内容
物事の差異、話し手の微妙なニュアンスを表す程度表現の要点解説
言語をもって自然の複雑さに対処する上で、程度表現がいかに重要であるかは改めて言うまでもないであろう。英語の程度表現は、構造的にも意味的にも、そして個々の語句の個性の点においても、日本語には見られない豊かな世界を形成している。本巻は、近年大きな進展があったこの分野での研究成果を踏まえて、英語の程度表現の全体像を、その骨格と細部の両方に注意しながら描こうとするものである。各種の程度表現は、どのような規則性の下に組み立てられ、どのような環境に現れるのか、程度表現を含む各種構文は、正確にはどのような意味を持ち、どのように生成できるのか、「段階性」「中立性」「会話の含意」等の概念はどのような事象にかかわるのか否定は程度表現にどのように作用するのか、等々の、程度表現の構造と意味に関する様々な根本的問題を活買うと同時に、個々の語句の用法についても、共起制限をはじめとする首首の重要な特徴に光を当てる。