新しい柔道の授業づくり

内容

充実した授業を望む中・高校教師必携の書

生徒の学習経験や技能水準に応じた技能習得の方法やその指導法、授業の展開例を約600点の写真を駆使して具体化。生徒主体の課題解決型の授業を実践することで、誰もが初段を取得できるようにも配慮し、柔道を非専門とする教員、地域の指導者も使える具体的な内容となっている。

目次

まえがき

◇◆第Ⅰ部 理論編◆◇

第1章 中・高校生における柔道の学習指導の進め方

第1節 これからの柔道の学習指導に求められる役割
 1.国際化に対応すること
 2.武道としての柔道のよさを味わうこと
 3.スポーツとしての柔道のよさを味わうこと
 4.[生きる力]の育成に資すること
第2節 柔道の学習指導を進めるにあたっての基本的な考え方
 1.自ら学ぶ意欲、思考力・判断力を育てること
 2.「技」を教え込む授業の転換を図ること
 3.基礎的・基本的な内容を確実に身に付けること
 4.自己の能力等に適した得意技を身に付けること
 5.男女の特性を生かした学習指導を行うこと
第3節 新しい視点に立った柔道の学習指導の進め方
 1.新しい視点に立った学習指導の進め方
 2.一人ひとりを伸ばす学習の道すじ
 3.選択制授業の学習の道すじ
 4.新しい視点に立った中・高一貫の各ステージ
 5.柔道の学習指導を展開するにあたっての留意点

第2章 柔道の学習指導の基礎的・基本的事項(Q&A)

第1節 教育課程に関する事項
 Q1
新学習指導要領において、武道の取り扱いはどうなりましたか?
 Q2
学校体育において柔道の授業はどのように行われてきたのでしょうか?
 Q3
柔道の年間計画を立てる際の留意点とはどのようなことですか?
 Q4
柔道の男女共習は可能なのでしょうか?
第2節 学習指導と評価に関する事項
 Q1
柔道の授業で、準備運動や体ほぐしの運動をどのように工夫すべきですか?
 Q2
「柔道は受け身ばかりで、痛い、面白くない」と、生徒から聞いたことがありますが、どのような工夫をすれば、誰もが柔道を楽しく学ぶことができますか?
 Q3
授業で初段を取らせることは可能ですか?
 Q4
体育理論と柔道の授業との関連をどのように図ったらよいですか?
 Q5
身体接触を拒む生徒や宗教上の理由で柔道を拒む生徒には、どのように対応したらよいですか?
 Q6
正座を嫌がる生徒には、どのような対応をしたらよいですか?
 Q7
柔道の授業で経験のある生徒と初めて履修する生徒がいる場合、指導の留意点はどのようなことがありますか?
 Q8
柔道の授業ではどのような事故が起きていますか。また、それを防ぐためにはどうしたらよいですか?
 Q9
柔道の授業で、評価はどのように工夫したらよいですか?
第3節 柔道に関する事項
 Q1
ヨーロッパでは、なぜ柔道の人気が高いのですか?
 Q2
「柔能く剛を制す」といわれますが、本当はどういう意味ですか?
 Q3
柔道の段位を有していない教員、あるいは女性でも柔道の授業を行うことができますか?
 Q4
正式な広さの柔道場がない場合、どんな工夫が必要ですか?
 Q5
柔道衣は生徒に買わせるほうがよいでしょうか。それとも学校から貸与するほうがよいでしょうか?
 Q6
柔道創始者の嘉納治五郎はどういう人だったのですか?
 Q7
柔道と柔術とはどのように違うのですか?
 Q8
柔道と相撲の起源は同じですか?
 Q9
姿三四郎は実在したのですか?
 Q10
柔道の技は全部でいくつありますか?
 Q11
ブルー柔道衣について、どのように考えたらよいのでしょうか?
 Q12
すかし技とはどのような技ですか?

