6 成長する英語学習者

学習者要因と自律学習

6 成長する英語学習者
著者 大学英語教育学会 監修
小嶋英夫 編集
尾関直子 編集
廣森友人 編集
ジャンル 書籍 > 英語教育 > 英語教育
シリーズ 英語教育学大系
出版年月日 2010/10/01
ISBN 9784469142365
判型・ページ数 A5・288ページ
定価 3,520円(本体3,200円+税10%)

目次

「英語教育学大系」刊行にあたって
まえがき

第1章 学習者の研究からわかること――個別から統合へ

1.学習者要因――変わりにくいものと、変わりやすいもの
1.1 変わりにくい要因/1.2 変わりやすい要因

2.学習者の器に戻す――学習者要因間に見られる関係性
2.1 メタ認知的な部分/2.2 情動的な部分/2.3 行動的な部分/2.4 目標への指向性

3.環境的な部分との関わり合い
3.1 文化・社会的な影響/3.2 学習支援面での影響/3.3 発達段階的な影響/3.4 言語能力の影響

4.研究手法の展開
4.1 質問紙法の利用/4.2 日記法・ポートフォリオ法の利用/4.3 インタビュー法の利用/4.4 発話思考法の利用/4.5 直接的手法の利用/4.6 研究手法の複線化に向けて

第2章 学習者の多様性――学習スタイル

1.学習者要因としての学習スタイル
1.1 万能薬的学習法の探究から個人差の解明へ/1.2 「よい学習者」研究と学習者要因/1.3 学習者要因モデルの構築/1.4 学習スタイルの定義と分類/1.5 学習スタイル研究の理念

2.外国語学習に関連する学習スタイル
2.1 性格/2.2 認知スタイル/2.3 感覚性向;視覚型―聴覚型―体験型/2.4 その他の学習スタイル

3.学習スタイルの対立
3.1 学習スタイルの違いによるさまざまな対立/3.2 学習スタイルの対立の緩和の方法
4.学習スタイルの測定
4.1 測定方法/4.2 学習スタイルに関する視点/4.3 教師・学習者が学習スタイルを知る意義

第3章 動機づけ研究の観点から見た効果的な英語指導法

1.「動機」(motive)に関する研究と教育実践的示唆
1.1 社会心理学的なアプローチを背景とする研究/1.2 教育心理学的なアプローチを背景とする研究/1.3 新たな展開を志向した研究/1.4 教育実践的示唆について

2.「動機づけ」(motivation)に関する研究と教育実践的示唆
2.1 動機づけの発達・変化に焦点を当てた研究/2.2 動機づけのプロセスに影響を与える要因/2.3 教育実践的示唆について

3.「動機づける」(motivate / motivating)に関する研究と教育実践的示唆
3.1 動機づけストラテジーの理論的枠組み/3.2 動機づけストラテジーに焦点を当てた実証研究/3.3 教育実践的示唆について

第4章 学習ストラテジーとメタ認知

1.「学習ストラテジー」とは何か
1.1 学習ストラテジーの定義と特徴/1.2 あいまいな学習ストラテジーの定義に対する批判/1.3 ティングらの学習ストラテジー研究に対する批判

2.学習ストラテジーの分類
2.1 初期の学習ストラテジー研究/2.2 オックスフォードの分類とオマリーとシャモーの分類/2.3 マカロの学習ストラテジーのクラスター

3.学習ストラテジーのデータ収集法
3.1 言語報告の分類と特性的・状態的ストラテジー/3.2 特性的学習ストラテジーとSILL
3.3 状態的学習ストラテジーと直後内観/3.4 状態的学習ストラテジーと同時内観

4.学習ストラテジー指導に関する研究
4.1 リスニング・ストラテジーに関する研究/4.2 リーディング・ストラテジーに関する研究/4.3 スピーキング・ストラテジーに関する研究/4.4 ライティング・ストラテジーに関する研究/4.5 語彙ストラテジーに関する研究

