英語の論理・日本語の論理

対照言語学的研究

英語の論理・日本語の論理
著者 安藤貞雄
ジャンル 書籍 > 英語・英語学 > 日英対照研究
大学テキスト > 英語学 > 英語学・英文法
出版年月日 1986/07/01
ISBN 9784469240931
判型・ページ数 四六・320ページ
定価 1,980円(本体1,800円+税10%)

内容

欧米の社会・文化では、〈個の論理〉が中心であるのに対して、日本では〈集団の論理〉が支配的である。本書は、文化の相違は言語の相違と深く関係する……という立場にたち、日英両語の、言語事象の対象研究から、比較文化論に及ぶ。

目次

第1章:日本語の特質
 類型論的な特徴
 日本語の倫理性
 日本語の体系性

第2章:語彙の比較
 単語と語義の対応関係
 色彩語彙の比較

第3章:語順の比較
 OV言語とVO言語
 語順の比較

第4章:文構造の比較
 序論
 単文の構造
 複文の構造

第5章:音韻体系の比較
 音素の比較
 音節の比較
 アクセントと強勢の比較
 音調の比較
 結論

第6章:文字体系の比較
 文字の種類と機能
 漢字の運命について

第7章:主語と主題
 序論
 「ハ」の機能について
 「ガ」の機能について
 旧情報と新情報
 結論

第8章:テンスとアスペクト
 はじめに
 テンスとアスペクト
 ル形とタ形
 「テイル」と「テアル」
 まとめ

第9章:ダイクシスの比較
 概念規定
 場所のダイクシス
 その他のダイクシス
 ダイクシスの歴史的発達
 ‘come/go+C’と「テクル/テイク」
 結論

第9章:社会言語学と翻訳
 翻訳行為の定義
 テクストの2種類
 翻訳に対する2つの基本的態度
 言語の変種
 形式的対応のずれ
 翻訳可能性の限界
 2、3の具体的な問題
 翻訳の理想像

第11章:表現構造の比較
 はじめに
 〈スル的〉な言語と〈ナル〉的な言語
 人称構文と非人称構文
 〈持ツ〉言語と〈アル〉言語
 無生物主語と副詞表現
 人間中心表現と状況中心表現
 終わりに

第12章:個の論理と集団の論理
 はじめに
 個の論理 vs. 集団の論理
 2元論理 vs. 全体観的思考様式
 積極的 vs. 消極的な行動様式
 自己主張の文化 vs. 自己滅却の文化
 人間関係の非連続 vs. 連続
 人間と動物の非連続 vs. 連続
 征服すべき自然 vs. 服従すべき自然
 結び

引用文献
索引

ジャンル