内容
発話の「真の」意味を理解するために
場面やコミュニケーションの文脈に即してことばの意味を理解しようとする「語用論」。本書は、最新の関連性理論を解説しつつ「語用論」の本質を平易に解き明かす入門書である。日本語での例文を多く用い、初級者にもわかりやすい記述がなされている。
目次
まえがき
第1章 語用論とは何か
1 「文」と「発話」
2 三つの「意味」
3 語用論の目標
第2章 関連性理論
1 発話・推論・コンテクスト
2 関連性の原理I
3 関連性の原理II
4 「伝達」とは何か?
4-1 「ことばだけによる伝達」は可能か?
4-2 ことば(言語形式)は万能ではない
4-3 何が伝達されるのか?
5 明意と暗意
5-1 暗意の強弱
5-2 高次の明意
5-3 推論とは何か
第3章 言語科学中での関連性理論
1 関連性理論と言語形式
1-1 平叙文・命令文・疑問文・感嘆文
1-2 否定文
1-3 法助動詞
2 関連性理論とレトリック
3 関連性理論と意味論
3-1 心理条件的意味論
3-2 非真理条件的意味論
4 生成文法との関係
4-1 生成文法
4-2 チョムスキーの語用論観
4-3 関連性理論の生成文法観
第4章 語用論の諸相
1 語用論略史
2 発話行為理論
3 グライスの語用論
4 「機能的」言語理論
4-1 認知言語学
4-2 機能的構文論
第5章 語用論のこれから
1 関連性理論の課題
1-1 明意と暗意
1-2 「意味確定度」再訪
2 “産出”語用論の可能性
参考文献
索引