事典現代のアメリカ
政治・経済・歴史・社会からサブカルチャー・日常生活まで、激動するアメリカの多彩な相貌とその底流をなすものを見据えるべく110項目を取り上げ、各分野の第一線の専門家106名が解説。アメリカについて知るとともに、アメリカを通して現代世界を考え、身のまわりに環境化されているアメリカを捉え直すための、広範な関心に応えた画期的なアメリカ百科の誕生!



本事典の6大特色 1.第一線の執筆陣による信頼度の高い内容

学界のみならず広くジャーナリズム界からも執筆者の参加を得て、活きの良い情報をもとにアメリカの現在を捉えるための基本的な視点を提示しました。

2.幅広い関心に応える多角的な視点からの編集

世界の行方をリードするグローバル国家、多様な民族・文化共生の実験場、大衆消費文化の先駆者、社会規範の底流をなすフロンティア精神とプロテスタント倫理、そして日本との関係……。多角的なアプローチにより、アメリカ像が統合的・立体的に浮かび上がるよう編集しました。


3.歴史的なパースペクティブの重視

分野に応じたスパンで大きな歴史的流れを重視。歴史的パースペクティブを踏まえて現代を的確に捉え、嫌米・親米といった時代の気分に左右されない堅実な立脚点を提示しました。


4.多彩な検索機能

多岐にわたる情報をニーズに応じて有機的に活用できるよう、書籍版の索引を充実させたほか、CD-ROMも添付し、全文検索をはじめ用途に応じた多彩な検索を可能にしました。


5.充実した写真・図版・資料

630点を超える資料性の高い写真・図版を取り揃えたほか、図表も豊富に掲載。また、アメリカを世界の中に位置づけた年表や、動植物、デザイン、現代美術、料理、都市、切手で読むヒロインなどの各種カラーページも用意。ビジュアル面も含めて資料を充実させました。




刊行にあたって アメリカが、政治、経済、軍事、情報、科学研究、大衆消費文化など、さまざまな領域で現代世界を動かす最大のパワーであることは言うまでもありません。また、その社会は、異なる民族・文化が共生するための壮大な実験場であり、それゆえに現代世界が直面する問題が先端的に現れる場でもあります。今日の世界の動きを理解し、グローバル化した世界の中で生きていくうえで、アメリカを理解することは不可欠です。また、特に戦後アメリカの影響を大きく受けてきた日本にとって、ここでアメリカを相対化し、批判的に捉え直すことは、そのまま現代日本がかかえる問題点をあぶり出すことにもつながるのではないでしょうか。

急速な情報化の進展により、激動する世界の中にあって個別の分野についての最新の情報を入手することは格段に容易になってきました。しかし大切なのは、歴史的なパースペクティブも踏まえて、そうした個々の情報を全体像の中に的確に位置づけ、揺れ動く現象の底流をなす意味を正確に捉えることでありましょう。そのためのガイドとなる視点を基本的なデータとともに提供することが、IT時代の書籍の役割であると考えました。

以上のような認識に基づき、この事典ではアメリカの政治、経済、歴史、社会からサブカルチャー、日常生活に至るトピックを幅広く取り上げて110項目にまとめ、106名の各分野の第一線の専門家が執筆にあたりました。アメリカについて知るとともに、アメリカを通して現代を考え、身のまわりに環境化されているアメリカを捉え直すための事典として、広範な関心に応えた画期的なアメリカ百科の誕生です。