古代の音韻と日本書紀の成立

古代の音韻と日本書紀の成立
著者 森博達
ジャンル 書籍 > 日本語・日本文学・日本語教育・国語教育 > 国語史・方言
出版年月日 1991/07/01
ISBN 9784469220810
判型・ページ数 A5・410ページ
定価 6,050円(本体5,500円+税10%)

内容

『日本書紀』成立の謎を解く!

日本書紀は、その半分を、当時渡来の中国人が書いていた……この衝撃的な事実を、万葉仮名として用いられた漢字を精細かつ徹底的に分析し尽くすことで証拠づけることに成功した画期的発見。日本書紀の字音についての著者の長年の研究は、書紀の文体をα群とβ群の2群に分別することに成功し、さらにα群の執筆が唐代の純粋な中国人によるものであることを解明した。

目次

内篇 上代日本語の音韻と『日本書紀』の成立過程

第一章 序説
 第一節 上代日本語音価推定の材料と方法
 第二節 本書の構成
第二章 『日本書紀』α群原音依拠説
 第一節 有坂秀世氏の「万葉仮名倭音依拠説」
 第二節 「倭音説」の三論拠と『日本書紀』の万葉仮名
 第三節 漢字韻類と日本語『列音』
 第四節 漢字声類と日本語「行音」
 第五節 まとめ
第三章 中心音論
 第一節 ア列
 第二節 エ列
 第三節 イ列
 第四節 オ列
 第五節 ウ列
 第六節 まとめ
第四章 頭音論
 第一節 はじめに
 第二節 清濁
 第三節 五音
 第四節 まとめ
第五章 アクセント論
 第一節 アクセントの反映
 第二節 声調の偏在
 第三節 まとめ
第六章 両群の仮名表記の性格
 第一節 平山久雄氏による原音説批判
 第二節 α群中国人表記説
 第三節 β群の仮名表記の経緯
第七章 歌謡と訓注および本文との関係
 第一節 訓注区分論
 第二節 歌謡と本文との関係
 第三節 文章から観た『日本書紀』の成立過程

資料篇 『日本書紀』歌謡および訓注の仮名

第一章 作業用原本
第二章 仮名分布表
第三章 群別仮名漢字音対照一覧表

外篇 隋唐時代の漢字音

第一章 隋唐字音概説
 第一節 中古音概説
 第二節 唐代北方音
第二章 重紐をめぐる二、三の問題
第三章 中古重紐韻舌歯音字の帰類
第四章 『玄應音義』における三等韻の分合について
第五章 『大唐西域記』における止摂諸韻の音訳漢字について
第六章 武玄之『韻詮』の岑韻について
第七章 日本漢音について

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