2 現代日本のコミュニケーション環境

内容

新たな知の枠組みづくりに取り組むSFCスタッフによる入門書

「雄弁」を嫌う日本的コミュニケーションは、それ自体ひとつの文化であるが、現在の国際社会においてそのまま通用する物ではない。だが、日本人が英語を流暢に使いこなし、欧米型の言語表現で伝達すればよい、という考え方も短絡的な発想に過ぎない。シリーズ二冊目の本書では、日本特有のコミュニケーション環境、言語環境、異文化間コミュニケーション環境などの問題について考える。

目次

第1章 現代日本のメディアとコミュニケーション(関口一郎)
 1.現代日本社会におけるメディアとその諸問題
 2.現代日本社会における言語コミュニケーション環境
 3.外国人の見る日本の言語コミュニケーション環境
 4.現代の若者のコミュニケーション環境

第2章 外国人にとっての日本の異言語環境(平高史也)
 1.はじめに
 2.ブラジル出身移住者の言語ヴァラエティー
 3.ブラジル出身移住者の言語環境
 4.ブラジル出身移住者に対する言語教育
 5.外国人にとっての異言語環境と日本人にとっての言語環境

第3章 異文化コミュニケーションと態度(井下理)
 1.はじめに
 2.国際化をどう捉えるか
 3.異文化間コミュニケーションの構造
 4.異文化間コミュニケーションと態度の国際化
 5.異文化コミュニケーション能力とは
 6.今後の課題

第4章 日米の政治言説と誤解のメカニズム(鈴木佑治)
 1.はじめに
 2.言語の「法性」とは
 3.政治家の発言における「法性」の使い方
 4.言語の解釈と生成の仕組み
 5.日米誤解の分析

第5章 国際語としての英語(田中茂範)
 1.はじめに
 2.TESOL教育とバイリンガル教育
 3.言語規範の問題とSLA研究
 4.world Englishes と my English の視点
 5.core English としての「学校英語」
 6.おわりに

第6章 日本語の言語コミュニケーションの諸問題(関口一郎)
 1.日本語と“言語経済性”
 2.日本的コミュニケーションの図式
 3.“内円”と“外円”の世界

第7章 知のデモクラシーを実現するための日本語(井上輝夫)
 1.日本語は不幸な言語
 2.翻訳がもたらした日本語の変容
 3.コミュニケーションのための日本語の確立を

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