第3章 新しい時代の体育の課題(各種目共通の内容)

第1節 これからの体育をめざす方向
 1.[生きる力]をはぐくむ体育の学習指導
 2.運動に親しむ資質や能力の育成
 3.活力をある生活を支えたくましく生きるための体力の向上
 4.基礎的・基本的な内容の徹底と個に応じた指導の充実
第2節 指導計画作成の視点
 1.教科等の目標
 2.年間計画作成の基本的な考え方
 3.年間計画作成上の留意点
 4.単元計画作成上の留意点
 5.単位時間計画(指導案、時案)作成上の留意点
第3節 男女共習に対する考え方
 1.男女共習の背景
 2.選択制授業における男女共習
 3.男女の性差ではなく、個の特性をとらえること
 4.男女共習は中学校第1学年から行うと効果的であること
 5.男女共習の展開は弾力的に行うこと
第4節 評価に対する考え方
 1.これからの評価の基本的な考え方
 2.教師による評価
 3.生徒にとっての評価の意味
 4.生徒による自己評価と生徒同士の相互評価


◇◆第II部 実技編◆◇


第1章 柔道の学習内容

第1節 学習内容の考え方
 1.技能の内容
 2.態度の内容
 3.学び方の内容
第2節 学習内容とその取り扱い
 1.第1ステージ~第3ステージの内容例とその取り扱い
 2.第4ステージ~第6ステージの内容例とその取り扱い
 3.技の系統性とその発展

第2章 新しい視点に立った単元計画の例と学習指導の展開例

第1節 第1ステージ「柔道を体験しよう」
 1.学習指導の進め方
 2.単計画と学習の道すじ
 3.主な学習内容
 4.指導計画作成上のポイント
 5.安全上配慮する事項
 6.学習指導の手順と具体の評価基準
 7.学習指導の時案
 8.学習資料
第2節 第2ステージ「柔道のよさを知ろう」

第3節 第3ステージ 「柔道の楽しさを知ろう」

第4節 第4ステージ「柔道の楽しさを深めよう」

第5節 第5ステージ「柔道を得意にしよう」

第6節 第6ステージ「生涯にわたって柔道に親しもう」

第3章 柔道の技とその学び方

第1節 基礎知識
 1.礼法
 2.柔道衣の扱い方
(1)柔道衣各部の名称/(2)柔道衣の条件/(3)柔道衣の着用/(4)帯の結び方/(5)柔道衣のたたみ方の例
第2節 体ほぐしの運動
第3節 基本動作
 1.投げ技の基本動作
1.姿勢と組み方
2.進退動作(移動の仕方)
3.崩しと体さばき
4.受け身
 2.固め技の基本動作
1.主として攻撃に必要な基本動作
2.主として防御に必要な基本動作
3.簡単な攻め方と返し方
第4節 技の練習法
 1.「技の練習法」の考え方
 2.ステージ別「技の練習法」
第5節 投げ技
 1.手技
1.体落とし
2.背負い投げ
 2.腰技
1.大腰
2.釣り込み腰
3.払い腰
4.はね腰
 3.足技
1.膝車
2.支え釣り込み足
3.大外刈り
4.大内刈り
5.小内刈り
6.出足払い
7.送り足払い
8.内股
 4.捨て身技
巴投げ
第6節 固め技
 1.抑え技
1.けさ固め
2.横四方固め
3.上四方固め
4.縦四方固め
5.肩固め
 2.絞め技
1.十字絞め
2.送り襟絞め
 3.関節技
1.腕がらみ
2.腕ひしぎ十字固め
第7節 技の連絡変化
 1.投げ技から投げ技への連絡変化
(1)技の連絡(自分の技→自分の技)/(2)技の変化(相手の技→自分の技)
 2.投げ技から固め技への連絡変化
 3.固め技から固め技への連絡変化
第8節 防御の仕方
 1.投げ技に対する防御
 2.固め技に対する防御
第9節 試合の仕方
 1.授業における試合の考え方
 2.試合の指導
 3.試合の方法
 4.各ステージに応じた試合の考え方
 5.試合の具体例―各ステージへの対応
1.簡単な試合―第1ステージ~第2ステージ
2.試合―第3ステージ~第6ステージ

補章

 1.柔道試合審判規定
1.講道館柔道試合審判規定(抜粋)
2.講道館柔道試合審判規定・少年規定(抜粋)
 2.初段への道
1.講道館昇段資格
2.柔道の形
 3.日本の「柔道」から世界の「JUDO」へ
1.オリンピック柔道競技におけるメダル獲得数
2.世界の子どもたちに柔道衣を送ろう

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