保健科教育法入門

内容

良質な保健授業の創出に向けて

保健科教育を学ぶ学生及び教師のためのスタンダードテキスト。保健科教育の基礎知識に始まり、良い授業の考え方・作り方、授業スタイル、教授技術、学習評価、授業展開例に至るまで多岐に渡る内容をカバーし、初学者にやさしい説明を心がけている。2017年3月告示の新学習指導要領にも対応した画期的な入門書。

目次

まえがき

第1章 保健科教育とは何か

第1節 学校教育における保健科教育の位置づけ

①学校保健のなかの保健科教育
1.学校保健活動のなかの保健科教育
2.学校教育課程のなかの保健科教育
3.保健科教育の担当者とその資格
4.保健科教育の関係者
(1)養護教諭
(2)保健主事
コラムⅠ──教員免許と身分のいろいろ

②保健科教育のカリキュラム
1.カリキュラムの基礎・基本
2.小・中・高の保健のカリキュラム
(1)小学校保健のカリキュラム
(2)中学校保健のカリキュラム
(3)高等学校保健のカリキュラム
3.まとめ
コラムⅡ──保健と体育を関連させた「からだの学習」の必然性

第2節 我が国における保健科教育の歩み

①教育課程における保健の変遷

②保健の授業観・学習観の変遷
1.授業観・学習観とは
2.授業の構成要素と授業観・学習観
3.戦後の保健の授業観・学習観の変遷
(1)行動化や習慣形成など生活指導を強調した時代
(2)生活経験主義から系統主義へ移行した時代
(3)学習指導要領に対し、独自の保健教育を提唱した時代
(4)実践力重視の『JKYB研究会』の発足と学習理論の進展
4.まとめ──「新しい知の問い直し」の時代

第3節 諸外国の保健教育

1.はじめに
2.国別で見た保健科の教科形態
(1)「保健科」という独立した教科形態の国
(2)「体育科」との合科形態の国
(3)関連教科や特別活動のなかで実施する形態の国
(4)国内で多様な教科形態の国
3.フィンランドの保健教育
(1)教育制度
(2)保健科のカリキュラム
(3)教科担当者ほか
4.アメリカ(カリフォルニア州ロングビーチ学区)の保健教育
(1)教育制度
(2)アメリカにおける健康への様々なアプローチとHealth Educationの定義
(3)保健科のカリキュラムと教科担当者ほか
5.まとめ

第2章 保健の授業をつくる

第1節 良い保健授業の姿をイメージしよう

1.これまでの保健授業の姿
(1)雨降り保健
(2)暗記保健
2.授業がもつべき基本的機能
(1)授業を行う意味
(2)「賢い」とは何か
3.賢くさせるための方法論(認識変容の3つの型)
4.志向性から見た授業の3つの型
コラムⅢ――保健と体育が一緒になって教科となる

第2節 学習目標を設定しよう

1.保健の目標の特徴
(1)学習指導要領における目標
(2)保健らしさとは
2.小・中・高等学校における系統性と個別性
(1)学習内容の系統性
(2)学習内容の個別的段階性
3.学習者の実態と目標設定
(1)学習者の実態
(2)学習目標の設定
コラムⅣ──ヘルスリテラシーを高める

第3節 学習内容を理解しよう

1.学習指導要領解説に示された保健の内容
(1)保健内容の全体像
(2)内容の系統性
2.保健の学習内容 
(1)健康増進と疾病の予防
(2)健康と環境
(3)発育・発達
(4)精神の健康
(5)傷害の防止
(6)保健・医療機関と保健活動
3.まとめ
コラムⅤ──学習内容を構造的に把握しよう

第4節 教材を準備しよう

1.教材とは何か
2.教材の3つの形式
(1)問題教材
(2)文章教材
(3)具体物教材

第5節 授業スタイルを考えよう

①授業スタイルのいろいろ
1.はじめに
2.多様な学びのスタイル──子どもが主人公の授業をつくる
(1)学習集団別に見た指導上のポイント
(2)魅力(効果)を高める学習方法のいろいろ
3.新たな保健授業スタイルの創出に向けて──ティーチングからラーニングへ
(1)能動的な「深い学び」をデザインする──アクティブ・ラーニング
(2)情報通信技術(ICT)の活用──求められる「ICT活用指導力」

②授業スタイルをどう選ぶか
1.保健の授業スタイルは画一化している
2.授業スタイルの特性
(1)ディスカッション(討論)
(2)実習(ロールプレイングを含む)
(3)課題解決学習(実験を含む)
3.授業スタイルを決める上での留意点
(1)授業者側の視点
(2)学習者側の視点
コラムⅥ──養護教諭とティーム・ティーチング

