オオカミと神話・伝承

原題:Le Retour des Loups

オオカミと神話・伝承
著者 ジル・ラガッシュ
高橋正男
ジャンル 書籍 > ヨーロッパ文化・比較文化 > 伝承文学・口承文学
出版年月日 1992/04/01
ISBN 9784469243208
判型・ページ数 四六・250ページ
定価 2,200円(本体2,000円+税10%)

内容

オオカミのイメージ変化を追う

神話時代に崇められたオオカミも、キリスト教の拡大にともない、神の子=小ヒツジを食う悪魔としてのイメージを与えられた…、ペストの流行や戦争があると、オオカミの個体数は増え、フランス革命の時は、処刑された死体は消え去った…、など、神話時代から現代まで、オオカミと人のかかわりを、神話・伝承、寓話、文献により再構成する。

目次

序文

第一章 神々の仲間
 (1)オオカミと諸国の神話
 (2)オオカミとギリシア神話
 (3)雌オオカミとローマ建国
 (4)古代ローマのオオカミ信仰
 (5)「蒼きオオカミ」の子孫たち
 (6)オオカミとインディアン神話
 (7)オオカミと戦士たち
 (8)オオカミとスカンディナヴィア神話

第二章 オオカミとキリスト教
 (1)聖書のなかのオオカミ
 (2)悪魔にされたオオカミ
 (3)オオカミと修道者
 (4)オオカミと異端者
 (5)オオカミと畏敬

第三章 オオカミ人間とオオカミ使い
 (1)古代世界のオオカミ人間
 (2)キリスト教とオオカミ人間
 (3)オオカミつき
 (4)しっかり根づいたオオカミ人間の神話
 (5)悪魔のようなオオカミたち
 (6)ジェヴォーダンのベート
 (7)ベートとオオカミ狩猟家たち
 (8)恐ろしい森のなかの十字路
 (9)民間治療やお守りにされたオオカミ
 (10)オオカミ使い

第四章 オオカミと寓話
 (1)『キツネ物語』のルナールとイザングラン
 (2)イソップとファエドルスのオオカミ
 (3)イソップ以後の寓話のなかのオオカミ
 (4)ロクマンとインドの寓話のなかのオオカミ
 (5)シャルル・ペローの『赤頭巾ちゃん』
 (6)グリム兄弟の『赤頭巾ちゃん』
 (7)クリロフのオオカミとナポレオン
 (8)人間のことばを話す動物たち

第五章 オオカミと文芸
 (1)『赤頭巾ちゃん』の精神分析
 (2)教育に利用されたオオカミ
 (3)ウォルト・ディズニーのオオカミ
 (4)テックス・アヴェリのオオカミ
 (5)「あんたには私たちを食う権利はない」
 (6)菜食主義者になったオオカミ
 (7)オオカミと二人の社会派作家
 (8)人間の子供を守るオオカミ
 (9)オオカミと人間のゆるやかな和解

第六章 オオカミと人間の闘い
 (1)家畜をめぐるオオカミと農民の攻防
 (2)戦乱につきまとうオオカミ
 (3)狂犬病の悲劇
 (4)ばかげた狂犬病の民間薬
 (5)パストゥールと狂犬病
 (6)現代の狂犬病
 (7)数世紀にわたる闘い
 (8)オオカミ退治の残忍な方法
 (9)狩り立てから絶滅へ
 (10)オオカミ擁護者と反対派
 (11)聖職者の陰謀
 (12)アメリカのオオカミ

むすび

付録1 ヨーロッパへ、オオカミ再導入の試み
付録2 ヨーロッパ最後のオオカミ小ガイド

コラム
 農夫とオオカミ
 ユーグ・ル・ルー(オオカミ)
 動物変身への信仰
 貴族の妻
 老婆とオオカミ人間(日本)
 ウリッセスの部下たち
 オオカミに気をつけなさい、かわい子ちゃん
 一九一四年の赤頭巾ちゃん
 忠実か自由か?
 日本のオオカミ

訳者あとがき

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