どんなスポーツでも,ウォーミングアップは欠かせない。それは,動きが滑らかになり,よいプレーができたり,スポーツ中のけがを防ぐ意味でも重要だからである。ではなぜウォーミングアップ(暖める)は必要なのだろうか。
人間の体温はほぼ37℃前後であるが,筋肉の収縮を繰り返して筋肉の温度や体温が38~39℃くらいに高まると,筋線維の間にある結合組織に含まれるコラーゲンというタンパク質の線維がゲル状に変化する。そのため筋肉の内部抵抗が低下して,筋線維はすばやく収縮することができるようになる。
また関節の中の潤滑油の働きをしている滑液(かつえき)も粘り気が低くなってサラサラになる。こうして筋肉はすばやくかつ柔軟に動き,関節の可動域は大きくなって,動きはダイナミックで滑らかになるために,走りのスピードにもこうしたウォーミングアップの効果は現れるわけだ。
なお,ウォーミングアップの一般的な手順は,まず(1)ゆっくりしたジョギングで体を温め,(2)静的なストレッチで関節の可動域を高め,(3)少し速めのジョギングで動きを滑らかにしつつさらに筋温を上げ,(4)ダイナミックなストレッチングで動きをよくし,(5)ショートダッシュを入れたり,主運動に近い運動(たとえばサッカーならボールを使ったアップ)を行い,(6)体が冷えないようにしながら呼吸を整える,というものである。 |