スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと

スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと
著者 小田伸午
ジャンル 書籍 > スポーツ科学 > 生理学・キネシオロジー・バイオメカニクス
シリーズ スポーツ「知っておきたい」シリーズ
出版年月日 2005/03/10
ISBN 9784469265675
判型・ページ数 B5・136ページ
その他の情報 2色刷
定価 1,760円(本体1,600円+税10%)

内容

スポーツは、筋肉・筋力が全てではない!

速く走る、素早く相手をかわす、速いボールを投げるなどは、単に筋力を高めるだけでは効果は期待できない。骨や筋肉、関節などの成り立ちを知り、二軸動作や常歩(なみあし)を理解することがいかに重要かを、イチロー選手やクレメンテ投手、末続選手などを例にして解説。

目次

■グラビア
1 運動は頭で理解して、感覚で実践する
2 気がついていますか?
3 筋肉、能力をつけることが全てではない
4 二軸動作のよさを体感しよう

■はじめに


第1章 誰もが知っておきたい「骨格と筋肉と関節」のこと

1 筋肉の始まりはどこで終わりはどこか?
[1]筋肉の行きつく先は?
[2]腹直筋、腸腰筋、インナーマッスル
腰痛とは?
ももあげの誤解

2 腕は肩からついているのではない
[1]肩甲帯と肩甲骨
肩甲骨の外放
引く動作
ベンチプレスと腕立て伏せの違い
プレスとプッシュ
[2]胸鎖関節
[3]投げ動作で考えてみよう
ボクシングのパンチ
ボールを持った腕の肩関節は外旋であげる
[4]水泳も胸鎖関節―速く泳ぐには―
ハイエルボー
軸を左右に寄せる「押す動作」
腕は頭を中心にして回っているように見える

3 脚はどこから始まるか
[1]股関節
屈曲・伸展
外転・内転
外旋・内旋
股関節は三次元
関節の種類
腰が回るとは?
[2]股関節の外旋
[3]自転車も押す動作
自転車のペダリング
自転車は押して乗る
[4]トップアスリートとあなたの立ち方の違いとは
アウトエッジ感覚
股関節外旋で前に出る
四股を踏もう
[5]トップアスリートは股関節の外旋を使って走る
足首で蹴らない
拇指球神話
外旋と内旋がペア
コーナー走で股関節外旋のイメージを
[6]末續選手の走法の秘密は常歩にあった
体幹をねじらない歩き方とは―データで見てみよう―
常歩は右足が前に出るとき左腰が前に出る
支持脚側の腰が前に出るのは、膝の抜き動作から


第2章 誰もが知っておきたい「身体運動を引き起こす二つの力」のこと

1 筋力を決める要因とは?
[1]太い筋肉は力が強い
男子が女子より筋力が強いのは?
脂肪で太い腕はみかけだおし
エキセントリック収縮とコンセントリック収縮
いちばん強い力が出る関節角度がある
[2]同じ太さなのに、筋力に差があるのはなぜか?
参加する筋線維の数
筋線維のタイプ
[3]筋力に影響を与えるその他の要因
テコの原理
羽状角
[4]筋力とスピードの違いを知ろう
力かスピードか

2 からだを動かすのは筋力だけではない―重力の重要性に気づこう―
[1]自分のからだの外にある力を使おう
踵で踏む
膝を抜くから踵で踏める
内力と外力
走運動は姿勢調節である
踵が高い靴
「こち亀」の両さん
[2]無意識の筋力発揮
からだを通じてわかること
伸張反射
生徒(筋肉)はかしこい

3 スピードを養成するには―スピードのトレーニング法―
[1]伸張反射とバネの特性を利用しよう
   ―プライオメトリットレーニングの有効性―ク
切り返しを速く
バネの作用は省エネ
[2]走る速さを高めるトレーニング
最大瞬間スピードを高める
顔のリラックス、顎のリラックス


第3章 誰もが知っておきたい「脳と神経」のこと

1 右と左のつながり
[1]両側性能力低下
[2]左右の脳が抑制をかけ合う
[3]意識は最大でも、力は落ちている

2 筋力よりも動作の基本を習得することが大切なわけ
[1]発育発達と神経系―子供の頃に遊びで覚える動作―
スキャモンの発育曲線
促成栽培では大人になって伸びない
考え込む必要があるものが基本
[2]心技体
槍投げ日本記録保持者の溝口選手に学ぶ

3 二重構造の神経系
[1]こむら返りの応急処置に学ぼう
相互支配
こむら返りは自分で直すことができる
[2]無意識と意識の二重構造
意識にのぼらないが、からだはすばやく反応している
脳の中のからだ
無意識の姿勢調節運動を優先するからだ
見ることの意味を知った室伏選手
[3]動作の修正はシーソーのバランスで考える
別のところに光をあてる
シーソーのバランス


第4章 誰もが知っておきたい「軸感覚」のこと―二軸動作と中心軸動作―

1 中心軸感覚と二軸感覚
[1]サッカーの二軸動作
二軸キック
パス&ゴー
インサイドよりアウトサイドのドリブルを
トラップも二軸動作で
ロナウジーニョ選手のシザーズ
コンタクトプレーも左右の軸を使う

2 常歩
[1]ウマの歩き方からヒントを
[2]なんば
[3]手と足が同時に出るということの本当の意味とは
[4]モーリス・グリーン選手に見る常歩
静的安定
不安定だから動作が起きる
疑似二軸動作
[5]抜くということ
膝を抜く感覚
幼児は二軸歩行―地面を蹴らずに膝を抜いて進む―
膝関節の抜き
[6]スタートも、倒れるようにして膝を抜く
低い姿勢を保つスタートは膝を抜く
末續選手のスタートから学ぶ

3 二軸投法
後ろ脚の膝の抜きからスムーズに重心移動
アウトエッジ
軸を固定しないで動かす
前脚の膝を抜く
股関節は外旋
グローブに向かって同側の胸を押す
左右の腕の高さの違い
ドアの回転のようなイメージではない
 ■終わりに
 ■コラム
正しい姿勢と筋肉と対話
二軸動作練習レポート

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