体育の授業の始まる前にK君が腰にまいたサポーターを見せながら,「先生,腰を痛めたので今日は見学させてください」と言ってきた。
病院で診てもらった結果,軽いヘルニアとのこと。さらに「先生,僕腹筋を強くしようと思って,Vシットをやって鍛えていたんですよ。どうしてこんなことになっちゃったんだろう」と言う。
そこで絵を描きながら,Vシットは腰に負担がかかることを説明した。
「Vシットは,腹筋も使うけど,一番使うのは腸腰筋という筋肉なんだ。腸腰筋は大腿骨と腰椎にまたがって付着していて,この筋肉が収縮することによって,腰(股関節)を曲げることができるんだ。ところが仰向けに寝た姿勢で腰椎が引っ張られて椎間板は圧迫される。さらに背中は弓なりに反ってくる。この弓なりになるのが背骨には大変悪い。この時に椎骨と椎骨の間の椎間板が圧迫を受け,君のように腰痛を起こしたり,ひどい場合にはヘルニアになったりするんだ。」
この辺まで説明したところで,興味をもった生徒が5,6人集まってきて,そのうちの1人が「じゃあ先生,Vシットはやらないほうがいいんですか?」と聞いてきた。そこで,「いや,腹筋が強い人ならやってもいいよ。でも,腹筋が十分鍛えられていない人は避けたほうが無難だね。腰筋を鍛える方法もたくさんあるから,できることから始めて,もっと腹筋を鍛えることを勧めるよ」と話した。
一流の選手のマネをして,体を壊したり,故障したりしないよう,とくに成長期には注意してトレーニングをしてほしいものだ。
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