ルイス・キャロルの意味論

ルイス・キャロルの意味論
著者 宗宮喜代子
ジャンル 書籍 > 言語・言語学 > エッセイ
出版年月日 2001/12/20
ISBN 9784469212686
判型・ページ数 四六・256ページ
定価 2,530円(本体2,300円+税10%)

内容

言語学で読み解く「アリス」の世界

非誕生日の贈り物って何? “I see nobody on the road”は「『無人』が見えた」? 『アリス』の中で繰り広げられるハンプティー・ダンプティー、白のナイト、赤のクイーンらの不可思議な会話。今なお読者を魅了する、「アリス」のナンセンスの世界には、どんな意味があるのか?本書は、著者キャロルを古典論理学者としてとらえなおし、論理学、意味論、語用論的にアリスの世界を解読する。当時と現代との比較により、キャロルのナンセンスのもつ歴史的意味も浮かび上がってくる。

目次

【第1部 論理学】

第1章 古典論理学者としてのキャロル
 1.1 認知科学の起こり
 1.2 ハンプティー・ダンプティーの名辞論理学
 1.3 アリストテレスの3段論法
 1.4 キャロルのダイアグラムとヴェン図
 1.5 キャロルの「アキレスと亀」論文:3段論法に潜む無限退行の落とし穴
 1.6 2値論理

第2章 現代の記号論理学
 2.1 命題論理学
 2.2 真理条件
 2.3 述語論理学
 2.4 「主語・述語」の文法と論理

【第2部 意味論】

第3章 意味論者としてのキャロル
 3.1 超素朴実在論:実体と属性の意味論
 3.2 語義の必要十分条件
 3.3 白のナイトと歌の名前
 3.4 ジャバウォッキーの詩:第1種のナンセンス
 3.5 懐中時計を持ったウサギ:第2種のナンセンス
 3.6 赤のキングの夢:第3種のナンセンス
 3.7 キャベツと王様:第4種のナンセンス

第4章 現代の意味論
 4.1 名前には意味があるのか
 4.2 ソシュールの構造主義
 4.3 意味関係分析
 4.4 成分分析
 4.5 形式意味論と認知意味論

【第3部 語用論】

第5章 語用論者としてのキャロル
 5.1 1日おきのジャム:文脈ということ
 5.2 首はね論争:前提ということ
 5.3 自分から話しかけてはいけない:社会の規則

第6章 現代の語用論
 6.1 「外圧」でできた語用論
 6.2 フェイス

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