企業・スポーツ・自然

株式会社ニッポンのスポーツ

企業・スポーツ・自然
著者 等々力賢治
ジャンル 書籍 > スポーツ科学 > 歴史・社会
出版年月日 1993/07/01
ISBN 9784469262629
判型・ページ数 四六・274ページ
定価 2,200円(本体2,000円+税10%)

内容

スポーツと自然の共存の為に

スポーツが政治や企業に利用されていることを排し、人々の生活を豊かな文化として発展することを願う立場から「スポーツ企業」「スポーツと自然」の関わりを問い直し、今後進むべき方向を示唆している。日本スポーツの在り方を問い直す。

目次

まえがき

序章 スポーツと企業、その関わり

 1 わが国特有の企業(内)スポーツ
わが国特有の存在/企業内スポーツの性格と問題点/企業スポーツの役割/好・不況に左右されやすい企業スポーツ
 2 世界を席巻するスポーツ・コマーシャリズム
スポーツは絶好の宣伝・広告媒体/企業フィランソロピーとコマーシャリズム/スポーツの商品化、ショー化、プロ化
 3 産業化するスポーツ
「モノ」「場」「サービス」の提供者か/「スポーツの産業化」とは/バブル崩壊下のスポーツ産業
 注

第1章 臨時教育審議会「生涯スポーツ」の検討

 1 「生涯スポーツの振興」を打ち出した臨教審
最終答申とその影響/第3次答申の内容/臨教審の性格と特徴
 2 臨教審「生涯スポーツ」の特徴
臨教審のスポーツ観/生涯スポーツと競技スポーツの分離明確化/推進主体は誰か
 3 臨教審「生涯スポーツ」のもたらす問題
経済的階層化の進行と種目間格差の跛行的拡大/懸念される教育への影響/バブル経済破壊の影響は
 4 生涯スポーツと「体育・スポーツ国際憲章」
高い期待と不充分な条件/真の生涯スポーツ推進のために
 注

第2章 「リゾート法」と大規模開発ブーム

 1 「リゾート法」とは
ブームのきっかけ/「リゾート法」の性格とねらい/「リゾート法」の眼目は「民活」
 2 「リゾート法」制定の背景とバブル経済
G5プラザ合意と「リゾート法」/G7と内需拡大/ブームの実態/バブル崩壊とブームの終焉
 3 リゾート開発のもたらしたもの
各地で顕在化した環境問題/地域住民の生活環境・生活破壊、そして地域破壊の問題も/地域振興はどうなったのか
 4 「日本型リゾート」の行方
リゾート活動と長期休暇/高額リゾートを活用できるのは/どうなるリゾート開発
 注

第3章 検証・第3次ゴルフブーム

 1 第3次ブームの概要
ゴルフ人口の特徴/急増するゴルフ場造成/ゴルフ志向(熱)の高まり
 2 もうけの構造
疑問だらけの巨大市場/“濡れ手に粟”式のゴルフ場造成/投機目的の会員権ブーム
 3 第3次ブームの負の遺産
国際化する自然破壊/人々を不安に陥れた農薬問題/錬金術の崩壊
 4 今後をどう展望するか
どうするゴルフ場/“もうけの構造”の解消を
 注

第4章 “金のなる木”オリンピック

 1 エスカレートする“五輪商法”、変わる五輪
高額放映権料の投げかけた影/ソウル大会の示した復元力と否定的側面/アマチュアリズムとの訣別/“五輪商法”の集金システム
 2 冬季オリンピックと自然保護問題
拉致活動の実相/クローズアップされた自然保護問題/かみ合わなかった「自然保護」論議
 3 巨大開発企業と冬季オリンピック
拉致活動への西武=堤義明氏の関与/岩菅山開発と西武=堤義明氏の思惑
 4 オリンピックのさらなる発展のために
長野冬季大会成功の条件/“金のなる木”化のコントロール
 注
終章 スポーツと自然、その共存のために
 1 深まる自然とスポーツの関わり
地球環境問題とスポーツ/拡がる自然志向的スポーツ
 2 スポーツの「人工空間への囲い込み」――スキーを例に
スキー場と自然破壊/エリア型開発とコンビニエンス型開発/「人工空間への囲い込み」/似非(エセ)スポーツ化」
 3 自然とスポーツの共存のために
環境優先思想の確立/必要な企業活動のコントロール/「文化的享受の復権」と環境学習(教育)
 注
あとがき

ジャンル