第6節 指導の計画を立てよう

1.年間指導計画を立案する
(1)年間指導計画の立て方
(2)年間指導計画作成上の配慮事項
(3)年間指導計画の例
2.単元計画を立案する
(1)単元の意味
(2)単元計画作成の意味とポイント
(3)単元計画例と作成上の配慮事項
3.指導案を作成する
(1)指導案作成の意味とポイント
(2)指導案の書き方(例)
(3)指導案例

第7節 教授行為のテクニックを磨こう

1.説明(話術)
(1)良い話術とは
(2)話し方の留意点
(3)話術の鍛え方
2.板書
(1)板書の特性とその機能
(2)板書の留意点
3.ノート指導
(1)ノートに書く意味
(2)ノート指導の留意点
4.資料配付
(1)資料の役割
(2)資料配付の留意点
5.机間指導
(1)机間指導の意味
(2)机間指導の留意点

第8節 評価を工夫しよう

1.評価の考え方
(1)学習評価と授業評価
(2)指導と評価の一体化
(3)診断的評価、形成的評価、総括的評価
2.評価の方法
(1)いろいろな評価方法
(2)筆記テストの問題の工夫
3.評価の実際

第9節 模擬授業をやってみよう──教科書を活用した授業プラン

1.授業を構想しよう
2.教科書で学習目標を確認しよう
3.教科書から学習内容を構造的につかもう
(1)教科書から学習内容を読み取る
(2)教科書から学習内容を構造的につかもう
4.指導法を選択し、教材を作ろう
(1)授業スタイルの選択
(2)教材づくり
5.指導案を書こう
6.実際に授業をやってみよう
(1)授業の準備
(2)模擬授業の実施
7.授業を振り返り(省察)、次に活かそう
(1)カンファレンス
(2)見直し

第3章 保健授業の展開例

第1節 小学校

①思春期の体の変化
1.単元「育ちゆく体とわたし」(4年生)
2.「思春期の体の変化」の授業展開例
(1)第一次「思春期の体の変化①」
(2)第二次「思春期の体の変化②」
②交通事故の防止――アクティブ・ラーニング型の授業開発
1.ねらい、全体構想
2.本時の展開
3.授業の様子
4.子どもたちの感想
5.学びの分析
6.授業の後で──子どもたちの取り組みと、大人が考える安全が一致!

第2節 中学校・高等学校

①欲求と適応機制
1.授業に向けた考え方
(1)「欲求と適応機制」の授業づくりをする上での留意点
(2)本授業の考え方
2.授業展開例

②私たちの生活と環境
1.目標及び内容
2.単元の特性
(1)教師に見みられる要因:環境について専門的に学んだことがない
(2)教材に見られる要因:良い教材を発掘しにくく、教材化もしにくい
3.モデル授業
(1)単元計画
(2)展開例

③飲酒と健康
1.「飲酒と健康」について
2.具体的には何を指導すればよいのか(指導内容)を確認しておこう!
3.授業展開例
(1)本時の目標
(2)展開
4.授業展開例における授業づくりのポイント
(1)授業展開について
(2)板書、学習カードについて
(3)資料について

④性感染症の予防
1.単元「性感染症の予防」
2.展開例(3/4時間目)

第4章 教育実習に当たって

第1節 教育実習の目的と概要、事前準備

1.教育実習の意義・目的
2.教育実習の概要
3.教育実習の事前準備
(1)実習校の選択
(2)実習校への依頼
(3)実習校の把握
(4)担当科目の内容把握と準備

第2節 教育現場での留意事項と事後の心得

1.基本的な心構え
2.その他の留意事項
(1)服装について
(2)生徒・教員との接し方
(3)守秘義務について
3.授業の実際
4.事後の心得
(1)省察する
(2)感謝の気持ちを表す
コラムⅦ──教員採用試験に向けて

第5章 保健科教育の勉強を更に進めよう

第1節 書籍やウェブなどから更に学ぼう
1.研究論文や書籍・雑誌の検索
(1)CiNii(国立情報学研究所学術情報ナビゲータ)
(2)J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)
2.参考となる書籍・雑誌等
(1)学会誌
(2)文部科学省等資料
(3)一般誌
3.保健教育関係ウェブサイト
(1)文部科学省
(2)国立教育政策研究所
(3)厚生労働省
(4)その他

第2節 研究会に参加して実力を高めよう

1.研究会に参加することの意義
(1)良い授業を見る目の涵養
(2)仲間の形成
(3)客観的な視点の確保
(4)研究と実践の融合
2.研究会の具体的な様子
3.研究会への参加の方法
4.学会や各種講演会等にも参加してみよう

第3節 保健科教育を学問として学んでみよう

1.保健科教育の課題
(1)保健学習における課題
(2)保健科教育学としての研究課題
(3)保健科教育学の研究テーマ
2.保健科教育の研究方法
(1)研究計画の立案
(2)研究方法の選択
(3)研究論文の作成
コラムⅧ──教師力向上と教職大学院

索引
付録──小学校、中学校、高等学校 学習指導要領

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