内容
ポカホンタスからトランプまで、人物に焦点をあて、いきいきと描くアメリカ史
トランプ大統領を生んだアメリカ。アメリカとはどのような国なのか。何がアメリカを動かし、形づくってきたのか。入植者と出会った先住民から現代の大統領まで、時代に影響を与えた人々の人生の物語を通して浮かび上がるアメリカの本質。歴史的視座からアメリカをとらえると、見えてくるのはどのような姿か。アメリカへの理解を深める興趣尽きない読み物。
目次
まえがき
アメリカ略地図
第一章 ポカホンタス――征服された新天地の象徴
欲望の大西洋/出会いから対立へ/ジョン・ロルフと悪魔の草/死の旅路ロンドン/疫病神との遭遇
第二章 アン・ハッチンソン――異議申し立ての系譜
ピューリタニズムの流れ/湾岸植民地とハッチンソン/ピューリタンのなかの異端者たち/多様性の統合
第三章 トマス・ジェファソン――アメリカ独立宣言の起草者
モンティチェロ/イギリス帝国との対立/バージニアからパリへ/政治中枢での駆け引き/モンティチェロから大統領府へ/バージニア大学
第四章 ハリエット・タブマン――逃亡奴隷に居場所を用意した女性
奴隷としての出自/南部と北部/北極星の導き/タブマンによる救出活動/ジョン・ブラウン/戦うタブマン/戦後の人生
第五章 メリー・B・エディー――金ぴか時代の治癒方法
伝統社会の変貌/遠くの雷鳴/放浪の生活/転倒事件と気づき/宗教への転換
第六章 ジョン・D・ロックフェラー――豊かなアメリカを作りあげた「強盗貴族」
石油産業への着目/賃金労働者の群れ/社会進化論という言い訳/晩年の慈善事業
第七章 セオドア・ローズベルト――二〇世紀を形づくった大統領
市場との対決/自己鍛錬/偶然がつくった大統領/ローズベルトの革新主義/自然保護/ニュー・ナショナリズム/バラの花の高貴な任務
第八章 チャールズ・A・リンドバーグ――機械と共存した英雄
正常な状態にもどろう/ジャズエイジ/大西洋横断飛行/第二次世界大戦
第九章 フランクリン・D・ローズベルト――パックス・アメリカーナをもたらした大統領
経済崩壊/大統領としての使命感/ハイドパーク生まれの勇気/最初の一〇〇日/ニューディールII/ニューディールIII/ローズベルトの足跡
第一〇章 チャーリー・チャップリン――繁栄の時代の反逆児
アメリカン・ドリーム/深刻なことは聞きたくない/反共産主義のヒステリー/アメリカとの決別/無難な社会
第一一章 ジョン・F・ケネディ――期待に満ちた時代の若い大統領
アイリッシュの父親/テレビの時代/大統領ケネディ/われわれはケネディに続く/アーリントン国立墓地
第一二章 ベティ・フリーダン――対抗文化運動のうねり
名前のない問題/ベトナム反戦運動/ブラック・パワー/ラディカル・フェミニズム/穏健派のフリーダン
第一三章 リチャード・M・ニクソン――多様性の時代に立ち向かった大統領
辞任した大統領/冷戦の英雄/副大統領ニクソン/変身したニクソン/ウォーターゲート事件
第一四章 バラク・H・オバマ――希望を信じ忍耐を貫いた黒人大統領
肌の色に目覚める/ホワイトハウスの黒人大統領/沈着な大統領/ただ存在するという哲学
第一五章 ドナルド・J・トランプ――人民の人民による人民のための政治
マンハッタンという舞台/ヒラリー・クリントンとの対決/ベルトウェイ・エリートへの反発/歴史のなかの対立
あとがき
写真・図版出典
アメリカ史・関連年表
索引