日本語の助動詞

二つの「なり」の物語

日本語の助動詞
著者 北原保雄
ジャンル 書籍 > 日本語・日本文学・日本語教育・国語教育 > 文法
出版年月日 2014/03/20
ISBN 9784469222340
判型・ページ数 A5・256ページ
定価 3,190円(本体2,900円+税10%)

内容

古代日本語に構築された美しい文法世界をときあかす壮大な日本語論

日本語文法の基本に関わる重要な助動詞「なり」。動詞から助動詞へと転じた「なり」と新たに出現した構文により発生したもう一つの「なり」は、かつて同一のものとも見なされ、いまだその議論は決着を見ない。二つの「なり」の関係、違いとは何か? 日本語文法研究の第一人者があらゆる角度から考察する。

目次

まえがき


第一章 二つの「なり」について

第二章 〈終止なり〉と〈連体なり〉

 第一節 はじめに

 第二節 塚原鉄雄氏の説について
 第三節 形容詞などに接続する「なり」
 第四節 分布から読み取れること
 第五節 活用語に接続する「なり」の分布
       ―源氏物語の場合―
 第六節 まとめ

第三章 〈終止なり〉の成立

 第一節 はじめに
 第二節 〈終止なり〉の原形と接続との関連
 第三節 「見ゆ留」の構文
 第四節 「なり留」の構文
 第五節 〈終止なり〉の原形
 第六節 おわりに

第四章 複述語構文の検証
      ―「らむ」「らし」の成立―

 第一節 はじめに
 第二節 従来の諸説について
 第三節 「あらむ」「あらし」説の再検討
 第四節 おわりに

第五章 〈連体なり〉の成立
      ―活用語に接続する「なり」の活用形「なら」と「なれ」―

 第一節 未然形「なら」の実態
 第二節 已然形「なれ」の実態

第六章 「なり」の文法的意味

 第一節 はじめに
 第二節 「なり」の接続の種類
 第三節 場所や時を表す名詞に接続する「なり」([A])の文法的意味
 第四節 副詞および副詞に準ずる語に接続する「なり」([B])の文法的意味
 第五節 体言に接続する「なり」([C])の文法的意味
 第六節 [B]と[C]との文法的意味の相違
       ―形容動詞の論―
 第七節 活用語の連体形に接続する「なり」([E])の文法的意味
       ―あわせて、接続助詞に接続する「なり」([F])の文法的意味―
 第八節 活用語の終止形に接続する「なり」([D])の文法的意味
 第九節 おわりに

第七章 〈連体なり〉との相互承接を基準とした助動詞の分類

 第一節 助動詞の分類の意義とそのあり方
 第二節 〈連体なり〉との相互承接による助動詞の分類
 第三節 〈連体なり〉の文法的意味
 第四節 (a)グループの助動詞について
 第五節 (b)グループの助動詞について
 第六節 (c)グループの助動詞について
 第七節 おわりに

第八章 〈連体なり〉の連体修飾法欠如

第九章 〈終止なり〉〈連体なり〉の変容
      ―平家物語の場合―

 第一節 はじめに
 第二節 未然形「なら」について
 第三節 連用形「なり」について
 第四節 終止形「なり」について
 第五節 連体形「なる」について
 第六節 已然形「なれ」について
 第七節 おわりに


初出一覧
あとがき

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