツ教育」論をめぐって
   8 保健体育の授業の典型をつくる
   9 教育技術をめぐって

 第2節 体育の中の「身体」
   1 教育の目的としての「身体」
   2 文化としての「身体」
   3 自我としての「身体」
   4 自己を表現する「身体」
   5 連帯し合う「身体」

 第3節 主体形成としての「からだ育て」
   1 「からだ育て」にかける私たちのねがい
   2 生活における自律性と主体性を育てる
   3 からだや健康に対する科学的認識を育てる
   4 運動への欲求を掘り起こし、自主的運動生活を育てる
   5 子どもをからだづくりと運動文化の主体に育てる
   6 表現すること・つくることがからだを育てる
   7 子どもにとって楽しい学校を

 第4節 子どもの発達と体育
   1 からだづくりの意欲を育てる
   2 子どもを運動文化の主人公に
   3 表現としての体育
   4 障害をもつ子どもと体育


第2章 身体文化の教育的価値

 第1節 「体操」の教育学
   1 教育の目的と体操の理念
   2 生命を守り育てる文化として
   3 からだと動きの基本の再発見
   4 からだと心の解放をはかる
   5 人間としてのふれ合いと連帯感を

 第2節 身体表現の教育学―身体表現の教育的意味を考える―
   1 人間教育における認識の教育と表現の教育
   2 “身体表現”の意味のとらえ方
   3 マット運動・跳び箱運動の場合
   4 舞踊の場合

 第3節 陸上運動(競技)の教材的価値
   1 歩・走・跳・投は人間の運動の基本
   2 歩・走・跳・投運動、そのことの楽しさを学ぶ
   3 宇佐美選手の経験に学ぶこと
   4 人間の可能性の追求と運動技術の習得
   5 身体形成的価値について

 第4節 民舞教育の探求
   1 ダンス一辺倒への反省から
   2 第1回民族舞踊を学ぶ会のこと
   3 民族の舞踊教育のその後の展開
   4 実践の積み重ねで見えてきたこと
   5 民舞教育をめぐる今日の状況と課題

第3章 体育授業論

 第1節 体育科授業論
   1 明確な授業の目標
   2 できない子どもから学ぶ
   3 子どもの事実を見ぬき、対応する
   4 子どもに寄りそう
   5 的確なことば
   6 教材解釈の大切さ

 第2節 斎藤喜博の体育指導―跳び箱運動を中心に―
   1 斎藤喜博の教育観・授業観
   2 跳び箱運動についての教材解釈と指導の実際
   3 系統的指導と基礎の重視
   4 子どもの事実に対応し、はららきかける
   5 1回1回の子どもの練習に責任を負うこと
   6 的確な教師のコトバ
   7 子どもが学習の主体になるとき
   8 学習集団の組織化

 第3節 「法則化」体育への疑問
   1 向山式跳び箱運動とは
   2 教材解釈が授業を左右する
   3 追試が固定化している
   4 効率主義は教育の本質を見失う
   5 授業とはなにか

 第4節 体育の指導
   1 体育指導をめぐる今日的状況
   2 どの子にも探求の楽しさと達成の喜びを
   3 教材の問い直しと教材解釈づくり
   4 からだと心のはたらきの統一をはかって
   5 自分のからだと対話する体育へ
   6 互いに学び合い、ともに育つ学習集団を

 第5節 「新学力観に立つ学習指導」批判
   1 「新学力観」の画一的押しつけ
   2 「基礎・基本」のとらえ方の転換
   3 教科内容と関心・意欲・態度
   4 教育課程の問い直しと教科内容の精選を
   5 子どもの主体性と教師の役割
   6 授業における個と集団
   7 教育評価をめぐって

 第6節 私の考える授業研究
   1 すぐれた授業の創造のために
   2 授業の「実践的研究」ということ
   3 すぐれた授業の典型的事例の創造を
   4 実践的研究で重要なこと

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