賢治オノマトペの謎を解く

賢治オノマトペの謎を解く
著者 田守育啓
ジャンル 書籍 > 日本語・日本文学・日本語教育・国語教育 > 日本文学
出版年月日 2010/09/15
ISBN 9784469222098
判型・ページ数 四六・266ページ
定価 1,760円(本体1,600円+税10%)

内容

なぜ宮沢賢治はオノマトペの達人なのか

宮沢賢治の独創的でユニークな表現はどのように生まれたのか。文学的な視点からではなく言語学的視点からその創作のプロセスに共通する「4つの法則」を解明し、これまで明らかにされなかった賢治オノマトペ誕生の秘密に迫る画期的な試み。ジャンル別の用例集を読むだけでも楽しめる、賢治の魅力再発見の書。

目次

まえがき


第1章 宮沢賢治とオノマトペ
 オノマトペってどんなことば?
●擬声語/●擬音語/●擬態語
 宮沢賢治はなぜオノマトペの達人なのか?
 宮沢賢治のオノマトペの魅力
●どんな歩き方?/●どんな空?/●どんな廻り方?/●どんな笑い方?

第2章 一般に使われているオノマトペ
 1モーラを基本形に持つオノマトペ
 2モーラを基本形に持つオノマトペ
 オノマトペの使い方(1) 動詞を修飾するオノマトペ
 オノマトペの使い方(2) 動詞になるオノマトペ
 オノマトペの使い方(3) 名詞になるオノマトペ
 オノマトペの使い方(4) 引用
 オノマトペの使い方(5) 独立用法

第3章 解明!賢治オノマトペの法則
 1.一音の違いが生み出す微妙なニュアンス
  1・1 別の子音に変えるだけでどう変わる?
(1) 音をクリアにしてみると…
(2) 音を濁らせてみると…
(3) 「しゃ」を「ちゃ」に変えてみると…
(4) 「にょ」を「の」に変えてみると…
  1・2 別の母音に変えるだけでどう変わる?
(1) 「う」を「お」に変えると…
(2) 「う」を「い」に変えると…
(3) 「う」を「え」に変えると…
(4) 「あ」を「お」に変えると…
(5) 「あ」を「い」に変えると…
(6) 「あ」を「う」に変えると…
(7) 「あ」を「え」に変えると…
(8) 「い」を「え」に変えると…
(9) 「い」を「あ」に変えると…
(10) 「い」を「う」に変えると…
(11) 「お」を「あ」に変えると…
(12) 「お」を「え」に変えると…
(13) 「え」を「あ」に変えると…
  1・3 全く別の音に変えてみると?
(1) 「ぴ」(「び」)を「ど」に変えると…
(2) 「きゅ」を「き」に変えると…
 2.音の挿入が生み出す微妙なニュアンス
  2・1 「っ」(促音)を入れてみるとどう変わる?
  2・2 「ん」(撥音)を入れてみるとどう変わる?
  2・3 母音を入れてみるとどう変わる?
  2・4 モーラを入れてみるとどう変わる?
 3.音の入れ換えが生み出す微妙なニュアンス
●「そっこり咲く」って?/●「ぼしょぼしょする雨」って?/●「こぼこぼ噴きだす冷たい水」って?/●「馬がポカポカあるく」って?/●「ぽっちょり黒く染める」って?/「キシキシと泣く」って?
 4.音の反復が生み出す微妙なニュアンス
 5.賢治オノマトペの法則一覧

第4章 森羅万象 賢治オノマトペの世界
 《自然現象》
 1.気象に関連するもの
●雪はどのように降るのか?/●霧はどのように降るのか?/●風はどのように吹くのか?
 2.空に関連するもの●空は果たして鳴るのか?●空に浮かんでいるものはどう表現するのか?
 3.水に関連するもの●水はどんな音を立てるのか?
 4.山に関連するもの●山をオノマトペで表現すると?
 5.火に関連するもの●火はどのように燃えるのか?
 6.その他
 《自然現象以外の現象》
 1.属性を表すもの
 2.その他
 《動物の動作》
 1.鳥類
●鳥はどのように飛ぶのか? どのように鳴くのか?
 2.哺乳類
●馬はどのように尻尾を振るのか?
 3.昆虫
●蝉の鳴き声は?
 4.両生類
●蛙はどのように泳ぐのか?
 5.その他 《植物の動作》
●木々はどのような音を立てるのか?
 《人の動作》
 1.手が関わっている動作
●どのように切るのか? 殴るのか?
 2.足が関わっている動作
●どのように歩くのか? 登るのか?
 3.口が関わっている動作
●どのように呟くのか? 呑むのか?
 4.目が関わっている動作
●まばたきはどのようにするのか?
 5.その他の動作
 《身体の一部》
●乱れた髪の毛はどのようになるか?
 《心の動き》
●湧き上がるうれしさをどのように表現する?


あとがき
賢治オノマトペ索引

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