スポーツメンタルトレーニング教本 三訂版

スポーツメンタルトレーニング教本 三訂版
著者 日本スポーツ心理学会
ジャンル 書籍 > スポーツ科学 > 心理学
大学テキスト > 体育・スポーツ > スポーツ心理学
出版年月日 2016/12/01
ISBN 9784469268065
判型・ページ数 B5・288ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税10%)

内容

メンタルトレーニング書の決定版

適正なメンタルトレーニングの普及を目指す日本スポーツ心理学会編の基本図書。スポーツ現場で必要な正しい理論と具体的な実践法を平易に解説。専門家だけでなく、スポーツ現場の指導者や選手にもメンタルトレーニングの理論と実際が学べる参考書。今回の三訂版ではさらに内容を充実!

目次

まえがき

第1章 競技力向上とメンタルトレーニング

1-1 競技生活の心理サポート
 1.競技スポーツにおける心理サポートの必要性
 2.心理サポートを求めるアスリートの特徴
 3.心理サポートの種類・水準
 4.心理サポートにおけるメンタルトレーニング
1-2 メンタルトレーニングとは
 1.心理サポートはなぜ必要か
 2.臨床的な心理サポートと教育的な心理サポート
 3.スポーツメンタルトレーニングとは
 4.メンタルトレーニングにおけるトップダウンアプローチとボトムアップアプローチ
1-3 メンタルトレーニングを支える理論と科学的根拠
 1.メンタルトレーニングを支える理論
 2.メンタルトレーニングの科学的根拠
 3.おわりに
[コラム]暴力(体罰)指導の予防に果たすメンタルトレーニングの役割
1-4 メンタルトレーニングの現状と課題
 1.メンタルトレーニング発展の経緯と現状
 2.メンタルトレーニングにおける今後の課題

第2章 メンタルトレーニングの展開

2-1 アスリートとの関係づくり
 1.特異な三者関係
 2.専門性
 3.学ぶ姿勢
 4.場の設定
 5.メンタルトレーニング実施中の関係づくり
[コラム]女性アスリートに対するメンタルトレーニング
2-2 メンタルトレーニングに活かすカウンセリング
 1.面接と「見立て」
 2.傾聴
 3.面接するうえでの留意点
 4.関係性
[コラム]メンタルトレーニングとカウンセリングの連携
2-3 メンタルトレーニング・プログラム作成の原則
 1.トレーニングの諸側面
 2.プログラム作成の中で配慮すべき観点
 3.プログラムの一般的な流れ
2-4 メンタルトレーニング実施上の原則
 1.ラポールの形成
 2.構造、契約、再契約(仕切り直し)
 3.アセスメント
 4.振り返り・練習日誌
 5.フォローアップ
2-5 メンタルトレーニング実施後の振り返り
 1.振り返りの重要性
 2.トレーニング効果の検討方法
 3.振り返りの実際

第3章 メンタルトレーニング技法の基礎――評価技法を中心に

3-1 メンタルトレーニングの評価
 1.評価野ための基準の設定
 2.アスリートやチームの状況を評価する方法
 3.プログラムの効果を評価する方法
 4.メンタルトレーニングの評価における秘匿性への配慮の問題
3-2 心理検査
 1.心理検査の目的
 2.心理検査実施上の留意点
 3.アスリートの心理的特徴を評価する
[コラム]スポーツドクターとのかかわり
3-3 スポーツ集団の評価と育成
 1.スポーツ集団の種類
 2.チーム集団の心理的風土の評価
 3.スポーツ集団の育成
 4.集団育成をけん引する指導者の役割
[コラム]指導者へのメンタルトレーニング
3-4 コミュニケーション能力の評価
 1.コミュニケーション能力とは
 2.言語的コミュニケーション
 3.非言語的コミュニケーション
 4.ネットコミュニケーションの出現
 5.コミュニケーション能力の評価
3-5 モニタリング
 1.モニタリングとは
 2.モニタリングの方法
 3.モニタリングの活用

第4章 メンタルトレーニング技法の基礎――心理技法を中心に

4-1 行動変容技法
 1.行動変容技法とは
 2.行動分析学とは
 3.行動随伴性
 4.行動分析学に基づく働きかけ
 5.スポーツ界から体罰を一掃するために
4-2 目標設定技法
 1.目標設定の原理・原則について
 2.目標設定の具体的な方法
 3.おわりに
4-3 リラクセーション技法
 1.リラクセーション技法の理解
 2.骨格筋の活用:筋弛緩法
 3.呼吸の活用:呼吸法
 4.トレーニング:自律訓練法
 5.おわりに
[コラム]アスリートの日常・競技ストレスの実態
4-4 バイオフィードバック法
 1.バイオフォードバックとは
 2.バイオフォードバックの理論モデル
 3.主なバイオフィードバック法
 4.バイオフィードバック法の適用、その注意点と効果
4-5 注意集中技法
 1.注意集中とは
 2.注意のスタイル
 3.注意集中が途切れると
 4.身体の内的・外的への注意
 5.注意集中を高める技法
4-6 イメージ技法
 1.イメージトレーニングの位置づけ
 2.イメージトレーニングの基礎
 3.イメージトレーニングの実際
[コラム]スポーツ傷害とメンタルトレーニング
4-7 情動のコントロール技法
 1.緊張・不安とは
 2.何が緊張や不安を引き起こすか
 3.緊張や不安はパフォーマンスにどのように影響するか
 4.どのように情動をコントロールするか
4-8 暗示技法
 1.暗示について
 2.暗示技法について
 3.暗示技法とセルフトーク
 4.メンタルトレーニング技法の中の「暗示技法」
 5.「公式」と「暗示」の違い
 6.OATの具体的な行い方
 7.OATの具体的な流れ
 8.OATの効果:OATを継続的に行ったアスリートの「声」
 9.おわりに
4-9 ポジティブシンキング(積極的思考法)
 1.ポジティブシンキングとは
 2.セルフトークに気づく
 3.非論理的ビリーフを修正する
 4.自分にとってのベストトークを準備する

