●目次●
Q01  『大漢和辞典』にも載っていない漢字があると聞いたことがあるのですが……。
Q02  ある熟語を『大漢和辞典』で捜したのですが、見つかりません。
Q03  『大漢和辞典』の引き方には、どんなものがありますか?
Q04  「字音索引」「字訓索引」で、目的の漢字が見つけられないのですが……。
Q05  部首と画数で漢字を検索しようとしても、うまく探せないのですが……。
Q06  『索引』巻に収録されている「四角号碼索引」とは、どのようなものですか?
Q07  『語彙索引』とはどのようなものですか?
Q08  『語彙索引』は、修訂第2版でしか使えないのですか?
Q09  『語彙索引』に載っていない語彙があるようですが……。
Q10  『補巻』とは、どのようなものですか?
Q11  縮写版・修訂版・修訂第2版などは、どう違うのですか?
Q12  近い将来の改訂の予定はありますか?
Q13  CD-ROM化の予定はありますか?
Q14  『大漢和辞典』の実物を見てみたいのですが、どこに行けば見られますか?
Q15  『大漢和辞典』は、全15巻セットでしか購入できないのですか?
Q16  縮刷版を持っているのですが、『語彙索引』や『補巻』の縮刷版を出す予定はありますか?


Q01  『大漢和辞典』にも載っていない漢字があると聞いたことがあるのですが……。
 『大漢和辞典』に収録されている親字は、中国の歴代辞書に確実な記載のあるものを中心としています。そのため、日本で作られた漢字(いわゆる国字)や、最近の研究で存在が明らかになった異体字などの中には、収録されていない漢字があることがあります。

Q02  ある熟語を『大漢和辞典』で捜したのですが、見つかりません。
 わたしたちが日常使っている熟語の中には、日本語の中でのみ用いられるものも少なくありません。『大漢和辞典』は、本来、漢籍(中国の古典)を読むために作られた辞典ですので、そのような熟語まで網羅的に収録しているわけではありません。逆に、『大漢和辞典』に出典が明記された形で掲載されていない熟語は、漢籍には出てこない熟語、特に明治以降に日本で作られた熟語である可能性が高いのです。

Q03  『大漢和辞典』の引き方には、どんなものがありますか?
 基本的には、一般の漢和辞典と同じです。その漢字の読み方がわかっていれば、『索引』巻に収録されている「字音索引」(音読み)「字訓索引」(訓読み)を使って捜します。
 読み方がわからない場合には、部首と画数によって捜します。各巻の表見返し(表紙を開けたところ)に部首の一覧表がありますので、まずはそこを見て、目的の漢字の部首が何巻に収録されているかを調べてください。次に、各巻の冒頭に「総文字一覧」がありますので、目的の漢字の部首が収録されている巻の「総文字一覧」を開きます。「総文字一覧」は画数順になっているので、目的の漢字の画数を数えて、その画数のところを丹念に捜してください。
 部首や画数に自信がない場合は、漢字の四隅の形から検索する「四角号碼(しかくごうま)索引」(『索引』巻に収録)を利用することもできますが、これにはちょっとした訓練が必要です。
 なお、『索引』巻に収録された「総画索引」を使って、画数のみで検索することも可能ですが、『大漢和辞典』の場合、収録文字数がたいへん多いので、同画数の漢字もとても多く、あまり実用的ではありません。

Q04  「字音索引」「字訓索引」で、目的の漢字が見つけられないのですが……。
 「字音索引」「字訓索引」とも、歴史的仮名遣い(旧仮名遣い)で作成されています。そこで、現代仮名遣い(新仮名遣い)で検索しようとすると、目的の漢字が見つけられない場合があります。たとえば現代仮名遣いで「ジョウ」と書く場合、歴史的仮名遣いでは、「ジヤウ」「ジヨウ」「ゼウ」「ヂヤウ」「ヂヨウ」「デウ」「デフ」などと書く可能性があります。これらの可能性を念頭において、「字音索引」「字訓索引」を調べてみてください。
 また、日本語の特質として、同じ音読みを持つ漢字は多数存在する傾向がありますので、音訓両方の読み方がわかっている場合には、訓読みで検索する方が、目的の漢字に速く到達することができます。さらに、訓読みの方が、現代仮名遣いと歴史的仮名遣いの違いに影響される割合が少ないので、訓読みがわかっている場合には「字訓索引」を利用するのがおすすめです。
 なお、音読みしかわかっていないときには、その漢字を1字目に持つ熟語を思い浮かべることができれば、『語彙索引』を利用するのが効果的です。『語彙索引』は現代仮名遣いで編集されていますので、歴史的仮名遣いに戸惑うこともありません。熟語のページがわかれば、その少し前に親字が掲載されていることになります。

