疫病の時代

疫病の時代
著者 酒井シヅ
立川昭二
藤田紘一郎
村上陽一郎
養老孟司
ジャンル 書籍 > ヨーロッパ文化・比較文化 > ヨーロッパ文化
出版年月日 1999/02/20
ISBN 9784469212297
判型・ページ数 四六・258ページ
定価 2,200円(本体2,000円+税10%)

内容

急速に広がり人々を倒し、それぞれの社会に計り知れない影響を与える病、疫病。限られた期間激しく広がり自然に消えていくもの、時をおいて繰り返しおこるもの、慢性の経過をとって時代を超えて続くものなど、さまざまである。疫病で病むのは個人であるが、その表象は社会に現れる。疫病はまたすべての病気が持つあらゆる問題を抱えている。本書では、疫病を過去の歴史としてではなく現在進行形で存在している病としてとらえ、疫学や医療史のほか科学や文化史など、さまざまな視点から考えた。

目次

[疫病と文明]
ヨーロッパの黒死病(村上陽一郎)
現代文明とエイズ(宗像恒次)

[疫病流行史]
古代日本人の病(鈴木隆雄)
近世社会とコレラ(酒井シヅ)
天然痘、その流行と終焉(深瀬泰旦)

[疫病の記号学]
創造される病<癩と性>(鈴木則子)
性病<江戸のエロス>(立川昭二)
佳人と天才の病<結核のロマン化>(福田眞人)

[<病>を考える視点]
寄生虫と感染症<病とその媒介生物の物語>(藤田紘一郎)
未来の感染症(養老孟司)

[コラム](小林武夫)
感染症と戦争
“チフスのメアリ”物語
昭和最大の食中毒事件

[付録]
疫病史略年表
明治以降の日本における法定伝染病
法定伝染病患者数の推移
法定伝染病死者数の推移
世界の新興感染症
1973年以降に認知された人と動物の「起因物質」と感染症
1976年以降に発見/確認された新興感染症

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