王朝滅亡の予言歌

古代中国の童謡

王朝滅亡の予言歌
著者 串田久治
ジャンル 書籍 > アジア・漢学/漢字文化 > あじあブックス
シリーズ あじあブックス
出版年月日 2009/12/08
ISBN 9784469233087
判型・ページ数 四六・216ページ
定価 1,760円(本体1,600円+税10%)

内容

「童謡」で読む漢代宮廷権力闘争のドラマ

「童謡」=無邪気な子どもたちがうたう歌、というイメージとは程遠く、隠喩やブラックユーモアを駆使して権力者を揶揄し呪う歌──それが中国の童謡である。激動の古代史を彩る数々の童謡を読み解けば、人々の恨み、悲しみ、期待、希望……切なる思いが浮かび上がってくる。

目次

はしがき

◆第一章 民意と童謡──揺籃期
民意を聞く/輿人の誦/鄭の子産/歌謡収集の目的/歌謡による毀誉褒貶/小説/「歌」と「謡」の違い

◆第二章 童謡の起源──黎明期
中国最古の童謡/有史時代最古の童謡/戦勝を予言する童謡/災いを予告する童謡/孔子が聞いた童謡/なぜ「童謡」か?

◆第三章 呂太后をめぐる歌──形成期
呂后/戚夫人の歌/趙幽王友の歌/耕田の歌/劉章の父/再び「耕田の歌」/呂太后、悶死す/呂氏一族の誅滅/暗喩・諷刺の効用

◆第四章 元帝・成帝のときの童謡──開花期
宣帝と元帝/宦官石顕を誹る童謡/宦官石顕をあざ笑う童謡/政君の神秘的生誕/感生帝説/際だつ赤い縁取り/酒好きの太子と、音楽好きの王と/侍中史丹/五侯の歌/黄土塵/井水の童謡/二羽の燕の童謡/邪径の謌謡

◆第五章 前漢末・王莽新から後漢初の童謡──空白の二十年
極悪非道の王莽像/更始帝を愚弄する童謡/隗囂をあざ笑う童謡/蜀の童謡/★(テキ)氏を恨む童謡/黄鵠/空白の二十年/怪異現象/空白の意味するもの

◆第六章 後漢の童謡──隆盛期
外戚と宦官の抗争/李固と杜喬を悼む童謡/外戚から宦官へ/梁氏殲滅を願う童謡/桓帝の死を予言し、霊帝を笑う童謡/桓帝から霊帝へ/災害異変も助長

◆第七章 後漢末の童謡──躍動期
宦官を愚弄する童謡/「党錮の禍」に抗議する童謡/清流派を称える童謡/清流派に期待を寄せる童謡/竇武を称える童謡/期待から絶望へ/霊帝をうたう童謡/献帝をうたう童謡/董卓をあざ笑う童謡/董卓を呪い殺す童謡/公孫★(サン)を恨む童謡/劉表を嘲笑する童謡

◆第八章 火星の使者がうたう童謡──展開期
国家占星術/五惑星/★(ケイ)惑(火星)/災異説/★(ケイ)惑の神秘化/★(ケイ)惑と童謡/★(ケイ)惑の精の降臨/禁圧できない童謡/七言律詩「元宵」

あとがき
漢代外戚関係図
索引

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