相互文化的能力を育む外国語教育

グローバル時代の市民性形成をめざして

内容

異なる文化の相手と共に生きるために

外国語教育はスキルの伝授で終わってはならない。自らの価値観を問い直し、他者と共存していく能力を育むものでなければならない。CEFRに代表されるヨーロッパの言語教育政策を牽引してきたマイケル・バイラムの著書、待望の初邦訳! 細川英雄との対談つき

目次

監修者まえがき
日本の読者へ
謝辞

序章

第Ⅰ部 外国語教育

<目的>
第1章 コンテクストの中の外国語教育
 外国語教育を定義する
 外国語教育の政策
 外国語教育の評価と立案
 多言語環境にある複言語学習者への政策
第2章 外国語教育の目的
 外国語教育がもたらす恩恵
 目的と政策:3つの事例

<可能性>
第3章 外国語学習は学校教育の中で可能なのか
 政策立案者のねらい
 「成功」の定義づけと比較
 義務教育修了時における到達目標
 政策と実現性を合致させる
第4章 相互文化的話者――相互文化的に行動することか、二文化併用であることか
 二分化併用であること
 相互文化的に行動すること
 二分化併用であることと相互文化的に行動することの比較
第5章 相互文化的能力と小学校における外国語学習
 コンテクストと内容
 初等教育における外国語と文化の学習
 初等教育における言語と文化の教師
 カリキュラム作成と教材
 結論
第6章 分析型研究と提唱型研究――外国語教育の文化的側面を研究するということ
 分析型と提唱型
 文化学習と言語学習の分析型研究
 文化学習への方向性を提唱すること

<観点>
第7章 外国語教育におけるナショナリズムとインターナショナリズム
 「言語教育者」
 外国語教育者
 国民国家内の教育と国民国家を超えた教育
 社会化と社会的アイデンティティ
 国民アイデンティティと国際人アイデンティティ
 カリキュラムの中の言語とアイデンティティ
第8章 ヨーロッパにおける言語学習
 政治的な志向
 社会的アイデンティティとしてのヨーロッパ人アイデンティティなのか?
 言語とアイデンティティ
 社会化
 ヨーロッパ人アイデンティティと言語学習
第9章 政治的行動としての外国語教育
 言語教師養成教育
 教師養成指導者のための教育?

第Ⅱ部 相互文化的市民性教育

第10章 言語教育、政治教育、相互文化的市民性
 政治教育
 クリティカルな文化意識
 概念に関する相対主義と言語相対主義
 超国家的共同体におけるコミュニケーション
 相互文化的市民性を育てる教育の倫理的側面
第11章 相互文化的市民性を育てる教育
 政治教育と言語教育の枠組み
 相互文化的市民性を育てる教育
第12章 相互文化的市民性教育のための方針
 市民とその共同体
 国民国家を超える市民性教育:ヨーロッパ
第13章 相互文化的市民性教育のためのカリキュラム
 教育における超国家的政治的活動
 「相互文化的」に行動する段階について
第14章 相互文化的能力と相互文化的市民性のアセスメントと評価
 アセスメント(Assessment)と評価(Evaluation)
 価値があると見なすこと
 ポートフォリオとプロフィール
結論

付録1 相互文化的能力
付録2 相互文化的能力促進を目的とした教師養成の資料源
付録3 相互文化的市民性のための枠組み
付録4 相互文化的出会いについての自分誌


参考文献
参考資料 言語教育と市民性形成について

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