5.学習ストラテジー指導とメタ認知
5.1 学習ストラテジー指導の目的/5.2 自律した学習者、メタ認知、生きる力/5.3 メタ認知を持った学習者の重要性

6.学習ストラテジー指導を取り入れた授業
6.1 学習ストラテジー指導の形態/6.2 メタ認知に重点を置いた学習ストラテジー指導法:シャモーのメタ認知モデル/6.3 CALLAの5段階アプローチ/6.4 メタ認知重視の学習ストラテジー指導の例

第5章 コミュニケーション能力育成のための方略指導

1.コミュニケーション方略(CS)研究の理論と問題点
1.1 L2学習者が使う方略――言語学習ストラテジーとCS/1.2 方略的能力(strategic competence)/1.3 CSの指標

2.CSの指導についての議論
2.1 CS指導の是非/2.2 CS指導によって期待される効果

3.理論から実践へ――CS研究の応用
3.1 CSシラバスと指導タスク/3.2 CSの測定と評価/3.3 CS指導教材/3.4 CSの指導に向けた今後の課題

4.CS指導と学習者の言語使用者としての自律

第6章 学習者と指導者の自律的成長

1.言語学習における学習者オートノミー
1.1 学習者オートノミーとは何か/1.2 学習者オートノミーと異文化

2.言語教授における教師オートノミー
2.1 教師オートノミーとは何か/2.2 学習者オートノミーとの相互関係/2.3 求められる指導者の役割

3.学習者オートノミー育成へのアプローチ
3.1 ポートフォリオによるアプローチ/3.2 メディアによるアプローチ/3.3 アクション・リサーチによるアプローチ

4.協働的・省察的学びの共同体
4.1 学びと協働/4.2 学びと省察/4.3 協働的・省察的授業の実践例

第7章 学習者の自己省察・自律を促すポートフォリオ

1.ポートフォリオとは
1.1 成立背景と目的/1.2 ポートフォリオの種類

2.教授学習手段としてのポートフォリオの位置づけ
2.1 教師教育のためのポートフォリオ/2.2 第二言語習得のためのポートフォリオ

3.自己省察・自律による学習効果とポートフォリオ使用の理論的根拠
3.1 ヴィゴツキー発達理論/3.2 ヴィゴツキー発達理論の現代的解釈から/3.3 英語教育への応用/3.4 まとめ

4.ポートフォリオを組み込んだ英語教育の実施へ向けて――事例研究
4.1 日本における導入に向けての事例検討/4.2 ポートフォリオ・プログラム実現化に向けての考察

第8章 学習者の自律を支援するセルフアクセス学習

1.セルフアクセス学習センターとは
1.1 セルフアクセス学習センターの構成要素/1.2 教材/1.3 SALCでの活動

2.セルフアクセス学習と学習者オートノミーの関係
2.1 学習理念/2.2 学習者ディベロプメント/2.3 アドバイジング・サービス/2.4 協働、相互依存、インタラクションの機会/2.5 英語カリキュラムとの関係/2.6 学生のSALC運営への関与

3.セルフアクセス学習の評価
3.1 セルフアクセス学習センターの評価/3.2 学習成果の評価

4.セルフアクセス学習センターを設立する際の留意点
4.1 教員と学校経営者の支持/4.2 物理的なスペースの確保/4.3 予算/4.4 学生のニーズ分析/4.5 語学カリキュラムの分析/4.6 スタッフの教育

第9章 大学英語教育への応用

 1.「学習者指導」の展開に向けて
 2.多様な学習スタイルへの対応に向けて
 3.大学英語教育と動機づけ研究
 4.大学英語教育と学習ストラテジー指導
 5.コミュニケーション方略指導が大学英語教育に果たす役割
 6.学習者と指導者の自律を育む大学英語教育
 7.ポートフォリオを使用した大学英語教育実現に向けて
 8.セルフアクセス学習と大学英語教育

Abstract in English
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