3 ことばの障害の評価と指導

内容

第1にST養成機関でのテキストとして、第2に臨床・保育・教育現場で発達障害児に日々かかわる方々のことばについての疑問に応える参考書として企画された一冊。テキストとして本シリーズを読む場合、シリーズ第1・2巻を理論編とすると、本巻は実際の問題を扱う応用編となる。現場での参考書として読む場合は、ことばの指導についての方法論を up-to-date な情報も含めて提供するとともに、家庭、保育、学校、良行く現場など、子どもが置かれた環境に根差した支援の実際について、その問題と共に省みる。

目次

【I ことばの発達の評価】
評価について

第1章 前言語期の言語発達と評価
 1.社会的相互作用の発達
 2.認知機能と象徴機能の発達
 3.コミュニケーション手段の発達
 4.始語の開始と語彙の増加
 5.評価について

第2章 語彙・構文の発達と評価
 1.2語文の準備
 2.2語文の表出
 3.2語文からの多語文期へ
 4.構文の評価
 5.言語発達障害児の構文発達
 6.言語障害の機序を探る

第3章 学童期の言語発達と評価
 1.ことばの意味の発達
 2.統語の発達
 3.語用の発達
 4.読み書きの発達


【II ことばの発達障害の指導法】
指導法について

第4章 認知・言語的アプローチ
 1.認知能力と言語獲得
 2.認知・言語的アプローチの基本的考え方
 3.具体的指導法

第5章 語用論的アプローチ
 1.語用論的アプローチとは何か?
 2.広い語用論:子どもの言語学習によい影響を及ぼす
 3.狭い語用論:語用能力障害へのアプローチ
 4.言語指導の技法と語用論

第6章 補助代替コミュニケーション[理論編]
 1.AACとは何か
 2.AACの基本要素
 3.理想的なエイド利用の条件:AACにおけるコミュニケーション
 4.問題行動とAAC:心理学における最近の研究知見から

第7章 補助代替コミュニケーション[実際編]
 1.AAC手段の習得:症例1
 2.AAC手段の活用:症例2
 3.相互作用の拡大と質的充実:症例3
 4.生活環境の変化への対応:症例4

第8章 自閉症の子どもへのコミュニケーション支援
 ――TEACCHの手法を中心に――
 1.TEACCHとは
 2.構造化された指導:意味理解の援助
 3.コミュニケーションにおける理解の促進
 4.コミュニケーションにおける表現の拡大

第9章 脳性まひ児へのコミュニケーション支援
 ――ボバース法を中心に――
 1.ボバース法の治療概念
 2.ボバース法の治療の基本原則
 3.評価から治療プログラムの立案へ
 4.言語治療の実際

●コラム●
 行動療法
 インリアル・アプローチ
 遊戯療法
 マカトン法
 伝達場面設定型指導法


【III 支援の実際】

第10章 保育園での支援
 1.ことばの獲得の場としての保育園
 2.保育園における発達支援の多重構造

第11章 学校:ことばの教室での支援
 1.「ことばの教室」とは
 2.配慮を要する児童の発見:学校全体の取り組み
 3.ことばの教室での対応
 4.学年によることばの問題
 5.事例:小学校2年生女児A

第12章 専門療育機関での支援
 1.発達障害の早期発見・早期療育
 2.発達障害を理解する
 3.どこから療育を始めるか?
 4.生きたコミュニケーション能力の獲得

第13章 家族への支援
 1.何が言語発達障害の改善をもたらしているか
 2.発達の遅れをもつ子どものいる家族
 3.援助をどうおこなうか

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