内容
メンタルトレーニング書の決定版
適正なメンタルトレーニングの普及を目指す日本スポーツ心理学会編の基本図書。スポーツ現場で必要な正しい理論と具体的な実践法を平易に解説。専門家だけでなく、スポーツ現場の指導者や選手にもメンタルトレーニングの理論と実際が学べる参考書。今回の三訂版ではさらに内容を充実!
目次
まえがき
第1章 競技力向上とメンタルトレーニング
1-1 競技生活の心理サポート
1.競技スポーツにおける心理サポートの必要性
2.心理サポートを求めるアスリートの特徴
3.心理サポートの種類・水準
4.心理サポートにおけるメンタルトレーニング
1-2 メンタルトレーニングとは
1.心理サポートはなぜ必要か
2.臨床的な心理サポートと教育的な心理サポート
3.スポーツメンタルトレーニングとは
4.メンタルトレーニングにおけるトップダウンアプローチとボトムアップアプローチ
1-3 メンタルトレーニングを支える理論と科学的根拠
1.メンタルトレーニングを支える理論
2.メンタルトレーニングの科学的根拠
3.おわりに
[コラム]暴力(体罰)指導の予防に果たすメンタルトレーニングの役割
1-4 メンタルトレーニングの現状と課題
1.メンタルトレーニング発展の経緯と現状
2.メンタルトレーニングにおける今後の課題
第2章 メンタルトレーニングの展開
2-1 アスリートとの関係づくり
1.特異な三者関係
2.専門性
3.学ぶ姿勢
4.場の設定
5.メンタルトレーニング実施中の関係づくり
[コラム]女性アスリートに対するメンタルトレーニング
2-2 メンタルトレーニングに活かすカウンセリング
1.面接と「見立て」
2.傾聴
3.面接するうえでの留意点
4.関係性
[コラム]メンタルトレーニングとカウンセリングの連携
2-3 メンタルトレーニング・プログラム作成の原則
1.トレーニングの諸側面
2.プログラム作成の中で配慮すべき観点
3.プログラムの一般的な流れ
2-4 メンタルトレーニング実施上の原則
1.ラポールの形成
2.構造、契約、再契約(仕切り直し)
3.アセスメント
4.振り返り・練習日誌
5.フォローアップ
2-5 メンタルトレーニング実施後の振り返り
1.振り返りの重要性
2.トレーニング効果の検討方法
3.振り返りの実際
第3章 メンタルトレーニング技法の基礎――評価技法を中心に
3-1 メンタルトレーニングの評価
1.評価野ための基準の設定
2.アスリートやチームの状況を評価する方法
3.プログラムの効果を評価する方法
4.メンタルトレーニングの評価における秘匿性への配慮の問題
3-2 心理検査
1.心理検査の目的
2.心理検査実施上の留意点
3.アスリートの心理的特徴を評価する
[コラム]スポーツドクターとのかかわり
3-3 スポーツ集団の評価と育成
1.スポーツ集団の種類
2.チーム集団の心理的風土の評価
3.スポーツ集団の育成
4.集団育成をけん引する指導者の役割
[コラム]指導者へのメンタルトレーニング
3-4 コミュニケーション能力の評価
1.コミュニケーション能力とは
2.言語的コミュニケーション
3.非言語的コミュニケーション
4.ネットコミュニケーションの出現
5.コミュニケーション能力の評価
3-5 モニタリング
1.モニタリングとは
2.モニタリングの方法
3.モニタリングの活用
第4章 メンタルトレーニング技法の基礎――心理技法を中心に
4-1 行動変容技法
1.行動変容技法とは
2.行動分析学とは
3.行動随伴性
4.行動分析学に基づく働きかけ
5.スポーツ界から体罰を一掃するために
4-2 目標設定技法
1.目標設定の原理・原則について
2.目標設定の具体的な方法
3.おわりに
4-3 リラクセーション技法
1.リラクセーション技法の理解
2.骨格筋の活用:筋弛緩法
3.呼吸の活用:呼吸法
4.トレーニング:自律訓練法
5.おわりに
[コラム]アスリートの日常・競技ストレスの実態
4-4 バイオフィードバック法
1.バイオフォードバックとは
2.バイオフォードバックの理論モデル
3.主なバイオフィードバック法
4.バイオフィードバック法の適用、その注意点と効果
4-5 注意集中技法
1.注意集中とは
2.注意のスタイル
3.注意集中が途切れると
4.身体の内的・外的への注意
5.注意集中を高める技法
4-6 イメージ技法
1.イメージトレーニングの位置づけ
2.イメージトレーニングの基礎
3.イメージトレーニングの実際
[コラム]スポーツ傷害とメンタルトレーニング
4-7 情動のコントロール技法
1.緊張・不安とは
2.何が緊張や不安を引き起こすか
3.緊張や不安はパフォーマンスにどのように影響するか
4.どのように情動をコントロールするか
4-8 暗示技法
1.暗示について
2.暗示技法について
3.暗示技法とセルフトーク
4.メンタルトレーニング技法の中の「暗示技法」
5.「公式」と「暗示」の違い
6.OATの具体的な行い方
7.OATの具体的な流れ
8.OATの効果:OATを継続的に行ったアスリートの「声」
9.おわりに
4-9 ポジティブシンキング(積極的思考法)
