喫茶の歴史

茶薬同源をさぐる

喫茶の歴史
著者 岩間眞知子
ジャンル 書籍 > アジア・漢学/漢字文化 > あじあブックス
シリーズ あじあブックス
出版年月日 2015/01/30
ISBN 9784469233155
判型・ページ数 四六・296ページ
定価 2,200円(本体2,000円+税10%)

内容

お茶は薬だった! 茶はどう飲まれてきたか

古来より茶は薬だった。理想の古帝王「神農」が、毒にあたっても茶で解毒したのは本当か。栄西はなぜ『喫茶養生記』で茶と桑による養生法を書いたのか。古代から近世まで医薬書や各種史料を渉猟し、中国と日本の茶の交流史を明らかにしつつ、茶の効能と歴史を追う。

目次

◆第一章 茶薬同源をさぐる
茶は薬?/茶はスープ/茶具と製茶道具/平安時代の茶と典薬寮/【本草書の系譜】主要本草書系統表

◆第二章 中国 漢代から魏晋南北朝
神農伝説への疑問/『本草集注』の茶/『葛氏方』の茶/『本草集注』本文の中の茶/『神農本草経』に茶は書かれているか/神農伝説成立の経緯/農業神、理想の古帝王・神農/医薬の祖・神農/神農の毒/喫茶の始祖・神農/『神農食経』 ほか

◆第三章 中国 唐代
唐代の茶/『千金方』/『千金翼方』/『南海寄帰内法伝』/『外台秘要方』/唐代の製茶法を示す資料/『崔禹錫食経』茶粥の作り方/初の官撰本草/『新修本草』/蘇敬は茶に関心があったか/『本草拾遺』/『食療本草』商品としての茶/『食医心鏡』/『経験方』/『兵部手集』/『茶経』に記された茶の効能/『茶経』所収の効能を記す古文献

◆第四章 日本 喫茶の始まりから平安時代まで
日本の茶はどこから来たか/茶を将来したのは誰か/『仁和寺御室御物実録』/茶托について/『大同類聚方』/『本草和名』/『医心方』/平安時代の古辞書の見る「茶」文字――『篆隷万象名義』・『新撰字鏡』・『和名類聚抄』・『類聚名義抄』・『色葉字類抄』/期待された効能と茶の形状/宗教儀式と茶

◆第五章 中国 宋代
宋代の茶/『太平聖恵方』/『聖済総録』/栄代の本草書と『晦明軒本政和本草』/『図経本草』/『重広補注神農本草並図経』/『本草衍義』/『紹興校定経史証類備急本草』 ほか

◆第六章 日本 鎌倉・室町・安土桃山時代
『喫茶養生記』/養生とは/『喫茶養生記』の養生/『喫茶養生記』の内容/密教と道教/茶は仙薬/北斗法/茶は万病の薬/栄西の茶と最澄/『喫茶養生記』の桑/木葉天目――桑は禅に通ず/桑を記した資料と栄西/栄西の「茶と桑」/平安末期から鎌倉時代の諸相/日中間の往来/鎌倉初期の茶/『本草色葉抄』/『頓医抄』、『万安方』/南北朝から室町時代の茶の様相/日本における香茶/印刷出版事業/『医療衆方規矩』 ほか

◆第七章 中国 金・元代
金・元代の茶/茶はどのように体をめぐるのか/『湯液本草』/『三元延寿参賛書』/香茶/金元時代に表れた固形茶/元代の文人茶と茶の着香

◆第八章 中国 明代
明代の茶/『普済方』/『救荒本草』/『本草品彙精要』/『本草綱目』/『本草綱目』/百病主治薬/『本草綱目』本文の茶

◆第九章 中国 清代
清代の様相/『医宗金鑑』/『本草綱目拾遺』/雨前茶/武夷茶/松蘿茶/六安茶/普陀茶/『植物名実図考』/寒の茶、温の茶/熟成と発酵/温になる原理/寒の意味 ほか

◆第十章 日本 江戸時代
江戸時代の様相/『延寿撮要』/『多識編』/『閲甫食物本草』/『庖厨備用倭名本草』/『古今養性録』/『炮炙全書』/『本朝食鑑』/『広益本草大成』/日本に立脚した本草書『大和本草』/『巻懐食鏡』/『一本堂薬選続編』/『用薬須知』/『物類品隲』/『廻国奇観』/『日本植物誌』/『日本』/『泰西本草名疏』/『本草綱目啓蒙』/『本草図譜』/『草木図説』/『烹茶樵書』/『本草綱目記聞』/『(神農)本草経攷注(考注)』、『本草経薬名攷』

あとがき
関連年表
主要参考文献
図版一覧

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