第5章 実力発揮のための心理的スキルのトレーニング

5-1 競技意欲向上のためのトレーニング
 1.競技意欲とは
 2.競技意欲を高める方法
 3.競技意欲向上のトレーニング例
5-2 あがり防止のための緊張・不安のコントロール
 1.「あがり」とは
 2.「あがり」の徴候
 3.「あがり」の予防法・対処法
5-3 集中力向上のトレーニング
 1.集中力とは
 2.集中力を抑制している要因
 3.集中力を向上させるトレーニング法
[コラム]冬季種目におけるメンタルトレーニング
5-4 自信をつけるためのトレーニング
 1.自信とは
 2.自信を測定する検査
 3.自信の高め方
 4.「セルフ・エフィカシー」で考える
 5.セルフ・エフィカシーを高める4つの情報源
[コラム]言葉の力
5-5 チームワーク向上のトレーニング
 1.チームワークとは
 2.チームワーク向上のためのトレーニング
 3.チームビルディングの実際
 4.チームアプローチにおける注意
5-6 試合に向けてピークに持っていくための心理的コンディショニング
 1.心理的コンディショニングを把握するための方法
 2.ピークパフォーマンスへ導くためのピーキング
 3.心理的コンディショニングの可能性
[コラム]トップアスリートが求める心理サポート①

第6章 メンタルトレーニングの実践例

6-1 講習会形式によるメンタルトレーニングの実践例
 1.指導状況
 2.効果
 3.まとめ
6-2 心理検査を用いた実践例
 1.はじめに
 2.事例の提示
 3.TEGを用いた心理サポートの適用可能性
 4.まとめ
6-3 カウンセリングをベースとした心理サポートの実践例
 1.はじめに
 2.事例の提示
 3.考察にかえて――カウンセリングをベースとした心理サポートの効用
 4.まとめ
[コラム]トップアスリートが求める心理サポート②
6-4 チームに対する心理サポートの実践例
 1.日本代表チームの組織とその活動
 2.日本代表チームへのコンサルテーション
 3.まとめ
6-5 ジュニアアスリートのメンタルトレーニングの実践例
 1.ジュニアアスリートの心理的特徴と競技環境
 2.メンタルトレーニングをベースとした心理サポート
 3.カウンセリングをベースとした心理サポート
 4.まとめ
[コラム]保護者が気をつけるべきこと
6-6 部活動での実践例
 1.はじめに
 2.心理サポート事例の提示
 3.まとめ
[コラム]スポーツ指導者の抱える葛藤とそれへのサポート
6-7 パラアスリートおよびデフアスリートに対する実践例
 1.JPC心理サポートチームの取り組み
 2.障害特性ごとのサポートのあり方
 3.実践例の紹介
 4.まとめ
[コラム]ソチ2014パラリンピック冬季競技大会に団長として参加して
6-8 アスリートのキャリアサポート
 1.現役引退時にとまなうアスリート特有の心理的問題
 2.オリンピック選手へのキャリアトランジション・プログラム構築の経緯
 3.下山には時間がかかる
[コラム]「修造チャレンジ」における心理サポート(テニストップジュニア強化合宿)
6-9 国際審判員に対する実践例
 1.国際審判員の心理サポート
 2.「JFAレフェリーカレッジ」におけるメンタルトレーニングの講義
 3.選手の競技力向上のためにも、審判員のメンタルトレーニングが必要
 4.他の競技の若手レフリーに対するメンタルトレーニングの導入
[コラム]メンタルトレーニングの普及と啓発に携わって

第7章 メンタルトレーニング指導士とは

7-1 スポーツメンタルトレーニング指導士の資格認定制度について
 1.資格制度の発足の経緯
 2.本資格制度の設立の目的
 3.認定委員会の組織と活動
 4.本資格制度の内容
 5.本資格制度の現状および今後の課題
[コラム]資格をめぐる海外の状況
7-2 スポーツメンタルトレーニング指導士の訓練
 1.訓練の必要性
 2.SMT指導士の訓練
7-3 日本代表チームに対する心理サポートシステム
 1.はじめに
 2.JISSの心理サポート
 3.チーム「ニッポン」マルチサポート事業について
 4.マルチサポート事業における心理サポートの実例
 5.ロンドン、ソチオリンピックでの「マルチサポート・ハウス」の設置
[コラム]オリンピックを控えたアスリート・指導者への講和
7-4 プロスポーツチームおよび実業団チームにおける活動
 1.サッカーJリーグ
 2.ラグビートップリーグ
7-5 大学におけるスポーツカウンセリングルームの活動
 1.筑波大学
 2.大阪体育大学
 3.鹿屋体育大学
 4.日本体育大学
7-6 都道府県における活動
 1.和歌山県の事例
 2.長崎県の事例
 3.北海道の事例
7-7 地域におけるスポーツメンタルトレーニング指導士の活動
 1.地域での活動の起こり
 2.指導士の活動の全国への広がり
 3.指導士会全国研修会と各支部の活動
 4.大学生・大学院生たちの地域における活動
 5.これからの地域におけるスポーツメンタルトレーニング指導士の活躍と展望

用語解説
文献
索引
あとがき
執筆者紹介

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