Q05  部首と画数で漢字を検索しようとしても、うまく探せないのですが……。
 部首と画数による検索がうまくいかない場合、考えられる原因として、部首に問題があるか、画数に問題があるか、の2つがあります。
 『大漢和辞典』の部首は、伝統的な部首配列に基づいていますので、一般の学習漢和辞典の部首とは違うことがあります。以下に、部首に関して注意すべき点の主なものを列挙しておきます。
  • 《匚》(はこがまえ)と《匸》(かくしがまえ)は、別の部首として扱われています。
  • 《夂》(ふゆがしら)と《夊》(すいにょう)は、別の部首として扱われています。
  • 《日》(にち)と《曰》(ひらび)は、別の部首として扱われています。
  • 《にくづき》は、《月》(つき)ではなく《肉》(にく)の部首に含まれています。
  • 《りっとう》は、《刀》(かたな)の部首に含まれています。
  • 《りっしんべん》は、《心》(こころ)の部首に含まれています。
  • 《てへん》は、《手》(て)の部首に含まれています。
  • 《さんずい》は、《水》(みず)の部首に含まれています。
  • 《れんが》は、《火》(ひ)の部首に含まれています。
  • 《けものへん》は、《犬》(いぬ)の部首に含まれています。
  • 《网》(あみがしら)は、《よこめ》の部首に含まれています。
  • 《ころもへん》は、《衣》(ころも)の部首に含まれています。
  • 《しめすへん》は、《示》(しめす)の部首に含まれています。
  • 《くさかんむり》は、《艸》の形で、画数は6画です。
  • 《しんにょう》は、《》の形で、画数は7画です。
  • 《こざとへん》は、《阜》の形で、画数は8画です。
  • 《おおざと》は、《邑》の形で、画数は7画です。
  • 《おいがしら》は、《老》の形で、画数は6画です。
 なお、漢字の中には、部首となる可能性のある構成要素を複数持っているものもあります。1つの部首で捜しても見つからない場合は、他の部首に所属している可能性がないか、検討してみてください。
 画数に問題がある場合は、数え間違いの可能性があります。漢字の画数はなにかと数えにくいものです。目指す画数のところに目的の漢字を発見できない場合は、前後の画数のところも調べてみてください。

Q06  『索引』巻に収録されている「四角号碼索引」とは、どのようなものですか?
 これは中国で開発された、漢字を純粋に形の上だけから検索する索引です。簡単に説明しますと、漢字の左上・右上・右下・左下の4つの角の形に注目して、それを「横棒」「はね」「交差」などの10の形に分類します。それぞれの分類には0~9までの番号が付けられており、その番号の組み合わせによる4桁の数字で、漢字の形を表そうというものです。詳しくは『索引』巻の「四角号碼索引」の冒頭の説明をごらんください。
 この索引は、慣れるまではなかなか目指す漢字にたどりつけず、使いこなすのは難しいのですが、慣れてしまうと非常にすばやく検索ができます。しかも、活字がつぶれているなどして全体がはっきりとは分からない漢字でも、四隅の形さえ分かれば検索できる、というメリットもあります。中国古典の研究者や、漢字研究者などの間では、重宝されている索引です。

Q07  『語彙索引』とはどのようなものですか?
 1990年4月に修訂第2版(新装普及版)を刊行するに際して、東洋学術研究所で編集した索引です。『大漢和辞典』に収録された熟語を、現代仮名遣いによる50音順で容易に検索できるようにしてあります。『索引』巻では、収録親字(単漢字)しか検索することができませんが、『語彙索引』を使えば、直接熟語を検索することができます。

