現場対応力を鍛える 学校リーダーシップ養成講座

現場対応力を鍛える 学校リーダーシップ養成講座
著者 星幸広
ジャンル 書籍 > 保健・健康 > 安全・救急
出版年月日 2012/07/31
ISBN 9784469267365
判型・ページ数 四六・184ページ
定価 1,650円(本体1,500円+税10%)

内容

誤った対応は最悪の事態を招く

いま、危機管理体制を見直すためには何をすればよいのか。数々の難問を解決してきた学校危機管理のスペシャリストが、どこにも書いていない、逃げない、隠さない、問題解決の方法をここに公開。リーダーの決断と的確なマニュアルが学校や子どもを守る。学校管理職はもちろん、すべての教育関係者必読!

目次

序 リーダーの力量が子どもたちの命を左右する

 「天災」を「人災」としないために
   事前の備えが十分ならば「天災」だけですむはず
   大川小学校の悲劇を二度と繰り返さない
   教育委員会はあいまいなマニュアルについて謝罪
   学校を預かる責任者の迅速な判断と決断が子どもの生死を分けた

第1章 大災害への対応と危機管理マニュアルの重要性

 緊急時に重要なのはリーダーの決断力
   小中学生の99.8%が助かった「釜石の奇跡」
   最初の避難場所を危険と即座に判断して、さらに高所へ避難
   災害時には一刻の猶予もない場面に遭遇することも
   リーダーのいない集団は弱い

 実例に学ぶ! 理想的な防災対策とは
   何が子どもの生死を分けたのか
   釜石東中学校の防災教育プログラム
   釜石東中学校の合言葉 それは「地震が1分以上続いたら高台へ逃げろ!」
   地域ぐるみの防災訓練「助けられる人から助ける人へ」
   人間としての基礎教育にもつながる防災教育
   校長は「学校についてのビジョンを語ること」が重要
   コミュニケーション・ツールで学校と地域の連携を深める
   「ぼうさい甲子園」で連続受賞した「安否札」
   認定証で楽しく積極的に防災を学ぶ

 マニュアルがないのは致命的な問題
   高台から低地へ幼稚園バスを出した日和幼稚園
   マニュアルの不在は致命的な結果を招く
   25人の教習生が亡くなった自動車教習所の場合
   マニュアルをもたなかったある有名企業の不祥事
   女児死傷交通事故と教師の添乗マニュアル

 震災後の意識が高まっている今こそマニュアルを作成するチャンス
   学校現場は危機管理マニュアルの重要性を学んでほしい
   マニュアルによって、責任問題や損害賠償の行方が決まる
   誰でも簡単に使えるのが最高のマニュアル
   マニュアルはワンペーパーでも一行でもよい
   数多く訓練して、手順をからだに覚え込ませる
   機運が高まっている今がチャンス

第2章 組織を守る学校運営と保護者への対応

 教師を守れないのは学校が組織としてもろいから
   大きな問題を抱えている学校現場
   保護者対応に疲れ、心を病んだ教師が増加
   教師になることを迷う学生たち
   教師という職業にもっと自信をもってほしい
   新任2ヶ月で自殺した女性教師
   学校現場にはお互いを助け合う風土がない
   「降任」とは本来は懲罰だが
   校長・教頭から一般教師に戻る「希望降任」が増加

 学校運営では校長と教頭の信頼関係が大切
   管理職に昇格したら常にプラス思考で
   心がけるべきことはイエスマンにならないこと
   教頭は校長から一目置かれる存在に
   現実には心もとない教頭が多い
   信頼関係は小さなことの積み重ねから
   人間関係形成は理屈ではなく地道な努力があってこそ
   「より早く、より多く、より正確な情報」を校長に集約する
   学校を生かすも殺すも教頭の腕次第

 モンスターペアレントは教師がつくり出した幻影
   自分たちの守備範囲を知らない教師たち
   まずは学校と保護者の守備範囲をしっかり確認する
   安易にサービス業務を引き受けない
   普通の親をモンスターに育てた一因は学校
   日本人全体の変化にもさらされる学校現場

 保護者との信頼関係は築けて当たり前
   通常の人間関係よりも信頼関係が生まれやすい
   なぜ保護者と学校間で信頼関係が築けないのか
   「力関係に空白なし」――学校が下手に出る必要はない
   教師はもっとしたたかに、もっとたくましく
   マナー違反の保護者には毅然とした対応を

第3章 謝罪と責任の取り方

 謝罪の必要性
   今、学校現場で頻発する保護者からの謝罪要求
   学校管理下の事故ではまず事実確認を
   事実確認なしの対応が事を荒立てるもと
   校長は軽々に謝罪すべきではない
   学校側に非がなければ訴訟騒ぎも恐れる必要はない
   謝罪すべきことと拒否することの境目を明確に
   「見舞い」と「謝罪」の使い分け
   謝罪の意味をよく知ることが大切
   学校内で発生した事故でもすべて謝罪が必要なわけではない
   安易な謝罪は間違った考えである

 学校の責任の負い方
   民事上の責任 増加傾向にある高額の損害賠償
   刑事上の責任 校長と教師の責任追及
   行政上の責任 いわゆる管理責任 任命権者から処罰されるもの
   道義的責任 もっとも人間的な責任の取り方

 訴訟対策とマニュアル作成のポイント
   訴訟に勝つためには準備が必要
   公文書(職務命令)にして文書に命を吹き込む
   特別な対応は文書化して、みえる形で管理
   学校現場での責任範囲の境界をはっきりさせる

 法的思考と法令順守(リーガルマインドとコンプライアンス)
   校内で発生したことでも法に従って処断する
   子どもの両親が授業を妨害した事例を考える
   法的な考え方をもち込むことによる抑止効果

 メッセージ集
  学校リーダーシップの心得

 あとがき

ジャンル