1.ポジティブシンキングとは
2.セルフトークに気づく
3.非論理的ビリーフを修正する
4.自分にとってのベストトークを準備する
第5章 実力発揮のための心理的スキルのトレーニング
5-1 競技意欲向上のためのトレーニング
1.競技意欲とは
2.競技意欲を高める方法
3.競技意欲向上のトレーニング例
5-2 あがり防止のための緊張・不安のコントロール
1.「あがり」とは
2.「あがり」の徴候
3.「あがり」の予防法・対処法
5-3 集中力向上のトレーニング
1.集中力とは
2.集中力を抑制している要因
3.集中力を向上させるトレーニング法
[コラム]冬季種目におけるメンタルトレーニング
5-4 自信をつけるためのトレーニング
1.自信とは
2.自信を測定する検査
3.自信の高め方
4.「セルフ・エフィカシー」で考える
5.セルフ・エフィカシーを高める4つの情報源
[コラム]言葉の力
5-5 チームワーク向上のトレーニング
1.チームワークとは
2.チームワーク向上のためのトレーニング
3.チームビルディングの実際
4.チームアプローチにおける注意
5-6 試合に向けてピークに持っていくための心理的コンディショニング
1.心理的コンディショニングを把握するための方法
2.ピークパフォーマンスへ導くためのピーキング
3.心理的コンディショニングの可能性
[コラム]トップアスリートが求める心理サポート①
第6章 メンタルトレーニングの実践例
6-1 講習会形式によるメンタルトレーニングの実践例
1.指導状況
2.効果
3.まとめ
6-2 心理検査を用いた実践例
1.はじめに
2.事例の提示
3.TEGを用いた心理サポートの適用可能性
4.まとめ
6-3 カウンセリングをベースとした心理サポートの実践例
1.はじめに
2.事例の提示
3.考察にかえて――カウンセリングをベースとした心理サポートの効用
4.まとめ
[コラム]トップアスリートが求める心理サポート②
6-4 チームに対する心理サポートの実践例
1.日本代表チームの組織とその活動
2.日本代表チームへのコンサルテーション
3.まとめ
6-5 ジュニアアスリートのメンタルトレーニングの実践例
1.ジュニアアスリートの心理的特徴と競技環境
2.メンタルトレーニングをベースとした心理サポート
3.カウンセリングをベースとした心理サポート
4.まとめ
[コラム]保護者が気をつけるべきこと
6-6 部活動での実践例
1.はじめに
2.心理サポート事例の提示
3.まとめ
[コラム]スポーツ指導者の抱える葛藤とそれへのサポート
6-7 パラアスリートおよびデフアスリートに対する実践例
1.JPC心理サポートチームの取り組み
2.障害特性ごとのサポートのあり方
3.実践例の紹介
4.まとめ
[コラム]ソチ2014パラリンピック冬季競技大会に団長として参加して
6-8 アスリートのキャリアサポート
1.現役引退時にとまなうアスリート特有の心理的問題
2.オリンピック選手へのキャリアトランジション・プログラム構築の経緯
3.下山には時間がかかる
[コラム]「修造チャレンジ」における心理サポート(テニストップジュニア強化合宿)
6-9 国際審判員に対する実践例
1.国際審判員の心理サポート
2.「JFAレフェリーカレッジ」におけるメンタルトレーニングの講義
3.選手の競技力向上のためにも、審判員のメンタルトレーニングが必要
4.他の競技の若手レフリーに対するメンタルトレーニングの導入
[コラム]メンタルトレーニングの普及と啓発に携わって
第7章 メンタルトレーニング指導士とは
7-1 スポーツメンタルトレーニング指導士の資格認定制度について
1.資格制度の発足の経緯
2.本資格制度の設立の目的
3.認定委員会の組織と活動
4.本資格制度の内容
5.本資格制度の現状および今後の課題
[コラム]資格をめぐる海外の状況
7-2 スポーツメンタルトレーニング指導士の訓練
1.訓練の必要性
2.SMT指導士の訓練
7-3 日本代表チームに対する心理サポートシステム
1.はじめに
2.JISSの心理サポート
3.チーム「ニッポン」マルチサポート事業について
4.マルチサポート事業における心理サポートの実例
5.ロンドン、ソチオリンピックでの「マルチサポート・ハウス」の設置
[コラム]オリンピックを控えたアスリート・指導者への講和
7-4 プロスポーツチームおよび実業団チームにおける活動
1.サッカーJリーグ
2.ラグビートップリーグ
7-5 大学におけるスポーツカウンセリングルームの活動
1.筑波大学
2.大阪体育大学
3.鹿屋体育大学
4.日本体育大学
7-6 都道府県における活動
1.和歌山県の事例
2.長崎県の事例
3.北海道の事例
7-7 地域におけるスポーツメンタルトレーニング指導士の活動
1.地域での活動の起こり
2.指導士の活動の全国への広がり
3.指導士会全国研修会と各支部の活動
4.大学生・大学院生たちの地域における活動
5.これからの地域におけるスポーツメンタルトレーニング指導士の活躍と展望
用語解説
文献
索引
あとがき
執筆者紹介