スポーツは誰のために

21世紀への展望

スポーツは誰のために
著者 関春南
唐木國彦
ジャンル 書籍 > スポーツ科学 > 文化論・人類学
出版年月日 1995/08/01
ISBN 9784469263152
判型・ページ数 四六・282ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税10%)

内容

スポーツ・フォー・オールへの潮流

近代オリンピックの影響下にあった世界のスポーツ運動は大きな転機を迎えている。数百万の人々が年齢、性別、職業の違いを越えてスポーツに関与しはじめ、チャンピオンの最高峰を目指すことが必ずしもスポーツ活動の目標ではなくなってきている。「スポーツ・フォー・オール」への潮流である。いまこそ、「スポーツは誰のために」を問うことが21世紀のスポーツを方向づけるカギとなっている。

目次

はじめに


第1部 理念としての「スポーツ権」


第1章 「スポーツ権」確立への道 (関 春南)

「スポーツ権」をめぐる今日的状況
新しい人権としての「スポーツ権」
国民のスポーツ要求の現代性
「スポーツ権」の構造
すべての権利はたたかいとられたもの

第2章 人民スポーツ思想の地下水脈 (上野卓郎)

人民スポーツ思想への想い
 ――バルセロナ人民オリンピアードの理念によせて
人民スポーツ運動論の展開――RSIプラハ国際協議会
オリンピック理念と人民スポーツ思想の出会い
 ――オリンピック理念擁護国際委員会パリ国際協議会


第2部 スポーツの現代的構造と変容


第1章 スポーツ・商業主義・マスメディア
    ――ドイツにおけるサッカーのプロ化とクラブスポーツ (高津 勝)

控えめなプロ化――サッカー・ブンデスリーグ
文化複合――スポーツ・商業主義・マスメディア
変わりゆくドイツのスポーツシステム

第2章 テレビジョン時代とスポーツ
    ――スポーツの変容をめぐる問題 (川口智久)

スポーツとテレビジョンの関係
スポーツ放映における変化の様相
スポーツの変化とテレビジョン

第3章 スポーツ――福祉か営利か
    ――イギリスにおけるスポーツ政策研究の動向 (内海和雄)

国家のスポーツへの関与
スポーツの公共性の擁護
市場原理と公共性――スポーツ政策研究の課題


第3部 21世紀へ向けて


第1章 「社会主義的スポーツ」の崩壊 (唐木國彦)

「社会主義的スポーツ」とは何か
「崩壊」から統合へ
統一の現実的基盤
ドーピングはあったか?

第2章 近代スポーツから現代スポーツへの胎動 (早川武彦)

近代スポーツの生成と発展の諸原理
近代スポーツから現代スポーツへの変化過程・状況
近代スポーツ生成の兆候とその視点
現代スポーツ――「する・みる」論の構図

第3章 学生のスポーツ経験・意識と「一般体育」改革 (藤田和也)

高校までの体育・スポーツ経験と意識
大学生活におけるスポーツ活動
スポーツ一般にたいする意識
大学体育授業にたいする評価と意見
大学「一般体育」改革への提言


あとがき

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