月刊言語2008年10月号

[例解]日本語の条件表現──言語に「もし」がなかったら?

月刊言語2008年10月号
ジャンル 雑誌 > 月刊言語(休刊)
出版年月日 2008/09/14
雑誌コード 4081000
判型・ページ数 A5・128ページ
定価 1,026円(本体933円+税10%)
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内容

日本語の条件表現は様々な形式と意味機能をもち、歴史的・地理的にも変化を見せる豊かでダイナミックなトピックであり、多彩な研究が成果を挙げてきた。そもそも条件表現は言語や思考の論理性と密接に絡む普遍性を有する。そんな条件表現のふるまいの分析から、普段の何気ない会話や判断に潜む因果関係が明らかになる。さらには条件づけること自体が、ヒトの根源的な認知構造と繋がる可能性さえ予感される。

目次

「もっと時間があったら、時間さえあれば…」――条件の「たら」と「ば」(前田直子)
「なめたらあかん」――条件表現史からみる否定的当為表現の推移(矢島正浩)
「そこに車を止めればダメです」――標準語と方言の意味のずれ(日高水穂)
「最近の若者ときたら…」――話者の思考と属性叙述(岩男考哲)
「この壷を買えば、運勢が上昇する」――この壷を買わなければ、運勢が上がらない?(西村香奈絵)
「みだりに車外に出ると危険です」――[ト]の事象性にみる結果思考と公共意識(田中 寛)
「あなたがそう言うから/なら別れることにするわ」――理由も条件も同じコインの裏表(有田節子)

【巻頭エッセイ】
美術を語るということ(宮下規久朗)
「旅する本」で世界中を図書館に(財津正人)
身体記憶の謎(粉川哲夫)

【連載】
●ラングスケープ――言語研究の動向《7》
  言語の起源・進化研究をめぐって(池内正幸)
●私のフィールドノートから《22》
  幸喜方言(狩俣繁久)
●言語学者の道具箱《10》
  Praatで音声を可視化する《4》 音声分析と自動化(北原真冬+田嶋圭一)
●神話する身体《10》
  形のない身(安田 登)
●バベルの呼び声《10》
  多言語状況への分岐(一)(上農正剛)
●専門語ワンダーランド《10》
  大数法則(影浦 峡)
●adワード・ウォッチング《58》(岩永嘉弘)
●チャレンジコーナー(野田春美)
●亀井肇の新語・世相語・流行語《91》(亀井 肇)

【特別記事】
〈日本言語学会第136回大会〉報告(風間伸次郎)
敬語と主観性(中)――敬語の発話行為性(中右 実)

【口絵】
現代美術のアナザースペース《10》
  事物と心の接点を示すドローイング――伊藤 存(松井みどり)


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