世界の文字を楽しむ小事典

世界の文字を楽しむ小事典
著者 町田和彦
ジャンル 書籍 > ヨーロッパ文化・比較文化 > 比較文化
辞典・事典 > ヨーロッパ文化・比較文化
出版年月日 2011/11/15
ISBN 9784469213355
判型・ページ数 四六・276ページ
定価 2,860円(本体2,600円+税10%)

内容

人と文字が織りなす歴史ドラマ

古代文字の伝播の謎、文字を創った人々・敢えて拒否した社会、絵文字・書道など多彩な文字のかたち、女文字や神聖文字の誕生秘話から1文字の誤解が引き起こした騒動、ネット上で成立した多文字社会まで、人と文字のドラマを多くのエピソードを織り交ぜて語る。第2部では、現代世界で使われている44の文字を図版入りで紹介。

目次

口絵付録・世界の文字 分布図/系統図

まえがき

第1部 文字の世界へ

文字と言語の関係は

1.<アイデンティティと文字> 文字を求めて
文字を創る――北米の場合
スラヴ世界を二つに分ける文字の物語
無文字社会で生まれたリベリアのヴァイ文字
ハングル誕生
<コラム> 古代との絆――ギリシア文字とギリシア人

2.<文字の伝播> 文字は言語に憑依して
ラテン文字の成立と伝播
神の文字と人のことば――アラビア文字とペルシア語
インド系文字、東南アジアへ
中央アジアの文字たち
――ソグド文字からウイグル・モンゴル・満州文字へ
日本への漢字の伝播
<コラム> ナシ族と文字

3.<文字の多様性> さまざまな「文字」のかたち
筆記用具と文字のかたち――楔形文字はこうして生まれた
書道のある文字とない文字
今も残る絵文字の魅力――マヤ文字の美
無文字社会の“文字”たち
<コラム> ゼロの記号・数字のかたち

4.<文字の不思議> 文字にまつわる謎を探る
神聖文字とは、護符・呪符
女性だけの文字――中国女文字はなぜ生まれたか
ブラーフミー文字の謎
文字解読の落とし穴――対訳碑文は本当に役立つ?
<コラム> 知られざる沖縄のカイダー字

5.<文字文化圏> 旅人たちの見た文字
“三蔵法師”玄奘が見た文字
イブン・バットゥータの出会ったことば
ザビエルの見た(はずの)文字

6.<ラテン文字のはなし> 発音と文字の一筋縄ではいかない関係
言語の数だけルールがある
学習者泣かせ、英語の発音と文字のはなし
アジアにおけるラテン文字化
――アラビア文字からラテン文字へ
<コラム> 国際音声記号は何を表しているか
――文字で音を再現する試み

7.<漢字のはなし> 最古の現役文字の歴史と未来
「犬」が示す甲骨文字から楷書への道
――中国本国での漢字の変化
非漢族による「疑似漢字」という実験
漢字の今と未来――中国、韓国、ベトナム、日本から
<コラム> 「漢字圏」はどこまで?――漢字系文字の広がり

8.<文字政策・文字改革> 時代・社会で変る文字
ラテン文字への熱い視線?――中央アジア諸国の今
文字改革――トルコの場合
明治政府の文字政策
<コラム> ハングルを採用したチアチア語

9.<現代日本社会と文字> 多様化する文字環境
都市の言語景観――多言語化している日本の街角
人名、社名、固有名詞の表記
顔文字は文字でしょうか?

10.<情報伝達と文字> 文字の危うさと力
記録と記憶――あえて文字に拠らず、インドの場合
インターネット上の文字――多文字空間の成立
<コラム> 1文字が引き起こす誤解

第2部 世界の現役文字44

 1.アラビア文字
 2.アルメニア文字
 3.ヴァイ文字
 4.エチオピア文字
 5.オリヤー文字
 6.オル・チキ文字
 7.仮名文字
 8.漢字
 9.カンナダ文字
 10.ギリシア文字
 11.キリル文字
 12.クメール文字
 13.クリー文字
 14.グルジア文字
 15.グルムキー文字
 16.グジャラーティー文字
 17.シボ文字
 18.ジャワ文字
 19.シンハラ文字
 20.タイ文字
 21.ターナ文字
 22.タミル文字
 23.チェロキー文字
 24.チベット文字
 25.チャム文字
 26.ティフィナグ文字
 27.デーヴァナーガリー文字
 28.テルグ文字
 29.ハヌノオ文字
 30.パハウ・フモン文字
 31.ハングル
 32.ビルマ文字
 33.ブギス文字
 34.ベブライ文字
 35.ベンガル文字
 36.マニプル文字
 37.マラヤーラム文字
 38.モンゴル文字
 39.ラオ文字
 40.ラテン文字
 41.リンブ文字
 42.レプチャ文字
 43.ロロ文字
 44.ンコ文字

図版出典一覧
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