Q08  『語彙索引』は、修訂第2版(新装普及版)でしか使えないのですか?
 『大漢和辞典』の改訂は、技術的な制約から、なるべくページに異同が生じない範囲で行われてきました。そのため、修訂第2版に基づいて編集された『語彙索引』も、基本的には、初版や縮刷版などのほかの版でもご利用になることができます。

Q09  『語彙索引』に載っていない語彙があるようですが……。
 『大漢和辞典』は50万を超える熟語を収録しています。そのため、残念ながら、『語彙索引』1巻に全ての熟語を収録することはできませんでした。割愛した熟語の大部分は、『大漢和辞典』本文で用例の記載がない熟語(漢籍に使われていることが確認できないもの)です。

Q10  『補巻』とは、どのようなものですか?
 諸橋博士の「第4期」の構想に基づき、『大漢和辞典』本文全12巻の不備を補うべく編纂された増補の巻です。その特色は、以下の通りです。
 親字については、中国歴代の辞書類を再調査し、さらに国字やJIS漢字を加えて、800余字を追加。熟語については、史書や詩文集の再調査に加え、日本の漢詩文を重点的に再調査し、3万3000余を追加しました。
 これを加えることで、『大漢和辞典』はより完成されたものとなりました。

Q11  縮写版・修訂版・修訂第2版(新装普及版)などは、どう違うのですか?
 『大漢和辞典』はコンピュータ組版ではないため、ページの大きな変動を伴う改訂には、技術的に大きな困難が伴います。そのため、改訂は、原則としてページの異同が生じない範囲で行われてきました。各版の内容・体裁の違いをまとめると、以下のようになります。
戦前版 昭和18年(1943)に巻1を発行しただけで、戦況の悪化により、発行中絶となった「幻の『大漢和』」。判型はB5判。
初版 昭和30年(1955)より刊行開始。判型はB5判。戦前版の校正刷りをもとに、全面的な改稿を重ねたもの。
縮写版 昭和41年(1966)より刊行開始。判型は初版より一回り小さなA5判。親字部分の説明を中心に初版に手を加えたもの。
修訂版 昭和59年(1984)より刊行開始。判型は初版より一回り大きなA4判。初版刊行後30年の漢字学研究の進歩をふまえ、親字の字音・解字(語源的説明)、熟語の用例の出典名・引用文などを全面的に見直したもの。
修訂第2版
(新装普及版)
平成2年(1990)より刊行開始。判型を初版と同じB5判にして、一般家庭などでよりお求めやすくしたもの。

Q12  近い将来の改訂の予定はありますか?
 2000年4月に『補巻』を刊行したことにより、諸橋博士の構想された「第4期」までが一応の完結を見たことになります。また、『大漢和辞典』はコンピュータ組版ではないので、『補巻』の内容を全12巻の本文に編入することは、技術的に難しいのが現状です。現在のところ、近い将来の改訂の予定はありません。

Q13  CD-ROM化の予定はありますか?
 大修館書店『大漢和辞典』編集部では、諸橋博士の残された偉大な辞典を不滅のものにすべく、長年にわたって、努力を重ねてまいりました。しかし、CD-ROM化に関しては、コンピュータで扱える漢字の数の問題や、『大漢和辞典』そのものの巨大さがネックとなって、一朝一夕には実現できない状況です。現在、技術的な問題をクリアすべく研究を続けている段階ですので、少し長い目で見守っていただければと存じます。

Q14  『大漢和辞典』の実物を見てみたいのですが、どこに行けば見られますか?
 公共図書館や、高等学校・大学などの図書館では、多くのところに『大漢和辞典』をご購入いただいております。そういう所へお越しになれば、ご覧いただけることと思います。

Q15  『大漢和辞典』は、全15巻セットでしか購入できないのですか?
 各巻ごとの分売も行っております。ただし、現在販売しているのは、修訂第2版(新装普及版)のみです。

Q16  縮刷版を持っているのですが、『語彙索引』や『補巻』の縮刷版を出す予定はありますか?
 現在のところ、『語彙索引』や『補巻』の縮刷版を出す予定はありません。

『大漢和辞典』記念室入口に戻る