コミュニケーション・スタディーズ入門

内容

「コミュニケーション力」を身につけるために

「21世紀の情報社会を見すえたコミュニケーション学」をテーマに、社会学、哲学、レトリック論、経営学など多角的な視点から、情報コミュニケーションの分析の方法論を明示する。コミュニケーション学の知識の説明にとどまらず、それを現実社会の場面でどう活用すればよいかというコミュニケーション力の育成も目指す。

目次

第1部:ものの見かた編

序章 コミュニケーション的有能さ (鈴木 健)
 はじめに
 コミュニケーション的有能さとは何か
 コミュニケーション的有能さの研究アプローチ
 協同学習のすすめ

第1章 説得コミュニケーション・コンピテンス:
     現代社会において承諾を得るための能力 (鈴木 健)
 1.1 説得とは何か
 1.2 説得コミュニケーションの歴史
 1.3 説得コミュニケーションの主要理論
 1.4 説得とユーモア
 1.5 説得の前提1:8つの「秘密の必要性」
 1.6 説得の前提2:文化的前提
 1.7 まとめ

第2章 対人と談話のコミュニケーション (石川邦芳)
 2.1 人と関わる能力
 2.2 対人コミュニケーションを構成するもの
 2.3 談話とコミュニケーション
 2.4 情報伝達の構造

第3章 社会とコミュニケーション (出口剛司)
 3.1 「社会」についての2つの見方
 3.2 『ほしのこえ』と失われる <社会> のリアリティ
 3.3 コミュニケーションと自己の「中」にある <社会>
 3.4 コミュニケーションと自己の生成メカニズム
 3.5 コミュニケーションと自己と他者たちの「間」にある <社会>
 3.6 コミュニケーションによる <社会> の再生産
 3.7 <社会> を(再)構築するコミュニケーション

第4章 メディアとコミュニケーション (大黒岳彦)
 4.1 コミュニケーションとメディア
 4.2 メディア技術と社会
 4.3 マスメディアとコミュニケーション
 4.4 マスメディアパラダイムからネットワークメディアパラダイムへ

第2部:実践編

第5章 組織コミュニケーション・コンピテンス
     組織とメンバーの高パフォーマンスを導く能力 (山口生史)
 5.1 組織コミュニケーションとコンピテンス
 5.2 組織コミュニケーション・コンピテンスの定義と分類
 5.3 組織コミュニケーション・コンピテンスの効果
 5.4 コンフリクトに対処するコミュニケーション・コンピテンス
 5.5 チームを活かすファシリテーションとコーチングのコンピテンス
 5.6 まとめ

第6章 異文化間コミュニケーション (根橋玲子)
 6.1 異文化間コミュニケーション・コンピテンス
 6.2 文化スキーマ
 6.3 文化とアイデンティティ
 6.4 異文化との出会い
 6.5 まとめ

第7章 ジェンダーとコミュニケーション (田中洋美)
 7.1 ジェンダーとは何か
 7.2 男女間のコミュニケーション問題と女性による異議申し立て
 7.3 公私分離とジェンダー:公的領域への女性の参加と私的領域への男性の関わり
 7.4 女性の連帯と女性同士の相互理解の難しさ
 7.5 「男」/「女」の二文法を越えたジェンダー・アイデンティティとそれゆえの生きにくさ
 7.6 おわりに:ジェンダー・コミュニケーションと共有された意味の創造に向けて

第8章 社会ネットワークとコミュニケーション (中里裕美)
 8.1 社会ネットワークとコミュニケーション
 8.2 社会ネットワークによる行為の制約と、その力の活用
 8.3 社会ネットワークの力とその源
 8.4 社会ネットワークの力を活用する能力
 8.5 まとめ

キーワード解説
あとがき
索引

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