中国の復讐者たち

ともに天を戴かず

中国の復讐者たち
著者 竹内康浩
ジャンル 書籍 > アジア・漢学/漢字文化 > あじあブックス
シリーズ あじあブックス
出版年月日 2009/06/19
ISBN 9784469233070
判型・ページ数 四六・208ページ
定価 1,760円(本体1,600円+税10%)

内容

「復讐殺人」には孔子のお墨付きがあった!

「屍に鞭打つ」伍子胥の復讐物語に始まり、母や幼い子供による仇討ち、死のツボを突く拳法の達人への復讐依頼、さらには犬や牛の恩返しまで──。中国史に刻まれた無数の仇討ちの記録を紹介し、その底にある〈復讐〉の本質を、道徳・思想・政治・法律など、さまざまな観点から探ってゆく。

目次

はじめに

I 有名復讐譚
  復讐の物語
  1 伍子胥の場合
    発端――父と兄の誅殺/復讐――怨み骨髄に徹す/結末――死んでも止まぬ怒り/伍子胥の評価
  2 予譲の場合
    発端――主家の滅亡/執念の襲撃――報告は黄泉の国で/否定的評価
  3 呂母の場合
    発端――愛息の誅殺/復讐、その後――「少年」たちとともに
  4 孫★(そんぴん)の場合
    発端――「友」の奸計/復讐――「この樹の下にて死なん」/苦いエピローグなど
  有名復讐譚の見方
II 道徳としての復讐
  復讐を支える根拠/不倶戴天の仇/復讐の有効期限/孝道としての復讐
III 歴代復讐譚
  復讐は暴力である
  1 復讐までの長い道のり
    幼少期を堪え忍んで/少年犯罪ではない/苦節二十七年
  2 女性の仇討ち
    細腕を血に染めて/戦場の猛女/誰も知らない心の中
  3 復讐の代理人
    得難き友/復讐代行者=遊侠/秘孔を突く暗殺拳
  4 徒党を組んでの仇討ち
  5 流血の大惨事
    惨殺!/一家皆殺し
  6 仇討ち失敗の例
  7 そもそものきっかけ
    父の死という重大事/予期せぬトラブル/名誉を守るため
  8 動物の恩返し
  復讐の肖像
IV 官の対応
  礼と刑の矛盾/唐代の復讐に関する三人の論/三人の議論の背後にあるもの/復讐を禁じる/復讐対策の明文化以後
V 復讐を超えて
  なぜ、復讐するのか/穂積陳重『復讐と法律』/復讐への共感/復讐しなければならない理由/人の道としての殺人/復讐のこれから

参考文献
あとがき

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