内容
活力ある生活を築くために
現代社会で、私たちがスポーツにかかわっていくことは、心身ともに健康な生活を営むだけではなく、豊かな生活を送っていくためにも不可欠なものとなっている。 遊ぶ子どもの純粋な笑顔、スポーツをする人たちの真剣なまなざし、地域の人々のゆとりと居場所、仲間との生きがいある暮らし…。そうした人々の生きる身体の炎、生きる意味・あかし、実現すべき社会を、生涯スポーツ論は、遊び・スポーツ・レジャーの切り口から探り続けていく。
目次
第1章 総論
1 生涯スポーツ(life sport)の理念と構図
2 エリクソンのライフサイクル論と生涯スポーツ
エリクソンのアイデンティティ論
各ライフ・ステージと身体運動
生涯にわたるスポーツ
3 ライフステージ別生涯スポーツの実現方策
補論(1)文部科学省「スポーツ振興基本計画」
補論(2)中央教育審議会「子どもの体力向上のための総合的な方策について」(答申)
補論(3)日本体育協会「21世紀の国民スポーツ振興方策―スポーツ振興2008―」
第2章 子どもと「遊び」・「遊戯スポーツ」
I 概観
1 子どもと遊び
2 子どもと遊戯スポーツ
II 基礎理論
1 遊びの諸理論
2 乳幼児期の運動(ムーブメント)教育
3 子どもを主体とした多様な遊戯スポーツ
~「スポーツ少年団」を事例に~
III 子どもと「遊び」・「遊戯スポーツ」の実際
1 子どもの自然遊び・外遊び
2 子どもの「遊戯ゲーム・スポーツ」
3 大人の「しかけ」
補論(1)「生きる力」と「身体」
補論(2)「自然遊び・外遊び」における子どもの「身体」
「子どもの笑顔」
補論(3)「長期の宿泊自然体験学習」における子どもの身体
~「山中友子隊体験村」の事例~
第3章 青年と「スポーツ」
I 概観
II 基礎理論
1 スポーツの本質
2 スポーツの楽しさ・おもしろさ(フロー理論)
3 スポーツの文化
4 障がい者とスポーツ
III 青年の「スポーツ」の実際
1 わが国における競技スポーツの発展と現在
2 飛田穂洲の野球人生とアイデンティティ
3 イチローの野球生活とフロー/ストライクゾーン
4 スポーツの指導
補論(1)スポーツにおける身体
補論(2)「超越感覚」「深いフロー」「美」
第4章 成人と「地域スポーツ」
I 概観
II 基礎理論
1 レジャーとは
2 コミュニティの概念と地域づくり
3 地域(コミュニティ)スポーツ
4 総合型地域スポーツクラブ
III 成人と「レジャー・スポーツ」の実際
1 諸外国の先進事例に学ぶもの
2 人々のネットワーク
3 ある総合型地域スポーツクラブの構想 ~小学校を活動拠点に~
補論(1)地域スポーツの現状批判とプロモーションの課題
~ビジョン、住民の意識改革、スポーツ行政の民主化~
補論(2)新しいスポーツ価値を求めて ~「ビーイング」~
第5章 高齢者と「生きがい(健康・楽しみ・仲間)スポーツ」
I 概観
II 基礎理論
1 高齢者の「英知」
2 「生きがい」について
3 「ボケ」の予防と治療:「生きる楽しみ」の発見
4 高齢者のQOLと健康寿命
5 介護生活と生きる喜び(感性)
III 高齢者と「生きがい(健康・楽しみ・仲間)スポーツ」の実際
1 高齢者の健康スポーツの原則
2 ウォーキングの実践
3 「生きがいスポーツ」の十牛図
4 生きがい「レクリエーション・スポーツ」あれこれ
補論(1)高齢者の生きがいとハイキング・登山
補論(2)高齢者の温泉浴:湯浅泰雄の身体論との関連から
補論(3)日本の湯治:自然との無意識的感応
参考文献