水性文化と油性文化

水性文化と油性文化
著者 熊山晶久
ジャンル 書籍 > ヨーロッパ文化・比較文化 > 比較文化
出版年月日 1991/03/01
ISBN 9784469243031
判型・ページ数 四六・234ページ
定価 2,200円(本体2,000円+税10%)

内容

自らの体験とインタビューを基に、日米の文化を分析し、「日本人の謙譲の美徳は逆効果」「アメリカ人の根回し」など、興味深い事実を明らかに。

目次

はじめに

序章
 文化の概念
 類似性を持った文化
  アメリカ文化とカナダ文化
  日本文化と韓国文化
 油性文化と水性文化
  油性文化と水性文化のまじわり

第一章 異文化接触
 油性文化と水性文化が触れ合う時

第二章 水性文化と油性文化の特徴
 A.ハイコンテキストの文化
   ローコンテキストの文化
 B.コミュニケーション
 C.社会的構成
 D.価値観

第三章 結婚観と離婚観
 ローコンテキストの文化とハイコンテキストの文化
 一九五〇年代の油性文化における結婚観
 油性文化でのCEOの結婚観
 CEOの結婚観を要求すると
 夫と妻のイメージの変化

第四章 「察し」と「思いやり」
 ビジネス交渉での問題点
 水性文化と油性文化の融合

第五章 水性文化と油性文化の価値観
 水性文化の価値観――謙譲の美徳
 油性文化と謙譲の美徳
 Thank you.でも謙譲でもない表現
 油性文化でのエチケット
 会話の運び方のちがい
 ノンバーバル(非言語的)表現
 褒められたいのは子供だけでない
 個人の意見を尊重する油性文化
 謙譲の美徳と称賛の美徳の話法
 水性文化から油性文化のコミュニケーションを見ると

第六章 時間の観念
 油性文化と時間の次元
 水性文化と時間の次元
 油性文化における「現在」と行動
 水性文化における「現在」と行動
 三つの時間の次元と生活模様
  過去の次元と生活模様
 油性文化は過去の次元に重点を置かない(一)
 油性文化は過去の次元に重点を置かない(二)
  品質管理について
 油性文化は過去の次元に重点を置かない(三)
  サービスの尺度のちがい
 時間の次元と日常生活
  テニュア・システム
 油性文化が過去の次元を重視する場合
  クレジットカードと時間の次元
 クレジットカードの使い方
 油性文化にも節約の時があった

第七章 水性文化と油性文化におけるコミュニケーション
 言語
  日本語の特徴
  英語の特徴
 通訳の役割
  通訳には専門知識が必要である
 通訳は言葉を訳すだけではない
 通訳の心得――まとめ
 水性文化の人と英語の上達
  ステージ6でもまだ十分ではない
  コミュニケーションの技(一)――ファーストネームで呼ぶ
  コミュニケーションの技(二)――ユーモア
 学会やシンポジウムでの発表
  70パーセントから80パーセントは既知の情報
  最近の研究テーマの傾向
  研究発表の準備
  発表にはリズムがある
  発表中の態度
  学会などでの評価表
 油性文化と水性文化のアドヴァイス
 油性文化と根回し

第八章 我慢
 我慢・辛抱も日・米で異なる
  水性文化の辛抱の背景
  油性文化と辛抱

第九章 学歴と就職
 油性文化の大学教育
  学士課程(bachelor)学生の専攻分野
  修士課程(master)学生の専攻分野
  博士課程(doctor)学生の専攻分野
 アメリカのビジネススクール
 アメリカン国際経営学大学院の概要
  一九八七~一九八八年におけるアメリカン国際経営学大学院の
    就職調査報告
 アメリカの大学における日本語の位置
  アメリカン国際経営学大学院の日本語カリキュラム
  日本語を勉強する時間
  日本語は油性文化の人には非常に難しい
  外国語の上達と期待される文化理解の度合い
 ビジネススクール間の競争
  ビジネススクールは卒業が難しくなっている

第10章 水性文化の国際化
 「国際化」
  異文化の中での生活
  欧米で教育を受けた人が求められるようになってきた
  「経済大国」日本
  異質なものは排除する水性文化の教育
  油性文化の教育における多様性と柔軟性
  油性文化の教育の欠点
  水性文化の教育の変革
  水性文化の歩む道

あとがき

ジャンル